1on1について 日米比較、あるいは誰がやるか問題

1on1ミーティングを学びたい人が多いらしい。どうやるとか、進め方とか、話題はなんだとか。困ってる人がいるみたいです。会社などでの役割で、誰かに1on1をすることになったと。

ほとんどの人の共通点は、いい1on1を受けたことがないことなのかな。その経験があれば、少なくとも真似ることができるはずなので。

いずれにしても、1on1って「手段」なので、まずは「目的」を明確にした方がいいと思うんです。そして「目的」によって「手段」の使い方が変わるからいい1on1ってなんだろう?ってなるのかもしれません。


例えば「評価」が目的だったら。それは評価項目を定めて、それぞれをどう測定するか決めて、やればいいと思うんですね。

例えば「支援」が目的だったら。それは話し手に主導権があるので、その人が今何を目指しているか、何を課題に感じているかからスタートしなければ意味ないですね。私(あなた)が考えていることはどうでもよくなります。
※うちがやっている1on1はこれにあたります。

例えば「目標達成」が目的だったら。それは目標を明確化したり、現状を把握したり、目標と現状のギャップやその背景・原因を理解したり、それを解決するための方法を考える必要があるのでしょう。コーチング的アプローチとも言えるかも。
100%話し手の考えていることを尊重するやり方もあれば、聞き手の意見も交えるやり方まであるのもポイントかもしれません。

ちなみにこの目標達成の場合、特に日本では、話し手が目標達成にコミットしているかどうかという問題があります。アメリカだと、コミットしている前提がある。それはジョブディスクリプションがあっての雇用契約だし、それにコミットして達成できなければクビにする(クビになる)ので。
しかし日本では、この前提はないですよね。コミットしてない(できない)ことが課題の場合は、いきなり目標達成前提での1on1はまったくうまく機能しないでしょう。


ちなみにこのどれかによって、誰がやるべきかも異なります。
「評価」であれば評価者がやるべきです。
一方で「支援」であれば必ずしも評価者がやるべきではありません。実際に上長ではない誰か(多くは人事部所属)が担っている組織も散見します。1on1相手が評価者でない方が、心理的安全性の高い(=なんでも話せる)1on1をつくりやすいのは想像にかたくないですよね。


よく事例を聞くのは、話し手(例えば部下)のキャリアや業務の支援をする目的の1on1にも関わらず、聞き手(例えば上司)が評価者で、そこに心理的安全性がまったく確保されていないケースです。ここで話し手から聞く話が、聞き手や組織にとって評価できないことだった場合、そのまま査定に響くことも実際にあると。そんな1on1で誰が心を開くのか。その仕組みの時点で既に詰んでますよね。


最近1on1について相談されたり事例を聞く機会があり、つらつらと感じたことを綴ってみました。誰かの役に立つといいな。

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