MBAは役に立つのか?
結論からいうと、役に立っています。
ビジネススクールで学ぶことは、主に経営理論や法則などです。それ以外にも自分自身の志や倫理観と向き合うクラスなどもありますが、主にはフレームワークや理論を学びます。
それにより、論理的に思考し、答えに早く辿り着けるようになったと実感しています。
分かりやすいように、算数を例にします。
次の数のうち、3の倍数はどれでしょう?
① 111
② 1,111
③ 11,111
④ 111,111
⑤ 1,111,111
ひとつずつ素直に解いていけば分かる問題です。
111÷3=37と割り切れるので、3の倍数
1,111÷3=370あまり1なので、3の倍数じゃない
11,111÷3=3,703あまり2なので、3の倍数じゃない
と、こういうふうに一つずつ計算していけば答えは出ますが、時間がかかりますよね。
そこで、3の倍数かどうかは、それぞれの桁の数を足して3の倍数になるかどうかで分かる、という法則を知っていたらどうでしょう?
111なら、1+1+1=3なので、3の倍数です。
1,111は、1+1+1+1=4なので、3の倍数ではありません。
3の倍数になるのは①と④だと、ほんの数秒で出せるようになります。慣れれば1秒かかりません。
この法則を知っていれば、いちいち計算しなくても瞬時に正しい答えにたどり着けますし、この法則を知ってしまえばひとつずつ計算することはなくなるでしょう。
これが法則や理論の力です。
このような理論や法則は先人たちの知恵の結晶であり、こういう先人たちの知恵を借りることをニュートンは「巨人の肩に乗る」と表現しています。
経営の世界には正しい答えというものはある意味存在せず、今この局面で妥当な答え、より成功確率の高い答えを出すことが求められますが、その答えを出すために考えるべきことをフレームワークや理論などで学びます。
それを知ってしまえば、頭の使い方がガラッと変わります。
3の倍数の法則を知っているかいないかの違いと同じです。
データ分析の仕方や批判的思考を基礎に、市場分析ではPEST分析や3C(5C)分析などを学び、マーケティングでは4PやAIDMAなどから最新のフレームワークまで学びます。人事領域では組織行動学、リーダーシップ、人材マネジメントという科目で様々な理論やフレームワークを学びました。
そして、それにより頭に使い方が変わりました。
3の倍数の法則を知ってしまったからです。
というわけで、少なくとも僕にとってはビジネススクールでの学びは実践にとても役立っています。