全てのリーダーにコーチングをお薦めしたい

リーダーになればなるほど、向き合う課題が複雑化し、思い悩むことが多くなるのではないでしょうか。常に相談できるRight Personがいれば良いのですが、社員にも、家族にも、株主にも、相談しにくいような絶妙な悩み。どうやって頭と心を整理すれば良いのか?

一つのとても有効な手段として「コーチング」に私は出会いました。コーチングを受けることで、今まで思い悩んでいたことがうまく整理できました。そして、副次的な効果として、自分自身がコーチングスキルを身に付けることで、組織のマネジメントにも活かすことができました。

私にとってはかけがえのない経験となりましたので、その内容をシェアさせて頂きます。

きっかけ

きっかけはと先輩経営者との面談で、色々と経営相談するうちに、

「コーチング受けてみたら?」

という提案を頂いたことです。悩みの内容が、ロジカルに解決する課題というよりは、自分のリーダーとして在り方や周囲の方々との関係性などに起因するものが多かったからだと思います。

先輩からはコーチング経験が豊富なコーチの方をご紹介頂きました(ご厚意でボランティアでしてくださいました)。当時の自分のコーチングに対してのイメージは、「きっと悩みに対して、色々とアドバイスをもらえる機会だろう」と捉えていましたが、蓋を開けてみるとまったく違った体験でした。

コーチングとは「良質な問い」に出会える場

コーチングでは、1対1で60分、自分が設定したテーマに基づいてセッションをします。毎回これでもかというほど、色んな質問をされるため、最初は面食らいました。コーチはあくまで質問を続けるだけで、アドバイスや答えをくれるわけではありません。

どのような質問を投げかけられるのか?というと、基本的には以下のような流れに沿った質問がされていきます。

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これだけ見ると「なんだそんなことか」という感想を持たれるかもしれないのですが、これがけっこう深かったです。コーチの実力のおかげだとは思うのですが、シンプルな構成ではありながらも、様々な角度から質問をもらうことで、今までまったく考えたことがなかったハッとさせられる「問い」に出会います。

まさにアハ体験で、自分がもやもや悩んでいたことの真因がハッキリとして、対策が立てられるようになる感覚を持ちました。どんな質問なのかは毎回状況に合わせて違うのでなんとも表現しにくいのですが、私自身がハッとしたのは視点を変えてくれるような問いでした。以下はあくまで一例です。

(例)
私:        「部下の育成で悩んでいます」
コーチ: 「河邑さんは部下にどうなって欲しいんでしょうか」
私:        「〇〇となってほしいです」
コーチ: 「では部下の方はどうなりたいと思っていると思いますか?」

こうした良質な問いを頂きながら、次回へのアクションプランを自分で決め、「次回までに〇〇やります」とコミットし、セッションが終わります。必ずアクションをして次のセッションで振り返るというのも一つの特徴です。

ハッとさせられるフィードバック

もう一つ、コーチは大事な役割を果たしてくれます。それは極めてフラットなフィードバックを与えてくれることです。

(例)
「今のところは少し違和感を感じました」
「正直よく繋がりがわからなかったです」
「今の言葉にはとても力がこもっていて説得力ありました」 

ここでもアドバイスや意見ではなく、あくまでコーチが感じたことをそのまま伝えてもらうことで、内省が促され、グッと考えが深まっていくことを実感しました。こうした形でのフィードバックはコーチングならではの貴重なものでした。

コーチを逆にコーチングする

終盤では、コーチングの手法を教わり、自分がコーチする側に回りました。コーチに模擬コーチングをするのですが、模擬と言いつつ、ガチ悩みを相談され、ガチコーチングする、というもので、あとで自分のコーチングがどうだったのかをフィードバックしてもらいました

私が頂いたフィードバックとしては、以下のようなものでした。

■なぜそのテーマを話したいのか背景を最初に聞いてみましょう。
■セカンドクエスチョンとして「なぜそう思うのですか?」「他にもありますか?」というのを使ってみるとより広がりが持てると思います。
■こちらからも「~と思いました」と正直に「違和感」を感じたならそのまま伝える。本当に思っていることを言うと、本音が返ってきます。
■「話してみてどうでした?」と最後に聞いてみるとよいと思います。
綺麗なコーチングは誰も求めていないです。河邑さんは目の前の人を本気で考えているのがよく伝わってきますし、それが最も大事なので、うまくコーチングしようとかは考えないでください。

そして、その後、社員との1on1にもコーチングの要素を取り入れてみました。1on1で社員にもっと良い問いを与えるためにはどうしたら良いか?をコーチにアドバイスをもらいながら、色々と試行錯誤しました。社員からしたら「なんかいきなり変わったよ」と思われていたと思います(笑)。

最後に、コーチングで大切なこと

これまでコーチングについてお話してきましたが、もっとも大切なことは「変わりたい」と思っていることだと教わりました。高い目標を持っていて、それに向けて自分が変わらなくちゃいけないと本気で思っていればいるほど、効果があるとのことです。裏を返すと「今のままでいい」「自分のやり方が正しい」と思っている方には必要ないかもしれません。

私は2021年3月から7月まで合計10回のセッションを受けましたが、もっとも印象に残っているのは、自身のpurpuseについてのセッションでした。私は創業者ではない立場で社長をしていますが、そんな中で、「なぜ自分がこの事業をやっているのか?」という問いの掘り下げによって自身のpurposeが明確化され、より強い確信を持って事業に向き合うことがきています。

ぜひ全てのリーダーにコーチングをお薦めします。


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