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初心者なんですけど、一眼レフカメラのレンズはまず何を買ったらいいですか?に誠実に答えてみる

ニコンカレッジが始まりました。
昨日もいただいたよくある質問。
『一眼レフを始めたばっかりなので、何か新しいレンズを
買って見たいのですが、何を買ったらいいでしょうか。』
確かに、最初はどう判断して良いか、わからないことだらけですよね。

ぶっちゃけ・・・時間がないときの答えは、
「まぁとりあえず初心者には単焦点の
標準レンズなんかがいいと思いますよ!練習になりますしね!」
とか言っちゃいます。
そういうシンプルな回答を求めていて、
その方が喜ぶ方もいるかもしれないんですが・・・。
そう答えるのにももちろん理由があって、単焦点の標準レンズが
おすすめな方も多いのには違いないのですが、
やはりこの答えは100%ではないのです。

なぜなら、本当は!
私の中の誠実な答えとしては、
「撮りたいものは一人一人違うはずなので、レンズごとの特徴を理解して
メリットやデメリット、違いがわかるようになりましょう。
そうすれば結果的に自分が必要なレンズがわかるようになります。」
と、言いたいからなのです。
ですがこうすると、ひじょ〜に話が長くなるので
端折ってしまうことも正直多いのです。
が、せっかく質問をいただいた
この機会に長文となりますがまとめてみようと思います!!!
私はニコンユーザーなのでニコンを基準に書きます。
あくまでこの文章は私の経験上なので、メーカーごとの違いや
間違いもあるかもしれません。
間違って買ってしまっても責任は取れないので、より細かいところは
ご自身でメーカーに問い合わせるなど調べて見てくださいませ。


★レンズを選ぶ際の判断基準・1
「焦点距離は何mmか」
レンズは必ず、焦点距離が決まっています。
焦点距離が変わると、写真を写す範囲が変わります。

焦点距離が長いレンズは、遠くの物を大きく写せます。
言い換えると、写す範囲が狭くなります。
70mm以上の焦点距離のレンズを「望遠レンズ」と呼びます。
(ニコンFXフォーマットの場合。DXなら50mm以上が望遠レンズとなります)
望遠レンズの特徴としては被写界深度が浅く(ピントの合う奥行きが短く)なり、
背景のボケが大きくなるというのがあります。
このボケ感は人間の見た目では表現できない世界。
例えばこの写真の焦点距離は160mmです。

顔にピントがあって背景の街路樹などはだいぶボケてますよね。
こういう表現ができるのが望遠レンズの特徴です。


焦点距離が短いレンズは、写す範囲が広くワイドになります。
言い換えると遠くのものは小さく移ります。
35mm以下の焦点距離のレンズを「広角レンズ」と呼びます。
(ニコンFXフォーマットの場合。DXなら24mm以下が広角レンズとなります)

焦点距離24mmで撮影した写真はこんな感じ。
風景写真などではこちらの広角レンズを使うことが多いと思います。

その間の焦点距離、50mmのレンズのことを標準レンズと呼びます。
(ニコンFXフォーマットの場合。DXなら35mmが標準レンズとなります)
見た目に違く、歪みが少なく自然な印象で写せるのが特徴です。

こちらは50mmで撮った写真です。


★レンズを選ぶ際の判断基準・2
「単焦点レンズか、ズームレンズか」
この一番の違いは上記で書いた「焦点距離」が固定されているか、
否かということです。
焦点距離が固定されているのが「単焦点レンズ」
変更できるのが「ズームレンズ」です。

単焦点レンズの特徴
・焦点距離が固定されている=写す範囲が一定。
・そのため初心者には「大きく撮りたければ近づく、小さく撮りたければ離れる」という感覚が身につきやすいので練習にはオススメ。
・写りがクリアなことが多い。
・比較的安価で明るいF値のレンズのラインナップが多い。
これも初心者にオススメな理由。

ズームレンズの特徴
・焦点距離を変更できるので、一本で様々な表現を楽しめる。
・レンズ交換をしなくてもいろいろな焦点距離で撮影できるので、
手間が少なくて済むし、荷物も少なくて済む。旅行などに便利。
・大きくするときはズームを回せば済んでしまうため、
足で近づいて撮るという選択肢を忘れてしまいがいちになる。
これは初心者にとってはデメリットになりうるかも。
28-300mmみたいにかなり焦点距離に幅のあるものを
高倍率ズームレンズといいます。


★レンズを選ぶ際の判断基準・3
「解放F値はいくつか」
F値はたいてい、小さい方が写真的に有利です。
理由は二つあって
・F値が小さいほど光を多く取り込めて良い条件で撮影できる
・F値が小さいほど被写界深度の浅いボケの大きな写真が撮れる
からです。
よくあるF値の違いの作例を貼っておきますね。
ピントの合っていない奥のパンやヨーグルトに注目。


ちなみに58mmF1.4のように、解放F値が低いレンズなどは高額な傾向です。
光が取り込めることで解像感というか写りに差が出てくることは
間違い無いと思います。
具体的にどう変わるのか、その辺に興味のある方は
ショウルームやレンタルなどで試して見るのがイチバンだと思います。


★レンズを選ぶ際の判断基準・4
「マイクロレンズなのか否か。」
マイクロレンズというのは被写体とレンズの距離が近くても
ピントがあうレンズのことです。
このレンズを使っていると「どアップ」で撮影ができて面白い
表現が可能になります。例えばこんな感じ。

マイクロレンズではないレンズでここまで近づくと、
どこにもピントがあっていないボケた写真になってしまいます。
マイクロレンズは小さいアクセサリーとか料理、昆虫なんかを
撮っている人が使うイメージがあるけど、
アイデア次第で別に何をアップで撮っても良いわけです。


★レンズを選ぶ際の判断基準・5
「重さ・大きさどうか」
あとはもう現実的なところになります。
大きさ重さは、ガチで割と重要です。
当たり前ですがレンズはどこかに持って行って使うことで
本来の役割を発揮してくれるものです。
(レンズを飾るのが趣味の方は例外です)
重いから今日は持っていかなくていいか・・・
かさばるから今回はやめておこう・・・
となってしまってはどんな高性能レンズでも本末転倒。
自分のライフスタイルに合わせて、使うシーンを想定しながら
選ぶというのもとても重要なことです。


以上、レンズを選ぶ際の5つの判断基準をまとめてみました。
自分がどんなモノを撮りたいか、
どんな表現をしたいかというのはみんな違うので、
自分がなんとなくこれが好き!そうそう、こういうのをやってみたいんだよね!
と思うものに近づけるヒントになったら良いなと思います。
写真には正解はありませんので、自分の中の「スキ!」「ピンときた!」感覚を
イチバン大事にして欲しいのです。

何か過不足を思い至れば随時直していきたいと思います。
参考になれば嬉しいです!!

もしサポートいただいたらいつも他人に譲ってしまう傾向のある心やさしい旦那さまと、彼の大好きなカニを食べに行きたいです。応援よろしくお願いします。