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Headwayの風が吹いている

 Headwayというアコギブランドはご存知だろうか。ディバイザーという会社が持っているブランドの一つで、エレキギターだとmomose、ベースだとBacchusという名前のブランドをやっている。店員をやっていて思うのは、最近Headwayの風が吹いているということだ。
 というのも、円安やら戦争やら諸々、日本国力の衰えやら、私は経済に詳しくないので良くわからないが、とにかく数年前に海外製のアコギが一気に値上げした。その値上げ幅はざっくり10万円程度。基本的にアコースティックギターの相場はプロユースモデルが20万を超えてくるというものだったが、現在では30万を超えなければ手に入らなくなってきたのが実際のところ。日本人だと大体2本目に欲しくなるのはGibson J-45かMartin D-28だが、前者は30万越え、後者は45万前後と、学生が買うには難しい価格となってきている。
 無論、Gibson・Martinのギターでしか出せないサウンドがあることは事実である。特にルーツミュージックと言われるような、カントリー・ブルース・クラシカルなロック・フォークなどといった、特に70年前後に隆盛を極めたジャンルにおいては、Gibson・Martinのギターでないと成り立たないまであるほど、圧倒的なシグネチャーサウンドを両メーカーは持っている。
 では、現代の多様化した音楽社会において、当時のサウンドが果たして必要なのだろうか。私のような音楽オタクがやれDTMをするときは、当時のサウンド感を持った音楽を作りたいから当時のアンプのシミュレーターを使ったり、当時風の音の処理を施したりと、コアな狙いを持って取り組むことがある。一方で、シンセサイザーだの打ち込み主体で音数もかなり多い現代となっては、前段での両メーカーまでサウンドに個性があると、他の楽器とぶつかる可能性も高い。King knuの常田さんなんか、100個以上の音を重ねて作るとか言ってましたぞ。
 というわけで、ブランドやこれまでの歴史にがんじがらめになって無理をする必要もないんじゃないかというのが私の持論。そんな中で、プロユースのギターを二本目にぜひ買いたい!という方はどこのギターを選んだらいいのか。私の最近の答えとしては国産メーカーが狙い目ですよということ。なぜなら、輸入分の10万円がすっぽり抜けて値段が下がるからだ。じゃあ10万円分のクオリティの差があるのかといえばそんなことは全くなく、それぞれの違いはもはや個性の範疇である。
 そんな中で輝きを放っているのがHeadwayというメーカー。桜の木を使ったSAKURAシリーズが個性的な見た目なので有名かもしれないが、実は通常シリーズのギターもかなりよくできている。特徴としてはMartin的な鈴鳴りの倍音が豊かで、全音域のレンジが広くバランスが良い。弦のテンションが高めに設定されており、ハリのあるサウンドが出る。それに細かいところまではわからないが、ブレーシングや組み立てがかなり丁寧に作られている印象で、故障や不良が多いという話は今のところ聞かない。もちろんメーカーごとの音の特徴があるので好き嫌いはあると思うが、ギターとして悪いところが思い浮かばないというのが正直な感想。
 さらに言えば、国産メーカーの強みとして、木材が日本の倉庫で保管されているということが挙げられる。日本の環境は高温多湿と乾燥が同居する、いわばギターにとっての地獄なので、アメリカで作られて日本に来たギターはことごとく洗礼を受けることになる。一方で、日本で保管されている木材は環境に馴染んでいるので、その洗礼を受けづらい。
 そんな経緯もあり、ギターファンも薄々気づいているのかもしれない。最近Headwayがよく売れる。レギュラーラインの20万前後のギターも然り、その上の35万前後のハイグレードモデルもよく売れている。後者に至ってはGibson J-45と同価格帯であるが、圧倒的にHeadwayの方が作りが丁寧だと感じている。

 長くなってしまったが、伝えたかったのはブランドイメージや歴史に囚われることなく、コストパフォーマンスが高く素晴らしいギターを手に取るために色々考えてみようよ、ということ。当たり前だけど全てのメーカーが生き残るために身を削って努力している。今一度、楽器屋に行ってフラットな視点でギターの比較をしてみてはいかがだろうか。

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 シンガーソングライターやってます。

[Profile] 東京都出身、25歳シンガーソングライター。 17歳より独学で楽曲制作をスタート。 日常で誰しもが感じたことのある歌詞の世界観と、 情景描写が浮かんでくる美しいメロディー。 そして一番の特徴は温かみのある歌声にある。 現在は楽曲の制作と弾き語りでのライブ活動を行っている。

「おもひで」 2024.3.12Release

[略歴]
2020年 弾き語りライブ活動開始
2021年 the first takeのオーディション企画で5000組からセミファイナル14組の一人に選ばれる
2024年 3.12リリースの「おもひで」が3週連続でUSEN SNS HIT! で放送される

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次回ライブ
6月14日(金) 【OWL CRY Vol.16】
湘南bit
OP/ST 18:00/18:30
¥2,000+1Drink¥600
出演
Rui @r_uta711
よこたちひろ@5chihi10
佐野諒太@ikimono_ryota
葵音人@__bluesound__
和田航輝
しゅーくりーむ@cream__TM

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