音楽よもや話 〜レコード青春時代編その4(優しい社員さんとブラジル音楽)〜


レコード屋の面接の時、担当してくださった社員さんはWORLD MUSIC担当の人であった。とても面倒見が良く、お洒落で優しいお兄さんであった。仕事終わりに良く音楽に強いBARなどにも連れてってくれたりもし、音楽も色々教えてもらった。

自分は学生時代、民族音楽研究の授業を受けたり色んな国の音楽について調べるのが好きであったためWORLD MUSICに詳しい、その人が教えてくれる音楽からも刺激を受けた。その人は中でもブラジル音楽を得意としていたため、ブラジル音楽を中心に私が好きそうなFUNKやSOUL色の強い音楽や、またちょっと色の違ったお洒落で大人な音楽など色々教えてくれた。

▽FUNKY SAMBAといえばJORGE BEN。代表作の一つ。

▽こちらは2013年自分が働いていた時にリリースされた音楽になるが、こういった新譜の展開にも力を入れていた。ブラジルのミナス地域の音楽。当時の自分にはお洒落すぎた曲。久々に聴いたが今聴くと、とてつもなくカッコいい。。。


その人はとても仕事熱心な人でもあり、自分の好きと信じた音楽を熱心に広めていく活動に積極的に取り組んでいた。古い音源だけではなくブラジル音楽の新譜の試聴会を催したり執筆活動を行なったりと。彼のそういった姿勢から彼の事を強く信頼するお客さんも多くWORLD MUSIC好きなお客さんがよく彼目当てで遊びに来たりもした。そういったお客さんからも色々と音楽を教えもらったりもした。

RARE GROOVEやHIP HOPのサンプリング文化的な見方からも再評価される古いブラジル音楽もあり、その中からも、かっこいい音楽が沢山あることをレコード屋で働きながら知っていった。前回の記事でも話したMADLIBをはじめ、伝説的なビートメイカーJ DillaやJurassic 5のCut Chemistもブラジル音楽を強くリスペクトしている。

▽最近の音源だとこれもサンプリング元はブラジル音楽。

▽サンプリングソース。ブラジリアンソウル

▽私がとても好きな曲。サンプリングで使われたりする。


その社員さんは自分が音楽活動をしている事も知っており、よく応援してくれていた。彼の仲の良い知人でブラジルやラテンに強いパーカッショニストがいるから、そういった音楽を演奏する際のヒントになるかもしれないという事で、紹介してもらった。

そのパーカッショニストがまた変わった人で本当に面白い人であった。木造のかなり趣のある(ボロボロ)の一軒家に住んでおり、家の扉の鍵は時代劇に出てきそうな木製の南京錠の様なものであった。しかも鍵としは機能しておらず実質飾りであったとの事。ただ家にはブラジルやラテンの音源や映像が沢山あり色々聴かせてもらったり観せてもらったりした。また家では太鼓を鳴らしても苦情が来ないらしくスルドというサンバの低音を担う大太鼓を教えてもらったのを覚えている。

またポルトガル語とスペイン語を話せる人であったためブラジル人の知人が非常に多く代々木公園で開催されたブラジルフェスのお店の手伝いも彼経由で一度経験させてもらった。(日本にブラジルの人が多くいる事も知っていった。)

そんな方々から濃ゆい経験をさせてもらいブラジル音楽の影響を受け作曲の際、自分なりに曲のアレンジにエッセンスを取り込むチャレンジをする様になった。正直ブラジル音楽のプロフェッショナルの方と比べたら、自分の知識やスキルは表面的なものではあると思うが。そんな葛藤もありつつも日本の裏側にあるこのブラジルの音楽もとても魅力である。








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