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憲法9条改正私案

1.我々日本国民は仁慈と調和を基調とする平和を誠実に希求する。そのため我が国に対する急迫不正の侵害に対処し得る防衛戦力とその武力の行使以外の一切の侵略的権力の保持と国際紛争を解決するための手段としての一方的な武力行使はこれを放棄する。

2.前項の防衛戦力に軍刑法を定め、その裁判は防衛裁判所において行われる。ただしこの裁判所は終審として裁判を行うことはできない。
また防衛戦力は、その定員数と予算の限度額や機密の保持に関する事柄など運営と編成に関わる事項を法律で定められる。

3.防衛戦力組織を指揮監督する権限を天皇は内閣に授権する。
原則として武力行使には事前に衆議院と参議院の有事緊急委員会における過半数の賛成による承認を必要とするが、特に緊急を要するときには有事緊急委員会の承認を事後直ちに得れば良いものとする。



第一項において戦力の保持を明確に示し、その武力行使の条件を限定。
現行憲法では自衛隊の存在を想定しておらず理論上無制限の武力行使が容認される可能性があるため、戦力組織の存在は明記しておく必要がある。

第二項において軍刑法の存在を明記。軍隊という物は命令が絶対であるから「その命令に従って殺人或いはその他犯罪を犯した」という事があり得る。(命令の絶対性をなくすことは文民統制やクーデターの防止の観点より認められない)
無論その場合、個人の意思によって犯罪をしたわけではないから、通常の刑法で裁くのは不合理である。つまり兵士を裁く特別な法が必要であるということになる。

第三項において軍の指揮監督権が「内閣」に存在することを示す(首相にではなく)。憲法において天皇と軍の関係に言及することで「栄誉大権」を示し、軍が「政権或いは統治政府」ではなく「伝統或いは文化共同体」を護るものであるという事につなげる。
また、君主国においてその武力行使に立法府の事前許可が必要な国は少ないが、この私案では、軍の武力行使を天皇大権にせず(認めるのは「栄誉大権」)、内閣に授権されたものだという形のために立法による事前許可を必要とした。
その形式としてはドイツやスウェーデンの緊急事態に少人数の緊急議会が立法府を代行し政府に授権するという物を参考にしている。
ただ単に行政府に立法権を丸投げしたところで(俗にいう自民緊急事態条項案がそれ)、その政治的リスクを恐れたら行政府は何もできないため、民意の介在(立法府の授権)が行政府にとっても使いやすく、よいと考える。


以上。

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