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それって民主主義ですか?

来る東京都知事選において、3選を目指す小池百合子現東京都知事が出馬を表明した。

これにより、ほぼ東京都知事の結果は見えてきたと言って良い。

公明党は自主投票との判断だが、自民党東京都連は小池百合子支持を表明しており、公明党は事実上、自民党に追従することになるだろう。

また、今回の都知事選は泡沫候補が乱立したことで、東京都知事選を売名行為に利用していると批判しているテレビコメンテーターもいるようだ。そもそも選挙とは自分の主張に対して民意を図ることを目的としている。結果的に当選すれば、他候補よりも多く、民意を得たに過ぎない。それはつまり売名行為であって、それ以上でもそれ以下でもない。そして、ここが肝心なのだが、その出馬と得票率を得ようとする行為そのものが民主主義なのだ。外野が何も批判する謂れはない。

日本に限らず、リベラルな政治思想を持つとコミュニズム(共産主義)と親和性が高くなる。共産主義は労働者階級が社会を支配すべきであるとし、また、資本主義は格差と階級を生み出し搾取する側とされる側が生まれるからダメだと言う。ところが、人間はマルクスが考えたほど賢くはなくて、共産主義が生み出したものこそが格差と特権階級だったことを思い出してほしい。共産主義や社会主義が本当に正しいイデオロギーなら、僅か100年程度の短期間で人類から否定されることはなかっただろう。ましてやKGB出身のプーチンのように、社会を選ばれた人が支配、統治すべきであるというエリート意識プンプンの指導者が生まれることもなかった。

共産主義が生み出したものは、指導体制という間違った特権階級であり、頭が悪い人間がトップに立つと、スターリンのように自国民3,000万人を死地に追いやり、毛沢東のように共産党員以外を人間と認めず、共産主義を脅かす文化、学問は全て否定するような狂った政策を実施して、結果3,000万人もの民衆が粛清(殺害)することになる。

この例だけ見ても分かるように、正しい共産主義など存在しない。共産主義体制が進むと、結果において独裁を生み出し、特権階級を生み出し、猛烈な格差を生み出すのだ。理論と実践において、歴史が証明している。

日本の左翼思想に毒された政治家、マスコミ、教育界の人々は、共産主義とは言わないまでも、今の資本主義が格差と貧困を生み出したと言うが、果たしてそうだろうか?

私は全ての民主的社会主義が目指す理想世界は、今の日本であると考えている。国家の構成要件は、①その国に住まう国民が存在し、②領土領海を有し、③国民を統治する機構(政府)が存在し、④他国との外交が出来ていることらしい。これが国連が定めた国家の構成要件だと言うのだ。それに必要なものは経済力であって、少なくとも他国の世話にならず自国民が食べていけるだけの経済力は最低でも必要になるだろう。国家を運営するにはタダというわけにはいかないので、当然、税金を納める、国際社会から信任される自国通貨を持ち対外的な取引に使用される、為の通貨が必要になる。そうやって経済で独立し、他国に世話にならず独自に国民生活を補償する制度があってこそ、国家だ。

日本は先の大戦でボロボロになったにも関わらず、また、今では考えられない円安固定相場にあってさえ国家再興に努力した先人のお陰で、先進国としての地位を確立してきた。そして先進国として他国から評価される要素の一つとして社会保障制度の確立があるだろう。高度成長期、日本全体が豊かさを享受していたからこそ成し得た制度とも言えるが、むしろ相互扶助の精神が根強い日本人の国民性が、資本主義と社会主義のいいとこどりをしてきたからこそ成し得た制度だと理解している。勿論、過去の高度成長期の繁栄がいつまでも続くわけではないので、今までの在り方が見直される必要があるだろうが、日本人は少子高齢化という世界の先進国が抱える難問を解決し、次の時代に向かっていくだろう。

55年体制は、自民党が法案成立させる妥協案として確立したもので、戦前、戦中、戦後と執拗に日本に蔓延っていた社会主義者の溜飲を下げさせて、日本国内に争乱を起こさない手段だった。60年安保、70年安保で学生が暴れ回ったが、99%の国民はハナタレ小僧のわがままだと考えていたのだ。社会主義者、共産主義者は60年70年安保を賛美するが、それはただの青春群像であり、今、社民党、日本共産党、れいわ新選組、立憲民主党を支持する大多数の後期高齢者のそれでしかない。何も、新しいイデオロギーも政治思想も政治手法も無い。若かりし頃の幻想に夢を馳せているに過ぎない。


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