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早く平和になりますように

髪を切った。

ウィルスの影響で、気軽に美容院に行けないでしょう。伸びっぱなしの髪の毛が駄々をこねはじめた。これじゃあ仕事に集中できない。「髪を切ってほしい」と妻に言うと断られた。そしたら娘が「切ったげる」と言った。

あ、娘というのは、妻の娘。妻は僕の18歳上の年齢で、一人娘がいる。彼女は僕の3つ下。妹と同じ年。ひとつ屋根の下、三人で仲良く暮らしている。情報量が多いから整理するのに時間がかかるでしょう。説明は省いて進めていくよ。

「娘」なのだけど、「妹」みたいな存在。「友人」でもある。そんな彼女が、犬用のハサミをパチパチさせて笑みを浮かべていた。明らかにわくわくしている。新しいステイホームの楽しみ方。

ジョキン、ジョキン。豪快にハサミを入れる。美容室のそれよりも、荒く大きくハサミは鳴った。椅子に座り、両手でビニールを広げた僕は息を殺していた。彼女の瞳は真剣そのもの。コロナの楽しい思い出を一つつくろう。こういうのも悪くない。

髪を切られながら考えていた。「生きるためのカレー」の支援をしてくれた人たちのこと。100人以上いる。

店長の伊藤とも「何かで返さなくちゃいけないね」と話しているけれど、今はまだ具体的な「何か」をお返しできる状況ではない。店はもちこたえてはいるけれど、バーの時より売上は確実に落ちている。でも、周りの人のやさしさに支えられながら「働く」喜びと知恵を得ている。あの記事を投稿した時とは違う。同じピンチでも、今の僕たちには希望が見えている。知恵と行動力さえあれば、僕たちはどんな壁でも乗り越えることができる。

支えてくれたみなさんに、そんな気持ちにさせてもらった。

あの日、サポートしてくれたとある人が今月に入ってまたサポートをくれた。

5月分の支援です。少ないですけど、一回飲みに行ったくらいの気分でお渡しします!通常営業できる日は遠くないと思います。持ちこたえてください! 

このメッセージを読んで、夜中に一人泣いた。

記事が更新される度に「負けないでください。応援しています」とサポートとメッセージをくれる人もいる。

世界には美しい物語が散らばっている。

甘えているだけじゃダメ。少しずつでも、何かをお返しできるようにしないと。いずれは「生きるためのカレー」も送り届けたい。それまでに、今できることは何だろう?考えてみたけれど、やっぱり僕には文章しかない。

だから、サポートくれた人たちだけが見れるように何かを書こうと思う。何がいいかな?「読む」とか「書く」についてのことかな?少しでも、役立つことがいいよね。有料マガジンの内容とも変えたい。もし、「こういう内容が読みたい」などリクエストがあれば教えてください。オンラインで誰かとお話する機会をつくってもいいよね。もちろん無理強いはしない。「読みたい」「見たい」と手を挙げてくれた人にだけの時間にするから安心してね。

ご恩は必ずお返しします。それまでに少しでも何かちょっとした楽しみになるようなものを届けることができれば僕もうれしいです。

リクエストはメッセージかシェアする時のコメントでください。

髪を切り終えた。

鏡を見た。前髪が揃っていた。思わず笑う。

「クリエイターみたいだね」
「そうだねw」
「何?クリエイターみたいな髪型ってw」
「こういう感じじゃない?w」
「www」
「www」
「ま、オンライン会議でしか人と会わないからいっか」

コロナウィルスが蔓延している世界でも楽しいことはある。

早く平和になりますように。




「ダイアログジャーニー」と題して、全国を巡り、さまざまなクリエイターをインタビューしています。その活動費に使用させていただきます。対話の魅力を発信するコンテンツとして還元いたします。ご支援、ありがとうございます。