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『コール・ジェーン』から考える女性の生きづらさ

『コール・ジェーン』という映画を試写会で観た。会場にはたくさんの女性がいて、男性はほとんどいなかった。中絶が禁止されていた1960年代のアメリカでバレないように女性たちに闇中絶を実施する地下組織「ジェーン」が中絶の権利を勝ち取る実話に基づいた話だ。ほんの数十年前に中絶に対する運動があったことを知らなかった。どれだけ温床育ちなのだろうと自分の無知さを恥じた。

女性にとっては勇気をもらえる作品だったのかもしれない。だが。僕にとっては絶望の作品だった。中絶の権利を勝ち取った「ジェーン」は目的を達成したため解散する。その際に女性たちが歓喜していたのだが、別の問題を解決するために、「騒ぎを起こそう」と言う。そして、また団結するといった流れで話が終わった。

映画の終盤に、男性がどれほど優遇されているのかを改めて実感した。女性にとってこの世界は生きにくい。その問題に関して、男性である僕は何も意見をできないとも思った。温床で育った男性が何を言っても。決して当事者の苦労はわからないためだ。当事者にしかわからない痛みがあって、それは自身が難病になって痛感したことでもある。

現代社会でも男女にはあらゆる格差がある。その事実に気づいていない人も多いらしく、知ってからは絶望の連続だとパートナーが言っていた。賃金問題、女性幹部の少なさ、国会議員の男女比率などが男尊女卑の問題に挙げられる。かつて男性がお金を稼ぎ、女性は家事をするという時代があったが、その時代はとっくに滅んでいる。男女共働きが当たり前になりつつある中で、賃金格差や役職問題は解決されるべきだ。時代の変化とともに価値観も変化すべきなのに、それらを決める男性が変化を拒んでいる。自分の身に影響を及ぼすかもしれないという恐怖。そして、自分たちの方が上だという無意識の女性軽視が問題解決に至らない原因なのだろうと容易に仮定できるのが憎くて仕方がない。

現代でも女性の体のことを決める権利を有しているのは男性で、女性は自分の体のことなのに自分で決められないという現状にある。そして、「ジェーン」が勝ち取った中絶の権利は現代のアメリカで失われつつあるとも聞いた。危険を顧みない勇気ある行動がなかったことにされる可能性がある。この世界はクソなのかもしれない。

誰もが自分の体のことを自分で決められるようになってほしい。そして、男女関わらず誰もが生きやすい社会が実現してほしい。そのために自分に何ができるかを考えたい。まずは情報収集から始めてみよう。できることを考えて実行に移す。それしか改善の未来はない。

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