10代の葛藤を目の前にして、私たちは無力なのか

僕たちは日々、高校生・大学生年代と1on1ミーティングをしている。オンラインで実施しているので、学生は全国・世界各地から参加している。高校生・大学生だけでなく、高専生、浪人生、休学中、大学院生もいる。

月1回・1時間の1on1を、何ヶ月も何年も続けている人がたくさんいる。長い人はもうすぐ4年にもなる。毎月、毎月、我々を通して自分と対峙するのである。いいことばかりなはずがない。できなかったことも悔しい思いも振り返る。目を逸らさずに、自分の本心を吐露する。すごいことだと思う。本当に、心から尊敬している。

この1on1で何を扱うかは、原則、参加する学生に委ねている。僕たちは彼女ら/彼らにどうなってほしいわけじゃない。何も教えないし、当然、評価もしない。ただ聴いて、そして問うているだけ。ただただ参加者は、僕らを使って自分の心の声を聴くことになる。


その営みは時に、辛い現実を突きつける。

本心に従っていない自分に気づく。
怖くて進めない夢を持っている自分に気づく。
がんばりたいことがあるのに怠惰に過ごした自分に気づく。

受験勉強に価値を感じない。それでもやるしかない?
毎日部活に行くけど、本当は違うことがやりたい。でも辞められない?
YouTube観ちゃう。インスタ観ちゃう。そんな自分は好きじゃない?

いい大学・いい会社の時代は終わったの?
でも私はやりたいことがあるの?
今のままで本当にいいの?

人によって感じていること、考えていることはさまざまだけど。受験や就活など、卒業後の進路選択を控えて、いろんなプレッシャーを外からもかけられていたり、自分でもかけちゃったり。感情が溢れて、時に涙する学生もいる。


僕たちは当事者ではない。彼女/彼の人生は彼女/彼のもの。私たちは代わりになれない。その葛藤、その涙を目の前にしても、このどうしようもない事実に愕然とすることがある。

ただ聴いていく。ただ問うていく。何を選んでも尊重して、応援する。
それしかできない。けど、それが何か力になると信じて。
自分が高校生のとき、大学生のとき、そういう存在に救われたし、もっとそういう人に出会いたかったから。その感覚を信じて。

この今の気持ちを忘れないために綴りました。

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