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SNSだけでは世界は変えられない

2024年7月7日に東京都知事選が開催された。結果は小池氏の圧勝だった。この結果を受けて、何も変わらなかったと絶望している人も多いはずだ。今回の投票率は60.62%と前回の55%を5.62ポイント上回った。政治に関心を持った人が増えたその事実は素直に嬉しいけれど、結局こんなものなのかと肩を落としたのも事実だ。

前回の都知事選に比べて、今回はSNSがより盛り上がっていたように思える。新しい選挙公報の形として、「ひとり街宣」という街で市民が候補者を応援するという公報やSNSで様々な仕掛けを施した形での公報なども生まれていた。その一方で、SNSのタイムラインに選挙の話題が流れてこなかった人もいる。SNSは自分が選んだ情報しか表示されない仕組みになっているためだ。関心層は何もしなくても、選挙に投票に行く可能性が高い。SNSで本当に届けたい人は無関心層である。その人たちには何の情報も届いていなかった。この問題は投票率が上がらない理由の一つなのだろう。

確かに選挙の投票率は上がったけれど、爆増したわけではない。投票率を上げるために現状を潔く受け入れて、次に向けて自分に何ができるかを考える必要がある。

政治に希望を抱けない理由は、政治による恩恵を受けていないことにあるのだろう。自身も生活が悪くなったと感じる機会は多いけれど、良くなったと感じる場面に遭遇していない。良くなったという成功体験がない以上、政治に希望を抱けない人がいるのも理解できる。

今回の選挙の結果を受けて、自分一人が動いたところで何も変わらないと絶望してしまう人もいるかもしれない。今回の選挙も過去と同様に「選挙に行かない」という声があった。それでも行動しなければ、何も変化しないのも事実だ。

僕が10代の頃に外国籍を持つ先輩と選挙の話になったときの話だ。20歳を超えた別の先輩が「選挙に行ったことがない」と言った瞬間に、外国籍を持つ先輩が「選挙に行かないならその権利を俺にくれよ」と言っていた。

その言葉を受けて、自分の1票の重さをひしひしと感じた。自分には選挙権がある。そして、微力かもしれないけれど、この1票が何かを変えるきっかけになるのかもしれないと思った。選挙権を得てから選挙に参加しなかったのは、引越しで選挙の参加資格がなかったときだけだ。

加えて、自身が選挙に参加する理由の一つに、家庭内で両親が選挙について話していたこともある。だが、誰々に投票したという詳細の話は御法度だった。だが、大人になるに連れて、海外では著名人が支持者を明らかにしていると知った。日本では政治の話をタブーだと考えている人もいるが、海外では積極的に政治の話が繰り広げられている。この違いは一体どこから生み出されているのだろうか。まだまだ勉強不足のため、この辺の知識もきちんとつけていきたい。

ちなみに、憲法15条4「投票における秘密は、これを侵してはならない。選挙人はその選択に関し公的にも私的にも責任を問われない」という憲法がある。投票した人を話すか話さないかは本人たちの自由だ。どちらを選択しようとも、この憲法がある以上は、強制的に誰に投票したかを聞き出す行為はNGだ。

話を戻すが、僕は両親のおかげで選挙は選挙権を持つ人全員が参加するものだと思っていた。だが、周りの話を聞いていると、参加しない人もいるとわかった。今回もSNSでたくさんの人が選挙に行こうと声を上げても、少ししか状況は変わらなかった。どうせ負ける、何も変わらないと悲観する気持ちも痛いほどに理解できる。でも、ここで行動を起こさなければ、いつまでたっても明るい未来はやってこない。投票率の僅かな上昇によって、政治に興味を持つ人が増えていることが明らかになった。すごくいい兆しだと思ったし、この波をいかにして大きな波に変化させられるのかが今後の重要な鍵になる。

SNSだけでは投票率は上がらない。残念ながらそれも事実だ。SNSで行動するのも大切だけれど、本当に世の中を変えたいのであれば、リアルの動きが大切だ。例えば周りの人に選挙の話をしてみたり、無関心層に政治を近しいものだと感じてもらったりする必要がある。だが、ただ選挙に行こうと伝えても、何も変わらない。

政治は日常生活の至るところに関与しているため、それらの問題点を交えながら話すと伝わるかもしれない。今回の場合は、出産率を上げるためにマッチングアプリの開発に膨大な費用をかけたけれど、根本の問題は収入が上がらないところにあるよね。じゃあ収入が上がるための施策を打とうとしている議員さんは誰なのだろうか。プロジェクションマッピングは都民の税金で賄われているけれど、あれって本当に正しいお金の使い方なのかな?生活を良くするには、どこにお金を投資するのがいいのだろうかなど、いかに政治が生活に根付いているのか、そして、現都政の問題点を知って当事者意識を持ってもらう必要がある。もちろん現都政のいい部分をピックアップして、今の都知事のおかげで自分たちの生活が楽になっているから、現職のままでいいと思うという話もありだ。現都政の良し悪しについては、個人の感覚によると思うので、自身が感じる疑問かつ生活に関するトピックを交えて話した方が伝わりやすいだろう。

もちろん選挙の話をしても、何も変わらなかった人もいた。近しい人に話しても伝わらないのであれば、自分の行動は意味がないのかもしれないと疑問に思ったのも事実だ。リアルでも伝わらないのだから、SNSはもっと伝わりにくいのだろう。街に貼られた選挙ポスターが機能しないように、SNSはただの風景と化している可能性が高い。それでも歩みを止めてはならないのは確かな事実だ。

身の回りの人に政治の話をしても何も変わらないかもしれないけれど、悲観的になる時間がもったいない。単純接触回数が増えれば、少しずつ政治に興味を持ってもらえる可能性もある。絶望する暇があるのであれば、自分にできることを考えて、行動を起こし続ける方が賢明だ。今回の都知事選に納得がいっていないのであれば、4年後に開催される都知事選のために今からどんな行動を起こすのか。

一人ひとりの行動の積み重ねが明るい未来を運んでくるのだと信じて、行動を起こさなければ、決して世の中は変えられない。


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