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僕は初めから自分ががんになることを知っていた。あなたががんにならないように。でも、そう願うのはNG。


自分ががん?やっぱりか

こんにちは。今この瞬間に輝いているあなたへ。

悪性リンパ腫ステージⅣで入院中の永井です。

今日は、僕が「がんと宣告されるずっと前から、自分ががんになる予感がしていた」という嘘のような、本当の話を聞いてください。

少し長くなってしまうかもしれません。

先月、ハネムーン帰国翌日&僕の26歳の誕生日の日に、主治医の先生から「悪性リンパ腫です」と告知されたときのことは、いまでも鮮明に覚えています。

その時、色んな感情が一気に頭に込み上げてきたわけですが。

その中に、「案の定、自分ががんになったか」という思いがありました。

誰よりも「がん」を忌み嫌っていた自分

なぜ、僕は自分ががんになる、という予感をしていたのか。

それはもちろん、がんになりたかったからではありません。
その真逆です。

「誰よりもがんという病気を忌み嫌ってた」からです。そのせいで僕は極度の健康オタクでした。

僕の親しい家族や友人は、それを知っていたと思います。

  • 玄米100%しか食べない。それを家族にも半ば強要。

  • タバコ?あり得ない。自ら望んで肺がんのリスクを上げるなんて!

  • (ファミレスで隣の人がハンバーグと白米だけを食べていると)「サラダ食べないと食物繊維足りないよ!」と心の中で叫ぶ。

  • 深夜残業?問答無用で却下。睡眠不足は、がんのリスクを上げるんだもの。

そんな調子でした。

僕がここまで「がん」を恐れるようになったのは、大学2年生の時に、最愛の祖父をすい臓がんで亡くしたのがきっかけでした。

もう誰もがんで死なせたくない。自分も死にたくない

大切な人をがんで失ったことがある方は、誰もが一度はそう思ったのではないでしょうか。

ですが、未熟だった僕の中で、この思いが暴走を始めてしまったのです。

「がんになりたくない」が、いつしか「僕はきっとがんになるに違いない」に

あなたは、仕事での大事なプレゼンテーションやスポーツの試合の前に、「失敗をしたくない」と思ったことはありませんか。

その気持ちって、裏返すと、

「自分は失敗しちゃうんじゃないか」

という予感とイコールなんですね。

僕ががんを嫌う気持ちも同じでした。「がんになりたくない」と強く思い過ぎたせいで、それがいつの間にか「自分はがんになるのでは」という恐ろしい予感に化けてしまったのです。

経営の神様・稲盛和夫氏が12歳の時に気づいたこと

先月がんと告知されてから僕は、京セラ創業者であり、JALグループの再建にも成功した経営の神様・稲盛和夫氏の幼少期のエピソードを知りました。

当時12歳だった稲盛少年は、結核で相次いで2人の親戚を失ったそうです。そのうえ、同居していた叔父までもが結核にかかってしまう。

その時の、稲盛少年が、まさに「がんを執拗に忌み嫌う僕」と同じ状態になっていたのです。

結核の叔父がいる離れの前を通る時、自分は感染が怖くていつも鼻をつまんで通り抜けていた。一方、兄は『そんな簡単にうつるものか』と言い、父は結核末期の弟(叔父)の看病をしていた。それなのに、誰よりも注意していた自分だけが病にかかってしまった。逃げようとしていた自分がそういう目に遭うのは、結核から逃れたいと思う心が災いを呼び込んでしまったのではないか。弟の面倒を徹底的に見るという大きな愛に包まれた父には、結核菌はとりつきもしないのだ

https://www.kyocera.co.jp/inamori/archive/episode/episode-02.html

この経験から稲盛少年は、「心に描いたものがそのまま現象となって現れる。だから、大切なのは自分の心のありようだ。」と学んだそうです。

がんになりたくない、と思うほどがんを呼び込む?エビデンスはないけれど

このエピソードを読んだとき、僕の胸に突き刺さるものがありました。

自分は、がんになりたくないと強く思っていたせいで、それがいつしか予言となり、自らがんを呼び込んでいたのではないか。」

……科学的ではないですね。よくわかります。

ですが、以下の2つのことは少なくとも事実なのではないか、そう思いました。

  • がんを恐れるストレスが、免疫細胞を不活性化させてしまう

  • 何より、がんを恐れながら生きる生き方が幸せと言えるのか

僕はあなたにがんになって欲しくない

僕は、あなたにがんになって欲しくないです。
僕はとても未熟な人間だったので、がんにならないと学べないことが沢山あった。だから僕ががんになったのは仕方ない。
でも、あなたには絶対にがんになって欲しくないです。

だからこそ、僕は、今後このnoteで、がんを予防するための情報発信も沢山していこうと思っています。

ですが。逆説的なことを言います。

あなたにがんになって欲しくないからこそ、あなたはがんを執拗に恐れないでほしい。

がんを恐れないと言いながら、がん予防をするにはどういう気持ちを持てばいいのか

ここまで読んで、

「がんを恐れないのが良いのなら、がん予防なんか気にしないのが一番じゃないか」

と思われた方、鋭い。

僕も、がんを恐れることをしないで、暴飲暴食でもなんでもした方がいいのか?という疑問を突き詰めました。妻ともいっぱい話しました。

結論、暴飲暴食や不摂生は、ダメです。それらががんのリスクを高めることは、「心の持ちようが現実に影響を与える説」以上に、科学的に明白なエビデンスがあるのです。

自分自身=60兆個の細胞への優しさとしての、健康生活

ここからは現時点での僕の仮説なのですが。

みなさん、

健康的な生活を意識することは重要。でも、それは何かへの恐怖によるものではない。自分を支える60兆個の細胞への優しさによるものだ

という考え方を持ってみるのはいかがでしょうか。

自分自身というのは、実は1つの生命ではなくて、60兆個もの細胞の集まりなんですね。それぞれが、生きているんです。

私たちが意識しない間も、心臓の細胞は全身に血が行き渡るように、胃の細胞は食べ物を消化できるように、常に頑張ってくれているわけです。

そんな健気でかわいらしい細胞たちをいたわってあげるための「健康」、というのはいかがですか。

健康 ≠ 恐怖・不安
健康 = 感謝・いたわり

そんな気分で、生きてゆきたいな。そう思う土曜日の昼下がりでした。

最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

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