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政治資金不記載を追及して、得する人、損する人

参議院予算委員会で騒ぐテレビタレントたち

国会の予算委員会で野党がやたらと政治資金規正法上の不記載問題で自民党議員や閣僚を追求している。

特に熱心に「問題だ〜!」と騒いでいるのが、立憲民主党のいつものメンバーだ。
立憲民主党の目的は、当然、自民党を瓦解させ、政権交代しようということなのだろう。れいわ新選組の山本太郎も、「総理、いつ辞めていただけますか?」などと、テレビ映りを意識した常套句を繰り返すばかり。

問題の本質は、そもそも政治資金規正法上の不記載を「裏金」と間違った呼び方をする点なのだが、野党議員諸氏は、テレビに映ればそれで満足なので、一向、そんなことは気にするそぶりはない。

以前の拙稿でも書いたが、彼らのやってることは、モリカケサクラの時に見た風景と極めて酷似している。裏金、裏金と言い続けることで、有権者への印象操作を繰り返しているのみだ。共産主義と同じで、嘘も100回言えば本当になるというやり方だ。いわゆる、刷り込みだ。

有権者にとって大事なのは、自民党はけしからんと言う刷り込みの次に来るものなのだが、そこは野党は誰も言わない。

立憲民主党の小西ひろゆきは、政治資金規正法の説明は懇切丁寧に行うのだが、それによって自民党議員はけしからんと言う「だけ」で、国民が聞きたい、では自民党政権を倒した後、仮に立憲民主党が政権を獲ったら国民に何をしてくれるのか?は、言わない。

予算委員会なので、予算組みを行った後、政府として予算執行するにあたり、国民の付託を受けて行政を取り仕切るに値するか否か?を問う場であると言うのは、一見、尤もらしいと言えばもっともらしい。しかし、その与党自民党が立憲民主党に変わったとして、或いは野党連合に変わったとしても、政治資金規正法自体は何も変わらない。とするならば、立憲民主党やその他の野党とて、同じ政治資金規正法の枠内で政治活動を続けていくことになる。

仮に今の自民党政権が政治資金規正法を守っていないと指摘するなら、立憲民主党は問題となる政治資金規正法の中身について議論すればいいと思うのだが、それをやると政治資金規正法の恩恵を預かる自分たちも火の粉が降りかかることを知っているから、そこは言わない。自民党が違法ではないが脱法行為を繰り返しているという屁理屈は、自分たちに跳ね返ってくるだけのことで、では立憲民主党と野党連合が政権を握ったからと言って、彼らが政治資金規正法を守る保証はどこにもない。

政治資金規正法は、政治家個人への献金を禁止する目的で制定されたものだが、ザル法であることに変わりはなく、政治家個人が管理しないと言うだけのことであり、政治家の租税回避の手段であることに変わりはないのだ。政治活動費用を国庫から支出することで政治家の贈収賄を回避しようと言うのは幻想に過ぎない。やり方はいくらでもあるのであり、むしろ、その手法を残していることが問題だと言えなくもない。

ただ、立憲民主党が指摘するように、政治家が脱法行為として、或いは裏金としてパーティー券の一部を得ていたという指摘については、必ずしも正しくはない。と言うのも金額が少なすぎるし、そもそも違法行為を行なっていたわけではない。違法行為なら検察の調査で立件されているだろう。実際にそうはなっていないことが、裏金ではなかったことを証明している。司法がそう判断したことをいくら国会の予算委員会で問題視したところで覆すことは出来ない。

山本太郎は自民党の旧派閥の領袖に対して泥棒呼ばわりしたが、それこそ名誉毀損とも言えるレッテル貼りであって、山本太郎の発言は、いくら国会での議員の発言は罪に問われないとしても、相応しいとは言い難い。ましてや、れいわ新選組の議員2名が国会議員としの品位に欠けるとして厳重注意処分を受けている。その先にあるのは、議員資格の剥奪(議員辞職勧告)であって、そのような議員が所属している公党が有権者から厳しい判断をされることにもつながる。

元々、れいわ新選組は企業からの献金を受けていないと言いながら、街頭演説で生活困窮者の生活を守ると大見得を切りつつ、その生活困窮者から寄付金を募っている。勿論、違法行為ではないと言いながら、政治資金規正法の枠内でやっていることは自民党のパーティー券と同じだ。それも、記録が残らない形で寄付金を受け取るなど、むしろ自民党よりもタチが悪いとも言える。

また、れいわ新選組は、街頭で御涙頂戴の無駄話を繰り返し、何だか分からないけど立派「そうな」ことを言ってる山本太郎に感動した人が投票することで、大島九州男のような金儲け主義の議員を生み、年間4億円の政党交付金を得ている。つまり税金から支給される金を目当てにしている。その意味では、政治資金規正法の恩恵を受けているのだ。ここを山本太郎は言わない。隠している。自分たちは政党交付金を貰ってるから寄付金は要りませんと言うならまだしも、それを言わないで寄付金を募っている。山本太郎の得意技である、どこでも泣けるというお芝居を使って。

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