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世界を“物語”で編む

「繭が風を手に入れ、シルクとなった」

シルクのようななめらかな肌触りは、ていねいな手仕事によって生まれます。編んで、結び、断って、縫う。その一つひとつの工程に丹精を込めたものは佇まいに現れる。一つの所作、呼吸が積み重なって、全体の空気を醸す。良い仕事とはそのようなものだと思っています。

繭から生糸を引いて、縒り上げ、紡いでいく。シェーカーの中で素材を混ぜる時にそこに空気を含むように、絹糸と一緒に密度の高い風を編んでいく。繭(コクーン)が風を手に入れると、シルクになるのです。

繭に包まれて


この文章は、わたしのマガジン『シルキーな日々』のボディコピーです。繭の生糸から、風と共にシルクへと編み上げてゆくように、ことばを紡ぐ。わたしの文章表現の姿勢の表明です。

対話とは、一対一の関係性を構築する行為である。関係性は、「物語」とも言い換えることができます。“わたし”と“あなた”が紡ぐ、ナラティブというささやかな物語。わたしは対話を通して、世界に様々な物語を編み上げてゆく。繭から糸を引き、縒り上げ、紡ぐように、ていねいに、丹精を込めて。

その小さなナラティブたちは、至るところで祝祭的な音楽を奏でます。世界を“関係性”という名の“物語”が、ポリフォニーとなって満たしてゆく。

ナラティブにこだわるし、ポリフォニーで構築されていることを疑わない。それが最も豊かな状態なのだ、と。愛するということ。その行為が、その姿勢が、その思考があらゆる表現と紐づいているというのは真理であるような気がするのです。

過去に、わたしの書いたこの文章を「好きなことば」として紹介してくださった方がいます。まさしく、それこそがわたしが対話を通して築きたい世界。愛するように、世界を“物語”で編むこと。

「対話によって、世界をより良くする」と伝えてきましたが、今日でより明確なビジョンが生まれました。繭からシルクを織るように、対話を通して、ていねいに物語を編み上げてゆく。シルキーな日々を積み重ねること。それが、わたしのダイアログ・デザイナーとしての生き方です。



「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。