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新たな魅力、超盛り沢山!! 〜「.Push」ニューアルバム『New Promise』リリース記念Interview〜

現在進行形のジャズを鳴らす若手実力派4人からなる「.Push(ドットプッシュ)
約2年ぶり、待望の3rdアルバム『New Promise』を7月27日にリリースする。

『New Promise』アルバムジャケット
写真左より、魚返明未(Piano)、中島朱葉(Sax)、
西村匠平(Drums)、冨樫マコト(Bass)


キャッチーかつ熱いJAZZ”をモットーに2016年結成。
エモーショナルなドラミングに定評のあるリーダーの西村匠平、伝統的なジャズをルーツに持つ若手最注目のサックスプレイヤー中島朱葉、高い作曲センスと爆発的な演奏力で注目を浴びるピアニストの魚返明未、板橋文夫トリオ、荒武裕一朗トリオなどで活躍する期待の俊英ベーシスト、冨樫マコトという、日本のジャズシーンの最先端で注目される才能が集まったバンドだ。

今回、アルバムの先行リリースツアーの前にリーダーの西村匠平さんにニューアルバムについてのインタビューを敢行。
アルバム同様に盛り沢山の内容となっているので、ぜひ7月15日から始まるリリースツアー、そして7月27日のアルバムリリース前の予習としてご覧いただけたら幸いだ。

New PromiseRelease Tour Trailer Movie


“伝えること”により重きを置くように

-今回のアルバムの制作はいつ頃から構想していたのでしょうか

昨年の秋くらいにアルバムが作れるほどの曲がたまってきたのと、きっと今年(2022年)はアルバムリリースツアーにいけるタイミングだと思い、制作を思い立ちました。

-前作『High Ball Party』から今作までの間に新型コロナウィルスの感染が広がり、ジャズだけでなく、音楽・文化の世界に大きな影響を及ぼしました。
西村さん自身、また「.Push」として、どのように感じ、また行動されましたか

ライヴができないので、製作や準備期間に充てました。
コロナ禍前みたいにお客様と一緒になって歌う、みたいな一体感を共有することが難しくなってしまったので、演者側からお客様に伝えることにより重きを置くようになっていったように感じます。

-コロナ禍、またそれ以降の演奏活動についてメンバー間で意見交換はありましたか

共有する事より、伝える、魅せるといった方向性がいいよね、みたいな意見交換はしたかもしれませんね。

新メンバー、冨樫マコトさんの加入

-前作以降からの大きな変化として、ベーシストに新たに冨樫マコトさんが参加されました。
リーダーの西村さんが感じる彼の魅力を教えてください

冨樫マコト(Bass
マコトの魅力としては、やはりボトムにいつつ、ドラムの自分のグイグイ引っ張ってくれるところですかね、自由にさせてくれるというか。
ベースソロももちろん勢いがあってまさに「.Push」のやりたい事、バンドの熱さをハイクオリティで、しかも俺が思う数倍格好良くやってくれるのでいつも刺激を受けてます!

やりたい事を汲み取って、想像を超えてくれる

--今回のアルバムでも冨樫さんの活躍ぶりがすごく伝わってきます! 
「.Push」結成当初から参加している、魚返さん、中島さんの魅力も改めて教えてください

2人とも楽器のテクニックが凄いのはもちろんですが、
それよりもまず、音楽が前に出てくる。
良い意味で楽器の“うまさ”が全然前に出てこない。
これって本当に凄くて、難しい。
そういう部分って、ミュージシャンがミュージシャンを聴いて痺れるところなんじゃないかな〜と思います。

あと、なんせ音楽性が広くて!
新しい楽曲を持っていくと、すぐに表現してほしい雰囲気になるんです。
そして新しくてもルーツの根幹はやっぱりジャズ、みたいな俺がやりたい事を汲み取って、さらに超えてくれる、非常にありがたい存在です。
まぁ、もう2人とも大活躍中で、俺が言わずもがなって感じなんですが(笑)
魚返明未(Piano
中島朱葉(Alto Sax,Soprano Sax

鼻歌で歌えるような曲を作りたい


-「.Push」は西村さんはもちろん、メンバー皆さんのオリジナル曲がとても魅力的です。主に曲を書いている西村さんの楽曲制作はどういった事からインスピレーションを受けていますか。また作曲方法なども教えてください

西村匠平(リーダー,Drums
月並みですが、ジャズに関わらず、色んな音源を聴くこと、好きなミュージシャンのライヴに行くことなどからインスピレーションを受けています。特にいいライヴ聴いた後に、テンション上がっている時とかが多いです(笑)

自分がこのバンドに曲を書く時はセットリストを考えて、こんな雰囲気(リズムパターン)の曲があったらいいなとか具体的なところから作り始めるパターンと、唐突に鼻歌を歌って、一部分だけすごい気に入ったものや、印象的なモチーフがあったら、それをボイスメモに録って溜めていくというパターンがあります。まぁでも後者の鼻歌で歌えるような、そんな曲にしたいな〜と思って作る時がほとんどですね。

-メンバーの楽曲を演奏する時にリハーサルなどで意見交換をして作り上げていくのでしょうか

イメージがカッチリと決まっている曲をやる時は譜面に書いておくと、メンバーは音のキャッチ能力が高い人たちなので、意見交換しなくてもイメージ通りになる事ばかりです。
そして、ライヴで回数をこなしていくと、当初イメージしていた曲とはかけ離れた雰囲気になってる事も多々あって、口頭での意見交換というより、音を重ね合わせて楽曲を完成に近づけていってるような所はあります。
まぁ、一生完成はしないのですが(笑)

今回のアルバムは“超盛り沢山”

-インパクトのあるアルバムジャケットのイメージは西村さんがイメージしたものをデザイナーさんに伝えたのでしょうか

ジャケットは1•2作目同様、デザイナーの藤谷さやさんにお願いしました。
曲とライヴ映像を送っただけで、ジャケットに関しては藤谷さんに全部お任せでした。
2〜3案送られてきて1番今作のイメージにあった物を選びました。
最高にオシャレで気に入ってます。


-今回のアルバムタイトルは、『New Promise』ですが、なぜこの曲をタイトルにしたのでしょうか

今回のアルバム、超盛り沢山で。盛り沢山過ぎたかも(笑)
どれもタイトルチューンになり得る曲ばかりなのですが、
文字で並べてみた時に、アルバムタイトルっぽいなと思ったのもあるし、コロナ禍の最中で生まれた新しいアルバムということもあり、『New Promise』というタイトルにしました。

-それでは、超盛り沢山のアルバム収録曲について、各曲解説お願いします!

わかりました!
私の作曲以外は作曲者に解説してもらいます!

1.New Promise(Shohei Nishimura) 
疾走感のあるイーブンのナンバー。
爽やかな雰囲気なのにグイグイ進んでいくアンサンブルが新しい、アルバムのタイトルチューンです。


2.照らす(Ami Ogaeri) 
2021年の終わりから2022年の始めにかけて書きました。ポジティブなイメージの曲が書けたら”照らす”というタイトルにしよう、と以前から考えていました(魚返明未)

3.Catch&Release(Shohei Nishimura) 

コロナ禍でためたものを放出したいなと言う気持ちでこのタイトルをつけました。
ノリのいいテーマから超自由なソロ中、からの収束、演奏している側も毎回大興奮のナンバーです!


4.かなしい青空(Ami Ogaeri) 
2021 年の夏に書いた曲です。この二年間、晴れた空をかなしい気分で眺めることが多かった気がします(魚返)


5.Sticks&Stones(Akiha Nakashima) 
「批判の言葉に私はひるまない」という意味のタイトルをつけました。突き進むような前向きなエネルギーを感じてもらいたいです(中島朱葉)


6.WANNA BE(Shohei Nishimura) 
ファストのスウィングのナンバー。尊敬するジャズメンの先輩方と共演する機会の時に、将来、先輩方のようになっていたいなという想いを込めて書きました。

7.Vernal Days(Ami Ogaeri) 
大学時代に、作曲科の仲間と”青春”をテーマに一曲ずつ持ち寄って組曲を作りました。タイトルは”My Vernal Days”。
“Vernal Days”はその時に書いた曲のメロディーを変形して作りました(魚返)

8.Relic(Shohei Nishimura)
アルバムの最後を締めくくるバラードナンバーです。
“遺品”というタイトルの曲。昨年私(西村)の父が亡くなり、その父にあてたレクイエムとなっています。
サックスとピアノのデュオ部分、最高です。

New Promise』視聴動画

-各曲の解説ありがとうございました。
「.Push」の楽曲は、どの方の楽曲も、日常の生活に流れる空気感、肌触りというか、すごく身近で親しみのある感覚なんですよ

全体の話になってしまいますが、「.Push」のテーマでもあった、ポップでキャッチーという感じでは、もうとっくに無くなっていて、1枚目、2枚目からサウンド感がガラリと変わったと思います。
でもその中でも1枚目と2枚目にあったようなライヴ感はすごく取り込めたと思います。

-録音に関して、エンジニアさんに何かリクエストはされましたか

細かいバランスなどはレコーディングやミックス、マスタリングを担当してくださった箕輪勝利さん(Factry-M)にたくさん相談しました。
曲ごとに微妙な欲しいバランスやコンセプト、出したいサウンド感が変わるので。

-アルバムレコーディングで印象に残る出来事はありましたか


特に思い出に残ってるのは魚返君の楽曲、“Vernal Days”のプレイバックを聴いている時に、魚返君が「みんなこんな感じで演奏してくれると思ってたんだよ〜」ってニコニコで言ってたんです。最高の笑顔でした(笑)
そして、その笑顔の通り、いいテイクだと思います! 

-その魚返さんの笑顔、容易に想像できました(笑)
さて、アルバムリリース間もなくの段階でこの問いは恐縮ですが、今後の「.Push」の展望を教えてください

これからツアーなので、その先のことは全然考えていませんが、また新しい曲も書いて、どんどん変化して行きたいなと思っています。

-ファンの方、これからアルバムを聴く方にメッセージをお願いします

ガッツリしたものができました!
本当に盛り沢山です。
皆さまの心に残るようなアルバムになったら幸せです。
皆さま今後とも是非よろしくお願いします!

2022/2/25 東京丸の内コットンクラブでのライヴ映像


Photos:星野泰晴  Yasuharu Hoshino

Interviewer/Editor:小島良太


【3rdアルバム『New Promise』リリース先行ツアー2022  Tour Schedule】

7/15(金)大阪Kelly's
https://misterkellys.co.jp

16(土)和歌山デサフィナード
https://desafinado.jp

17(日)名古屋Kenny's
https://www.mrkennys.com

18(祝)富士ケルン
https://kolnjazz.wixsite.com/mysite

22(金)郡山市ミューカル学徒館
https://www.city.koriyama.lg.jp/soshiki/43/6966.html

23(土)水戸ブルームーズ
http://blog.livedoor.jp/jazz_bar_bluemoods/

24(日)小山フェローズ
http://www.g-fellows.jp

27(水)丸の内コットンクラブ
※Special Guest …Ema(Vo)
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/

Album Information

〈アルバム販売情報〉

・Amazon


・タワーレコード


・HMV

その他、各種CD販売取扱サイトで販売予定

〈「.PushSNSアカウント〉

・Twitter

・instagram

・Youtubeチャンネル

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