大人にも学生にも何度でも伝えたいキャリアデザインの基本
キャリアとは、人生とは、
①将来の目標を立てて
②逆算して現在のことを考えなといけない
と、思ってる人が多すぎる。
何度でも伝えたいのですが、これだけが人生ではありません。絶対にそうではない。
もし、これだけがキャリアデザインの方法だと言っている人がいたら、なんて視野が狭く、情報が少なく、社会の解像度が低いんだと思っていいと思います。むしろかわいそうな方だと。このnoteを紹介してほしいです(それでも読まない人がそう言っている可能性が高いですが)。
尚、これから綴ることは何もオリジナルでユニークなことではありません。にも関わらず、伝わっていない人が多いことに唖然とし、辟易とし、怒りを覚えます。大人の発言が、学生に与える影響は思いのほか大きいものです。視野が狭く、情報が少なく、社会の解像度が低い人の発言でもです。
もしかしたらnoteを読む人のことだから、こんなことは知っているのかもしれないです。でも改めて、再確認する機会になればうれしいです。
冒頭のキャリア観は、未来から今を考える方法です。
これももちろん1つの考え方です。否定したいわけではありません。
そして、もう1つの考え方が、今から未来を考える方法です。
これも1つの考え方なんです。これを知らない人が多いです。
後者の「今→未来型」は、良くいえば柔軟です。悪くいえばいきあたりばったりです。しかしそれがVUCA(変動/不確実/複雑/曖昧)の時代に適しているともいえます。
しかしそれ以上に重要なのは、将来の目標がなくても今にフォーカスできることです。今を最大化する重要性は、昨日のnoteにも綴りました。
将来の目標を考えるのは、今何やりたいかを考えるより遥かに難易度が高いです。人は、やらないとやる気になりません。最初から「超やる気がある」ましてや「人生をかけて目指す」なんて気持ちには、余程の決断力と覚悟を必要とします。
にも関わらず、大人は学生に「将来は何になりたいのか」を迫ります。そして、いたずらに悩ませます。
親や教員が「今←未来型」に基づいているだけでなく、学生にとって身近なスポーツ選手やお笑い芸人、あるいは一部の著名な起業家も「今←未来型」なことが、よりそのキャリア観を固定化させています。確かに、プロスポーツ選手とかは「今←未来型」じゃないとなれないですよね。なんとなくプロになった人を僕は知りません。
かつて僕自身、「今←未来型」だけがキャリア観だと思い、悩み、戸惑っていたときがありました。大学生のときも、社会人になってからもです。29歳での転職と、そこでいただいた身に余るポジションのおかげで、初めて「今→未来型」な生き方を肯定できるようになりました。偶然に積んできた1つ1つのキャリアが、そのどれを省いてもたどり着けなかった機会でした(プロジェクトマネージャーとして、東京・お台場に「teamLab Borderless」という美術館をつくりました)。セレンディピティそのものです。
「これでもいいんだ」と思えるように、もう1つ後押ししてくれたのが、アップル創業者 スティーブ・ジョブズによるスタンフォード大学卒業式でのスピーチ(冒頭5分くらいが該当部分)です。彼の人生をもって体現し、示した"Connecting the Dots"の考え方は、まさに「今→未来型」キャリア観そのものです。
you can’t connect the dots looking forward;
you can only connect them looking backwards.
So you have to trust that the dots will somehow connect in your future.
点と点の繋がりは予測できません。
あとで振り返って、点の繋がりに気づくのです。
今やっていることがどこかに繋がると信じてください。
あ、これでいいんだ。と思えたときの安心、うれしさといったら。特定の価値観の信憑性を示すのに、彼以上に説得力がある人はなかなかいません。
今、将来の目標がある人は、逆算し、迷いなくそれを目指してください。
でも今、将来の目標がない人は、無理に立てようとせず、今やりたいこと、興味があることに迷いなく邁進してください。どこにたどり着くかはわかりませんが、必ずや、想像だにしなかった場所へ連れてってくれます。
いずれにしても、応援しております!
* * *
というようなことを大学で講義したり、学生との継続的な1on1ミーティング(1on1 college)を通して伝えたりしています。
今、参加している学生たちが、1on1 collegeを広めようとクラウドファンディングをしてくれています。これまで100名を超える方々にご支援いただきました。ありがたい限りです。
残り5日。ご覧いただけたらうれしいです!
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