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Ryra Vineyard & Wines Vol.6 - 遅い収穫タイミングを活かせるか(2023.9)

(この内容は2023年9月29日、Ryra Clubプロジェクト参加者に発信した内容を一部変更したものです。)

初収穫に向けて、9月13日から収穫前の果汁分析(糖度、酸度の測定)を開始しました。9月26日時点で、糖度は18.4%。もし、シャンパーニュを真似たワインをつくるなら、もう収穫しなければなりません。しかし、私たちは敢えて、もう1週間以上待ってみることにしました。糖度、酸度の値では、一般的に言われている「スパークリングワイン用ぶどうの最適期」を過ぎたタイミングとなりますが、気温がぐっと下がる10月7日以降に収穫を行おうと思います。

私たちはシャンパーニュという産地と、そこから生まれるスパークリングワインを心より愛し、尊敬しています。しかし、シャンパーニュのつくり方、スタイルを「絶対的なもの」と考え、それを真似するだけでは、私たちがつくろうとしている新しいワイン産地及びこの地域から生まれる "Usuzan Sparkling Wine" は世界の中で生き残れないと思っています。私たちは、ここでなければ実現できない個性、オリジナリティを持って、世界のワイン愛好家たちに受け入れてもらわなければなりません。

シャンパーニュと伊達市を比べたときに、大きく違うことがいくつかありますが、その一つが「収穫タイミング」です。シャンパーニュでは、9月上~中旬に大部分の収穫は終わります。収穫日が早いのです。一方で、私たちの産地は収穫日が遅い。これがどのような違いをもたらすのか。

収穫を待つシャルドネ(クローン95/台木101-14)

秋が終わりに近づき、なんとかギリギリ熟すことができたぶどうは、より多くのアロマを持つと言われています。これは、醸造学が飛躍的に発展した1980年代よりもずっと昔から、ワインをつくる人たちの間では経験によって知られていたことです。
私たちは、シャンパーニュよりも寒い気候、遅い成熟タイミングを生かし、よりアロマの豊かなぶどうを収穫することができるかもしれません。この特徴をうまく引き出し、「シャンパーニュとは違う!」と言われると同時に、多くの人に受け入れてもらえるスパークリングワインをつくりたいと思っています。
シャンパーニュの真似だけでない、オリジナリティの追求が今の私たちには必要であり、それを率先してやるのがRyraの役割だと考えています。

Ryra Vineyard & Wines の情報は以下にも掲載しています。
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Instagram https://www.instagram.com/ryravineyardandwines/

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