習近平が終わらせたものと始めるもの
崩壊過程の中国
アメリカで恒大集団が破産申請したことが話題になっている。
現在のところ負債総額は48兆円らしい。
これはアメリカで販売された債権の償還が出来ないことから明らかになっている負債額で、流動負債と固定負債総額とされるが、正直に言うと総額がいくらになるか、まるで見当がつかない状況だ。
中国経済で国内の流動性が確保されてきた主因は、不動産投資によるものが大きく、仮に中国国内の不動産バブルが崩壊したとなれば、膨大な個人資産が消し飛ぶ可能性が極めて高い。また、不動産投資や地方インフラ整備に投資している地方銀行が多額の不良債権を抱えるとすれば、日本のバブル崩壊どころではない景気低迷が待ち受けていることになる。
中国国内の不動産販売を元手に、外国から資金を得ていた恒大集団だが、一昨年頃から、ドル債の支払いが困難になるだろうとの予想が出ていた。
今後、破産申請したことで、資産償却になるのだが、実際に中国国内の資産を償却しようにも値段がつかない可能性が極めて高い。
同じく中国不動産大手の碧桂園も株価の下落、長期債の利回りが3,000%を超えるなど、中国の不動産バブルは終焉を迎えたと言っていいだろう。
以前、拙稿でも触れたがそもそも中国は地方政府が担保するLGFV(インフラ整備投資会社)の負債総額が実に900兆円規模に上っており、この債権を保有しているのが地方銀行でそれらは中国国民の預金が元手になっている。
先ごろ地方銀行で取り付け騒ぎが起きたが、その原因が、このLGFV破綻の噂があったからだ。
日本のバブル崩壊を経験した経済の専門家は、早くから不動産バブルによる景気浮揚への危険性を指摘してきたが、中国共産党は強気の姿勢を崩さなかった。また経済力をバックボーンに行ってきた外交に自信を滲ませていたのも事実で、中国国民が不動産投資で資産を増やす限り、中国経済は成長の一途だろうと軽々に考えていたことは間違いない。
中国政府は日本向けの団体旅行を解禁し、今後も日本のインバウンド需要が増すことが考えられるが、中国進出企業が中国離れを加速する中、団体旅行解禁は政治的思惑の大きさを感じる。一方で日本の福島第一原発処理水放出には、依然、反対の方向だ。
中国共産党の戦狼外交は以前に比べれば弱腰になったとは言え、ロシア軍との共同軍事演習や、警戒監視行動、尖閣諸島への領海侵入、ベトナムとの領有権争いを行なっている南西諸島への軍事施設建設は続いている。
ただ、それらの動きを全て中国共産党が一つの思惑でコントロールできているとは言い難い可能性も、相変わらず残されていて、軍部の独断専行を許しているとの指摘も根強くある。
終焉の次に来るもの
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