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マーケティングオートメーションとの出会い。当社がMarketoを選んだ理由

私が経営している会社は、ワンマーケティングという会社で、 BtoB企業のマーケティング支援を行なっている会社です。

BtoBマーケティングとの出会いは、2009年のリーマンショックの頃です。もともと当社は、印刷会社で、私の父が創業した会社です。当時、印刷会社でありながら、お客様の展示会出展のお手伝い(ブース施工や運営)などもやっていました。その頃、展示会の売り上げは、そこそこ大きくなっており、売り上げの30~40%くらいを占めていました。

当時、以下のようなブース制作と運営をやっていました。現在はBtoBマーケティングの売上が90%となっており、展示会のお仕事はやっていません

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そんな矢先にリーマンショックが日本市場を襲います。展示会の出展を取りやめる会社が激増し、当社のクライアントも同様でした。しかし、展示会をやめる理由はコストの問題だけではなく、本当の理由は効果がわからない、というところにありました。

どのお客様から聞いてもそういう回答だったのです。結局、どれだけ展示会でブースを華美にしても、それは単なる自己満足に過ぎないし、その中で獲得した名刺も営業に渡されるだけで、何もるフォローされずにお蔵入りになっていることが非常に多いという実態が、リーマンショックにより露わになったのです。

そりゃ1000万円かけても、そこからどれだけ売れたのかわからないものに対して、合理的に考えると止めますよね、という話です。とはいえ、展示会は出展側にとっても、大きな集客源ですから、いかに見込客から顧客にしていくか?これが重要なわけです。でもそれが分からないのは、やはりBtoBの特性上、購買に至るまでの期間が長いことや購入関与者が多いことにあります。

結局、展示会を出展するタイミングが、見込客の購入のタイミングではないこと。これが一番、大きい課題なのではないか、と気づきました。
では、どうすれば、このタイミングのギャップを埋めることができるのか?

リードナーチャリングの必要性

BtoBにとってタイミングはとても重要です。タイミングよくアプローチできることが営業にとって重要なわけです。タイミングを間違えれば、いくら良いターゲット見込みであっても、お客様にはならないのです。
そのタイミングを掴むためにはどうすれば良いのか?これを考えていくうちに、リードナーチャリングという言葉を知りました。当時出版されていた上島さんの本です。なるほどーと思いました。
私もずっと営業をやっていましたから、このジレンマはよくわかりました。リードナーチャリングは営業だけではなく、他のチャネルでも実現できればめっちゃいいじゃんとなったわけです。

それからは、見込客をどう育成するか?にフォーカスするようになりました。
そういう話を展示会を出展しているマーケティング担当者に話したら、めちゃくちゃ喰いつきました。
具体的には、展示会後のメールマーケティングのサポートをしてあげたり、時には代行でテレマーケティングの代行もしました。さらにはメール配信ツールのご提案とともに、Webサイトの提案もワンセットでしていきました。結果、その考え方はとても受けて、展示会のお仕事もいただけるようになりました。

マーケティングオートメーションとの出会い

2009年以降、BtoBマーケティングにどっぷりです。シンフォニーマーケティングの庭山さんのブログや本、めっちゃ読み漁りました。
とにかく面白い!営業出身だからこそ、分かる部分も多く、それまでマーケティングっていうと学問の世界って思ってましたけど、「なんだ今までやってきたこともマーケティングじゃん」となりました。
そして、これからはBtoBマーケティングの冠でやっていこうとなり、2013年5月、現在の会社名に社名変更しました。

当時は、未だMartechの選択肢も少なく、国産のツールが主でしたが、当社も、もともと国産ツール、カイロスさんのツールを使っていました。このツールもめちゃくちゃ安価ですし、インターフェースも優しく良いツールでしたが、営業にパスされたホットリードがどうなっているかを考えると、すでに利用していたsalesforceはマスト、それと連携できるマーケティングツールの検討が必要となりました。
ちょうどのそのタイミングあたりから、Hubspot、ついでeloqua、Marketo、pardotと国内にも本格的なマーケティングオートメーションが続々と入ってくるようになりました。そしてついに当社も2014年12月にMarketoを導入することとなりました。

経営理念と思想がマッチした感じ

Marketoを導入する一番の背景は、長年の課題を解決できると思った点があったからです。
それは「収益サイクルモデル(リードライフサイクルともいう)」という概念でした。
先程のようにホットリードから失注したリードや受注後のリードは放置になっている傾向が強く、これをどうやって再度ナーチャリングしていくかが課題となってました。

当時のBtoBマーケティング業界にはすでに、デマンドウォーターフォールと言われるファネル形状やsalesforce社のthe modelのような、売り上げの因数分解の型はありましたが、通常、セールスには受注の裏側にはかなりの数の失注があるわけです。それらを捕捉した図にはなっていないことです。つまり、上から下に落ちるか、左から右に行くかの一方通行な図だったのです。

しかしMarketoには鼻からその課題に応えるが如く、リードを循環させる仕組みを検討するための機能が備わっていました。
BtoBの場合、限られたマーケットで戦わねばならないこと、あと、特性上、繰り返し購買することなどを鑑みても、失注したリードをどう活かすかが、肝となります。
これは営業してても痛感してました。一度負けたら終わりではないし、いつかの機会を見越して見込客を捕捉する仕組みは必ず必要だと思ってましたので、とても理にかなっているわけです。

以下は当社のリードライフサイクルモデル

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Marketoの設計思想が、ドリップ(抽出)ではなく、エンゲージメント(どう訳すべきか)にあることです。

当社のビジネスは息が長く、そしてターゲット数も限りがあるため、一社一社、一人一人の見込客が大事です。Marketoは、私たちの理念「お客様のお役に立ちたい」という思いを具現化するツールです。そういった意味でも、Marketoは当社にフィットしたツールだったのです。
当社のMarketoでは、収益サイクルモデルが稼働していまして、ステージの遷移がまさにKPIになっていますし、エンゲージメント思想は社内で強く浸透しています。
マーケティングオートメーションは当社のような小さな組織にも有効で、限られたリソースで売り上げを最大化することができます。
特に人的リソースがかかるセールスにとって、マーケティングオートメーションのリードステージとリサイクルの概念は、かなり効率的なアプローチが実践できるようになるのではないかと考えています。

会社の思想とツールの設計思想を考えて選ぶ

マーケティングオートメーションは道具であることに間違いはないけれど、そのツールの思想はどのように考えられているのか?
そのツールの思想がどこに向かっているのか?マーケティングオートメーションツール選びにおいて、機能や性能、価格と同じく、かなり重要だと思います。
この言葉は、日本国内にマーケティングオートメーションを定着化させた立役者でもある福田康隆さんの著書「THE MODEL」にも書かれていましたね。MAツールを途中で変更するのは、cookie情報や過去のアクティビティログの情報を加味してもかなり負担が大きいです。
すなわち、PoC感覚で取り組んではダメだし、本当に長く付き合っていかなければならないプラットフォームになる訳ですから、価格や機能だけで選ぶのはリスクがあると思ってます。
当社ではMarketo以外にもhubspotやsalesforce pardotも取り扱っており、どのツールにおいてもコンセプトがあります。皆様の会社のコンセプトに合わせて、ツールは選ぶべきではないかと思います。

少しでも本記事が参考になれば幸いです。よろしければスキをお願いします。

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