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感傷に浸る

君が好きだったあの映画。台詞、プロット、配役、伏線回収。いつの間にか君より詳しくなったんだけど、その話をしたい人はもう側にはいないことに気づいて感情に浸る。

わたしが主演の1本の映画を撮る。わたしの映画の主演は君だったの。でもふいに書き換えられたプロットのせいで、脇役に成り下がるの。まさか君が私が幸せになるための伏線になるなんて思ってなかったの。なんて書き替え不可の台本に文句を言っても仕方ないよね。

たまに君といたことをふと思い出す。思い出はお花のように枯れてしまわず、美化されるだけだから思い出すたびに戻りたいって思うだけ。そんな私を弱いと呼びますか?ねえいつまでも独り立ちできないそんな私を哀れだと思いますか?ねえ、何か言ってよ。

君なしのプロットを生きるの。まだ時間は掛かりそうだけど、とびきり幸せなハッピーエンドを描いてみせるよ。君はもう過去の人。でも愛し合った事実は消えないからいっそのこと線香花火みたいに消えてしまえばいいのに、いつまでも消えてくれないからもう大嫌いだよ。

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