ラブソングはもういらない
曖昧な関係に答えなんかないし、私たち2人にラブソングはもういらない。
今思い返せば都合よく利用されているだけで、あなたの都合の良い時にしかLINEが返ってこなかった事を思い出す。
未読無視も当然のように日常茶飯事。よくある既読無視。いつからか考えることも嫌になって思考停止。まるで脈なし。私の気持ちなんていつもお構い無し。
たまに会えば適当に酒を飲んで、ホテルに直行するだけの仲だった。愛しているという言葉も、ただの空気としか思えなくて、事が終われば、その言葉も無意味なものとなるのがオチ。
愛なんて感じたことがないこの関係性。事を終えた君がくだらないテレビを見ながら、ゲラゲラと笑う。テレビのリモコンのように簡単には操作できない君。いつも自分勝手で、その姿にたまに愛しさを感じたりもした。
でも君にとって私の存在なんて、まるで陳腐なもの。君のそばにいることを願えば願うほど、遠くなってしまうそんな存在でしかなかった。
終わらせたいと願う関係性。でも終わらせることが怖くて、君と会えなくなることが何よりも寂しくて、君に縋っていたことに気づく。
離れる決意をするたびにいつも躊躇して、付かず離れずの関係性を保っていた。
よく晴れた空が眩しくて、2人には明るい空なんて似合いはしない。ベストな関係よりもベターな関係性であることに、ただこだわる君を見るたびに、期待するだけ無駄だと自分に言い聞かせる。
暗がりな空が2人にはぴったりで、2人が会うのはいつも夜のこと。夜に集合して、朝に解散する。いつもすることは同じで、酒を飲んでから事を終えるだけ。そして、朝起きて、何にもなかったかのようにさよならをするのが私たちの日課。
いつも聞いていたラブソングは2人のための歌ではなく、私たちではない誰かを歌った歌だった。
ラブソングのようにはうまくいかない私たちの恋愛。もはや恋愛と呼ぶことすら疑問に思えるほど都合の良い関係性。君をどれだけ想った歌も君には届かないから書く価値もない。
だから2人の関係性にはラブソングはいらないし、先の見えない関係性にはラブソングなんてもはや必要ないんだよ。
すがるものにすがるしかない惨めな私。1人になることにただ怯え、君離れが全然できない。もしもどこかに良い人が現れれば、君なしで独り立ちができるのに。都合の良いことばかり考えて、ちっとも前には進めていないのが現状だね。
結局は私次第なんでしょう。全部わかっているけど、離れる決意がいつもできないからもう末期だよ。
未来のない関係性と終わらせる勇気のない1人。
私たち2人の関係性にラブソングはもういらない。
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