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内なるペイサージュ

今年がはじまり、一週間。

いろいろと勉強をしている。対話について理解を深めようと思うと、それは対話だけのことを考えていてはいけない。“対話”というメガネをかけて、世界を観ることが大事になってくる。つまり、対話以外のあれこれを、対話を通して観察すること。そうすると、世界は対話的な関係性で構築された広場だということがわかる。何気なく見ていた景色が、異なる表情を見せる。己のこころの在り様で、外側の世界は変わるのだ。

そう、先日、マシュマロという匿名の質問箱に、記名された美しいメッセージが届いた。フランス人のペイザジスト(造園家)のことばを引用して、丁寧に綴られたことばに胸を打たれた。要約すると、そのペイザジストは伴侶を亡くした。愛する者を亡くしたこころの空洞は何をもってしても埋めることはできない。今まで己の外側にあるペイサージュ(風景)の手入れをし続けてきたが、これからは内なるペイサージュを大切したいと思うようになったという。手紙の主は、わたしに「あなたの内なるペイサージュは何か」と問うた。静謐で豊かな内省の時間が訪れた。

内なるペイサージュ──こころの在り様が変われば、目に映る光景も彩りを変えてゆく。そのような気がした。

恋をしたり、旅をしたり、仕事に夢中になったりすることで内なるペイサージュは変わってゆく。もう少し細かく言えば、勉強することで内側に変化が訪れる。哲学者の千葉雅也さんが著書の中で「勉強とは自己破壊だ」と言っていた。学ぶことで、“わたし”は昨日の“わたし”ではなくなる。

「成長するってとても大事なことだ。成長すると、食べ物以外のあらゆるものが面白くなってくる。」

アンディ・ウォーホルのことばを採集する。
世界はユニークで、美しい。

幸運な報せが次々と届く。

兆しという兆しがきらめていている。いい年になりそうだ。元日に掲げた抱負は今のところ守りながら生活のリズムを躍動させてくれている。甘いながらも短歌を詠んだり、深呼吸しながらお点前したり。ただ、ことばと遊ぶことが意外と難しい。まずはからだをほぐすところからはじめなくては。これはメタファーでありながら、直接的な意味でもある。ことばと親密なお付き合いをしてきた数年間だったが、自由に遊ぶにはまだまだからだが硬い。

今夜も“いい音”に包まれて、夢のような日常から眠りにつきたい。

ことばと遊ぶためにも、少しずつ日記を書いていこうと思う。子どものからだを取り戻してゆくため。



「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。