マガジンのカバー画像

あいから〜大好きな彼女が多重人格で人格達は素敵な家族だった〜

9
2020年4月3日からインスタで連載しています。じっくり読みたい方向けにnoteも用意しました。本編に載せなかった私の心理もこちらで読めます!
8章構成なので最後まで読み方はマガジンをおすすめします!
¥980
運営しているクリエイター

記事一覧

固定された記事

あいから  1章 〜大好きな彼女が多重人格だった〜

2017年。家族を沖縄に残し、東京でフリーランスのITエンジニアをしていた。

沖縄で生活したかったが、子供達の将来を考え東京へ出稼ぎにきていた。

家族離れ離れの生活だったが、子供達が住み慣れた沖縄を離れて一緒に東京で暮らすことになった。

新生活が始まり、口では「平気だよ」というが、案の定、長女と次女ともに新しい環境に馴染めない。

ある日、小学校六年生の長女が「打ち込んでいることに専念したい

もっとみる

あいから 2章 〜大好きな彼女が多重人格だった〜

珍しく仕事中に彼女から電話がきた。

「亮介…あのね。大変なの…」

「どうしたの?」

「パジャマで自由が丘の駅の前にいる…」

「え?」

「ここまで来た記憶がないのよ。パジャマ姿で恥ずかしいけど…それよりも、他の人に迷惑かけていないか心配で…」

「すぐに迎えに行くよ」

彼女が黙る。

「どうした?大丈夫?」

「あ、亮介…俺、りょうだよ」

「あいつになんかあったか?他の人格がなんかした

もっとみる

あいから 3章 〜大好きな彼女が多重人格だった〜

「亮介これをつけたまえ」

「おっ!かっこいい!ポールスミスのシルバーのリングだ!」

「給料が入ったからね…サプライズプレゼント!サイズどう?」

「ちょうどいい!」

1週間後「亮介みてみて!じゃーん!婚約指輪!」

「…」

「あれ?どうしたの?」

「婚約指輪って男性から女性に贈るものじゃない?」

「え?そうなの?」

「プロポーズも先にされるし、婚約指輪も渡されるし…俺は不甲斐ない男み

もっとみる

あいから 4章 〜大好きな彼女が多重人格だった〜

2004年当時、解離性同一性障害は世間に認知されておらず偏見があり「どうせ演技だろう。つらいことから逃げ出したいだけだ」と思われがちだった。

彼女は毎週通院をしていて医療費がかかる。過食嘔吐でも食費がかかり経済的に苦しくなったきた。

障害者手帳があれば医療費が免除されると聞き申請をしたが、疑われているのか驚くほど質問をされ手続きのたびに疲弊してしまう。

りょう達とはコミュニケーションが取れる

もっとみる

あいから 5章 〜大好きな彼女が多重人格だった〜

ゆきちゃんはどんどん言葉を覚える…というか言葉を思い出しているようだ。

「オレだじょ」

「ゆきちゃんでしょ?りょうの真似?」

「ゆちじゃないじょ、オレだじょ」

「りょうはだじょ!っていわない」

「うぅん、まちゅめ!ゆちのいうことをしんじないなんて…おぼえていらっしゃい」

「どんな報復をされるのか…怖い…」

「まちゅぼっくいのあだなをかんがえてやる…」

「あ、あだな」

「なにがいい

もっとみる

あいから 6章 〜大好きな彼女が多重人格だった〜

いわきに引っ越しをしてから、出産をするための産婦人科を探したが精神的な症状を理由に何度か断られた。

ある日、病院の口コミサイトを見ながら彼女が「ここに行ってみたい」という。

複数のウェブサイトで比較してもこの病院の評判は良かった。

いい病院でも悪評はあるが、この病院の悪評は「受付がそっけない」だけだった。

「この産婦人科で産んで良かった」という意見がほとんどだ。

しかし、人気がある産婦人

もっとみる

あいから 7章 〜大好きな彼女が多重人格だった〜

りょうは彼女を守るためにこの体に入った。

統合により危険な人格がいなくなり出産、母親との確執の解消、沖縄移住を経て精神的な負担もない。

「俺の役目って終わっているんだよなぁ」

「お前、最近ボヤキが多いな」

「あぁ~体欲しいなぁ~格闘技やりてぇ〜女の子口説きたい〜」

「やればいいじゃん」

くだらない会話が続く

「この体だと動きが鈍くて嫌なんだよ。それにそもそも女の体だぞ」

「わがまま

もっとみる

あいから 8章 〜大好きな彼女が多重人格だった〜

彼女は強迫神経症の症状が残るもののパニックに陥ることもなく、過食嘔吐もせず、腕の傷も消えていた。

毎日産まれたばかりの次女やまだ甘えたりない長女を楽しそうにあやしている。

生まれつき肝臓が弱いのと、長年の過食嘔吐で胃や食道がボロボロだったり、喘息もあるが、気持ちが元気になれば体もついてくるだろうと考えていた。

ある日ゆきちゃんが「あれぇ~あの子…」と首をかしげている。

「どうしたの?」

もっとみる

水曜日が消えた 多重人格視点で感想を(ネタバレ注意)

多重人格をテーマとした映画です。

多重人格者と過ごし、「中の人」とも家族のように過ごし、特に弟みたいな「りょう」くんとは、このような多重人格をテーマとした映画・漫画などをよく評論してました。

懐かしみながら違った視点で感想を書きます。

曜日ごとに異なる人格一般的な(?)解離性同一性障害(多重人格)ではありえないはず…

まぁ、映画の脚色なので真に受けても仕方ないですが 笑

アイディアは面白

もっとみる