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「明るい北朝鮮」シンガポールへ行く

2023年10月5日、ドイツにいる友人を訪ねるためにシンガポールを経由することにした。シンガポールでは9時間の待機時間があることは分かっていたので、せっかくならば国内を散策してみようと思ったわけである。

シンガポールは、人口約540万人を超える大都市でありながら、その面積は東京23区と同等の大きさである。交通インフラがたいへん発展しており、空港から1時間もかければ、いともたやすく市街地へ行くことが出来る。

シンガポール市街地

福岡空港からシンガポール・チャンギ空港まで、シンガポール航空を利用した。「世界で1番サービスの良い航空会社」と聞いて、「お手並み拝見」というところであった。

機内には、枕とブランケットがあった。窓のブラインドがないのだが、青色のライトを付けることによって紫外線カットがされていた。このようにすることで、いつでも窓の外を見ることが出来るわけである。さらに驚くことに、前の席の方は「誕生日おめでとう」とお祝いのケーキまで出されていた。この航空会社は、ホスピタリティの化け物が運営しているに違いない。


席にはテレビも付いてます


飛行機内で隣になった、これから乗り換えでインドネシアのジャカルタに行くという日本人男性と話した。電子入国カードのやり方などを教えた。代わりに、僕のリュックを運んでくれた。「1時間後には、ジャカルタへの便が出発なんだ」と言って、男性は我先にと飛行機を降りていった。

僕は特に急ぐ予定もなかったので、シンガポール・チャンギ空港に2019年にできた「JEWEL」というデパートに向かった。地面に向かって一直線に流れ出る人工の滝のようなものが目の前に現れて、ボケーっと阿保みたいに上を見上げていた。「ドーナツみたいでおいしそうだなあ」と考えていた。この滝は、イスラエル出身のモシェさんが設計したらしい。気がついたらアラブ系の方に囲まれており、気まずくなったのでウナギのように逃げて帰ってきた。

JEWELの滝

お目当てのJEWELも見れたことだし、手持ちの1万円をシンガポールドルに両替して、「MRT」というシンガポールの地下鉄に乗ることにした。駅の窓口で「EZ リンクカード」という交通カードを購入して、鉄道に乗り込む。地下鉄の車内は横幅が広くて、揺れが少ない。車内はたいして混雑していないので、東京メトロよりもはるかに快適である。

インド系の女性が、僕の隣に座りたそうにして立っていた。しかし謎のティッシュが椅子に放置されており、座れそうになかった。ぼくは放置されていた、誰のかも分からぬ鼻水ティッシュを素手でつかんだ。そのまま Bayfrot駅のゴミ箱まで、鼻水ティッシュと一緒であった。

かわいいMRT

Bayfront駅で降りて地上へ出ると、有名なホテルである「マリーナ・ベイ・サンズ」の正面へ出ることができた。マリーナ・ベイ・サンズは、さきほどのチャンギ・シンガポール空港内にある「JEWEL」を設計した、イスラエル出身のモシェさんが設計したらしい。シンガポールのランドマークは、この方の力によるものが大きいのだろう。モシェさん、すげえなあ。

下から見た、マリーナベイサンズ

マリーナベイサンズの周辺をうろうろしていると、マリーナ湾に出た。マリーナ湾はシンガポールのヘンテコ建築や、デカい観覧車が一望できる場所である。おそらくシンガポール一番の観光スポットであろう。みんなトレーニングウェアを着て走り込みをしているのを見るに、このマリーナ湾を1周ランニングするのが流行っているらしい。

マリーナ湾

「日も暮れてきたことだし、夜ごはんでも食べたいなあ」と思ってご飯屋さんを探していたのだが、シンガポール人はみんなで集まってご飯を食べている。そのような場所に一人で足を踏み入れることが難しく、恥ずかしそうに散歩するしか方法が無かった。

散歩していると、超高層ビルが立ち並ぶ「ダウンタウンエリア」に来た。仕事帰りのエリートサラリーマンたちが美女を連れて歩いている。その一方で、24時間営業のマクドナルドを覗いてみると、ホームレスのような方がチビチビ水を飲んでいた。外へ出ると、360度監視カメラがこちらを覗いている。

まーらいおんは工事中

いよいよ本格的にお腹がすいてきたので、早めにチャンギ空港へ戻って、空港ラウンジで夜食を食べることにした。「JEWEL」の中には誰でも入れる有料ラウンジがあり、そこで「ラクサ」という麺類を食べた。追加料金を支払い、綺麗なシャワーも借りることが出来た。さっぱりとした気持ちでドイツに向かうことができるので、とてもありがたい。


ラクサを食べた
滝の色が変わってた

現在は搭乗手続きも終わり、ドイツ発の飛行機が出発するのを心待ちしている状態である。時間があるのでシンガポール編を1本書き上げようと思ったが、なんとか出来上がった。

改めて考えてみると、この国は観光客にとって、たいへん安全な国である。常に警察の目が行き届いており、観光地も綺麗に整備されている。この国は野心家にとっても、たいへん魅力的な国である。実力のあるものには相応の給与が支払われ、相応の将来が約束される。

しかしながら、この国では常に勝ち続けなければならない。ボクはこの国には住めないが、また時間をかけて旅行に行きたいと感じた。


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