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エッセイ

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#落語

隅田川はせせらがない (燐光校閲エッセイ) 1

 寄席ではよく「噺家は世情の粗で飯を喰い」という。

 落語家という世拗人(よすねびと)たちは、世間で芸能人の不倫が取り沙汰されれば、「紙入れ」や「風呂敷」といった浮気の噺を嬉々として高座にかける。
 そもそも落語には人間の清いところ、強いところよりは、だらしがないところ、弱いところを扱ったネタが多い。
「わかっちゃいるけどやめられない」。これが落語の基本的な人間観である。「業の肯定」なんて言った

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