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プロが教える!絶対に失敗しない「米軍人向け賃貸ビジネス」の全て(軍検査について編②)

前回は軍検査の基礎知識」についてお伝えしましたが、今回は「軍検査を受けるために必ず設置すべきもの」についてお伝えします。

日本で建物を建築した際には、入居前に完了検査を受けて合格する必要があります。
日本の基準で合格しても、軍検査の基準は日本のルールとは若干違うため、追加工事が必要となる場合があります。
米賃貸向け物件を建てられる際には、図面設計の段階で米賃貸専門の不動産会社に相談に行くことをお勧めします

ここでは共通して軍検査に必要なものを列挙します。

①煙探知機

煙探知機

日本では熱探知機の設置が義務ですが、軍検査は煙探知機の設置を義務としています。
煙探知機はホームセンター等で売られていますので、物件完成後に設置しても問題ありません。

②止水蓋

シリコン製の止水蓋

アメリカではキッチンシンクに水を貯めて洗う文化があり、軍検査も止水蓋を設置して水を貯められるようにする必要があります。
推奨するものはシリコン製の止水蓋で、どの形の排水溝にもフィットできるのでお勧めです。
こちらもホームセンター等で販売しています。

③エアコン

エアコンの一例

エアコンの設置は必須になりますが、全部屋に設置義務はありません
ただし、いずれにしてもお客様から設置を求められるので、全部屋設置するようにしておいた方が良いと思います。

④カーテンレール

カーテンレール設置の一例

窓にはカーテンレールの設置が義務付けられています。
外からの目線を隠すためで、以前はすりガラスであればカーテンレールの設置は要らなかったのですが、最近は必要となるケースも出てきました。
また小さな窓や通常カーテンレールを必要としない窓に関しては、ダイソーなどに売っている突っ張り棒での代用でも大丈夫です。

⑤手すり

手すり設置の一例

階段部分には左右どちらか片方に手すりの設置が必要になります。
1段でも段差があれば、手すりの設置は必須になります。

⑥ドアストッパー

ドアストッパー

ドアと壁がぶつからない様にドアストッパーの設置が必要です。
昔は床から飛び出しているストッパーが主流でしたが、足を怪我する恐れがあるとの事で不可となっています。
現在は埋め込み型などのストッパーが主流なので、それに関しては問題ありません。

埋め込み型ドアストッパー

またドアだけでなく、開閉できる扉なども壁にぶつからない様に、ストッパーやクッション材などでぶつかり防止措置を取ることが必要です。

⑦転落防止ポール

転落用ポールを設置した例(画像右側)

和室など窓の位置が低い物件などの場合、10㎝ピッチでポールを建てる必要があります。
これは転落を防止する意味合いがあり、子供の頭が入らないサイズを基軸にしていると言われています。
また、高さ90㎝以上になるまで固定式のポールを設置する必要があります。
素材は金属製や木製のいずれでも大丈夫です。
窓枠に鉄格子がある場合、ポールの設置は必要ありません
また階段部分などに隙間が大きく空いている場合も、同じく10㎝ピッチでポール設置、もしくは転落できないような措置を取ることが義務付けられています。

⑧網戸

網戸

開閉できる窓には網戸の設置が必須です。
虫が入ってくる事の防止や、衛生管理上の観点で網戸を入れる事が必要となります。
網戸のスライドが動きにくいものも不合格になってしまうので、戸車などの交換が必要となります。

⑨段差

室内から室外に出る際に、30センチ以上の段差がある場合は固定式の段差を作る必要があります。
もし60センチ以上であれば、2段の段差設置が必要です。
状況にもよりますが、その場合の手すり設置が必要のないケースもあります。

⑩薬箱

洗面台には薬箱の設置が義務付けられています。
薬箱といってもどこにでも持っていけるものではなく、軍検査上の薬箱とは三面鏡などの裏に歯ブラシなどを入れるスペースがあるものの事を指します。無い場合は鏡付きの収納ボックスでも対応可能です。

鏡付きの収納ボックスの例

⑪タオル掛け

固定式タオル掛け

洗面室やトイレ、浴室にはタオル掛けの設置が義務付けられています。
固定式が理想ですが、吸盤型でも特に問題ありません。

⑫クローゼット

クローゼットの一例

部屋として認定してもらう為には、各部屋にクローゼットの設置が必要です。
設置がない場合は、外付けのクローゼットか作り付けで制作する必要があります。

⑬表札

表札設置の一例

建物の入り口から見えやすい所に、英語表記で建物名と住所を明記する必要があります。
物件名は自由に付ける事が可能です。
どんな名前でも良いのですが、男性的・女性的なイメージを持たれる名前は、顧客を限定してしまう可能性があるので要注意です。
よくあるのは、地域特性の名前を入れたり、オーナー自らの名前を入れることもあります。

⑭外周の環境整備

敷地内の建物周りも整える必要があります。
植栽の剪定や草刈りを行い、植栽以外のものは原則撤去しなくてはいけません。
また、隣地との間には90㎝以上の壁を建て、境界を区切る必要があります。


上記以外にも物件次第では必要なものが出てくるケースがありますが、今回挙げた事は最低限必須になりますので、是非覚えておくようにして下さい。

米賃に関する事など、お気軽にお問い合わせください。
株式会社ユナイテッドコーポレーション
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