ベンチャー企業の新卒デザイナーが直面した激動の半年間。
こんにちは。UXUIデザイナーのりょっちです。
OPTIMINDというスタートアップ企業に新卒入社して、気づけば半年が経ちました。
振り返ると、想像以上に目まぐるしく必死に必死に毎日を過ごしていました。月並みの感想ですが、ベンチャーって刺激的な場所だなと改めて思います。
せっかくなので激動の日々の中で起きたことを振り返りながら、とあるベンチャーで奮闘してきた半年間の記憶を、入社エントリとして記しておきます。
簡単に入社までの流れ
私は2017年に名古屋大学に入学しました。入学年から設立された情報学部の第1期生です。理系学生だったのですが、段々と自然科学より人の心への興味の方が強くなって文転を決意し、大学3年生から心理学を専攻することにしました。
その後、心理学から興味を広げていた時に、デザインに出会いました。デザインのプロが、デジタルサービスを無意識に操れるこの世界を支えていると感じ、そこからUXUIデザイナーという職業に憧れるようになりました。ここがデザイナーへの道の第一歩です。
大学ではデザインを専門的に学ぶことはできなかったので、独学しながら、名古屋芸大の先生の授業を受けに行ったり、東京のデザイン会社でインターンさせてもらったりと、UXUIデザインについて学んでいきました。
その後、就活を経て、1年ほどインターン生として関わっていた今の会社に2人目のデザイナーとして入社を決め、無事今年からUXUIデザイナーとしてのキャリアをスタートさせています。
ハードシングスを乗り越えろ。「入社直前に先輩デザイナーが...」
社会人ライフは波乱万丈な幕開けでした。
"ベンチャーは変化が激しい環境だ"
ということはよく聞く話なので、
「これから色んなことが起こるだろうけど、頑張って乗り越えよう〜!」
と思っていましたが、最初の試練は入社前に起こりました。
3月29日。入社日の3日前の夜9時ごろです。のんびり家のデスクに座ってぼーっとしてたらSlackで会社の先輩デザイナーから長文のメッセージが届きました。
「真面目な話でお伝えしておかなければいけない事があり、対面で何度か話そうと思ったんですが、対面でうまく伝えられる自信がなかったのでDMしました。突然なんですが、実は今会社と退職について話し合っています。・・・」
「?????????????????」
あの時感じた衝撃は今でも覚えています。
「え?辞めるってどういうこと??2人で一緒に頑張ろう!って言ってたじゃん...。え?」
自分にはどうすることもできない大きな力が働いている感じ。
頭が真っ白になり、しばらく固まっていました。
人生山あり谷ありなんて言いますが、こういうことかと初めて意味がわかりました。
翌日、この件について詳しく話を聞くと、実に複雑な事情が絡んでおりました。いろんな可能性を模索した上で最終的に先輩の退社が納得いく形として合意されたようで、どうすることもできない感じでした。
自分にとってはとっても寂しいことでしたが、自分が自分の人生を大事に想うように、先輩には先輩の大事な人生があり、会社には会社の大事な未来があるのです。
先に断っておきますが、今となって先輩・会社に対して変なしこりもないです。むしろ、人と関わる中で、自分の思い通りにいかないことも多分に起こるけど、それは自分への嫌がらせでは全くなく、自分以外の持っている同等に大切な想いが尊重された結果なんだなという整理が身をもってできたきっかけとなりました。
とはいえ、当時はどうしようもできないが故に、そのやるせなさをうまく消化することができなかったです。
正直、スタートアップの会社ってこんなに環境が目まぐるしいの?そんなとこに行って大丈夫?と不安も生まれて、入社しないという選択肢も浮かびながら数週間悩みました。
その間、外部の方にたくさん相談させてもらったし、社内でも気にかけてくれて人事の方、仲良かった先輩、社長のマツケンさんまでもが時間作って話をしてくれました。
社内メンバーとも入社するしない含め会話をしましたが、誰もが建設的に、そして、自分の意思を尊重してくれるとの意思表示をしてくれました。
とても感謝をしています。
そしてここから紆余曲折あったのですが、結局OPTIMINDに入社をすることにしました。
当時は「なんて人生だ!」って思っていましたが、今思えばこのタイミングで、さまざまな考えを巡らせ、一生忘れもしないであろう瞬間が生まれたことは、自分にとって良かったなと思います。
身を持って体感できたこと①
思い通りにならなかったことに悔やむくらいなら、その事象を自分の人生的にどんな解釈をしたほうが面白いかと考えた方が健康的かつ建設的。
背伸びばかりの日々。「自分がなんとかしないといけない環境」
そんなこんなで入社をしたわけですが、仕事は想像以上にハードでした。
学生時代は週1~2くらいのインターン業務だったため、そもそもフルタイムになったこともハードだなと感じた要因です。しかしそれよりも、これまで先輩がしてくれていた業務のほぼ全てが自分に降りかかってきたので、"よくわかんないけど自分がやるしかない"的なことのオンパレードだったことが本当に大変でした。
・先輩デザイナーから急遽引き継いだプロジェクトの進行
・デザイナー候補者の面接
・エンジニアとの折衝
・ワークフローの整備
・デザインの意思決定
etc...
運命のいたずらでいきなり会社でひとりぼっちのデザイナーとなってしまったワケですが、うじうじと悲劇の新卒社員を演じている暇は全くありません。
もちろんたくさんフォローしてもらってましたが、新卒だろうと唯一のデザイナーとして、求められる役割、やるべきことはたくさんありました。
デザイナーとしてまだまだ未熟だと言い訳したいですが、会社でデザインに一番詳しいのは自分です。
デザイン領域に対してはプロフェッショナルとして、良いプロダクトにしていくために納得いくデザインを作り、最終的なデザインはこれでいきましょう!と開発チーム推し伝えなければいけません。
デザインの不安を払拭できなかったため、自ら実施の意義を伝え、ユーザービリティテストを開発フローに組み込むなどの施策を推し進めていかなければなりません。
面談/面接に来る人に対して、OPTIMINDのデザイナーとして働く魅力を伝えなければいけません。
リソースが足りないのでデザイナーを見つけて業務委託お願いして、仕事を作らないければなりません。
そして何より、未熟なスキルを埋めるために日々デザインのスキルを磨かなければなりません。
正直、どこまでやれたかというと、どんだけどんだけ盛っても完璧にはこなせていないです。
デザインについて多少の不安がありながらも、悩んだ末にこれでいきましょうと言った瞬間。
40代の候補者に年齢聞かれて「実は23歳で、今年の春に新卒入社です」と言って、なんとも言えない反応をされた瞬間。
エンジニアさんに仕様の抜け漏れを何度も教えてもらった瞬間。
もっとこうすればよかったなとかは色々思いますが、とにかく目の前の業務を回すことに必死でしたし、当時の自分ができる理論値の働きだったと思います。
そうこうしているうちに気づけば半年が経っていました。
今でも、もちろん完璧なデザイナーとはなっていないですが、入社直後にあっぷあっぷしながらやっていた業務には慣れて、段々とこなしていけるようになりました。
プロジェクトメンバーのエンジニアさんから、「一緒に開発がやりやすかった」と言ってもらえたり、リリースした機能が定量的にわかる改善に繋がったり。
そして、先日行われた四半期ごとに開催されるQP(Quarter Party
)では、なんと社内MVPに選出していただきました!まだまだ自分の理想状態とは程遠いですが、自分の頑張りが一つ形になったのは素直に嬉しかったです。
入社当初は自分の環境を呪ったこともありますが、今振り返ってみると、うまくいかないことにぶち当たりながらだいぶ成長したな〜って実感しますし、厳しい環境に身を置けてよかったと思います。自分から辛いところにわざわざいく人はいないと思いますが、人生詰むことなんてなく、谷を進めば山にたどり着く、どこまでも続いていくんだなと思います。
もちろん、周りのサポートあっての今の自分です。1人では何もできなかった自信があります。PM・POの方には業務内外共に親身に気遣ってもらいましたし、エンジニアさんには何度も丁寧に教えてもらいましたし、業務委託デザイナーさんに毎週個別で勉強会開いてもらってデザインのいろはを叩き込んでもらったり。本当に感謝ばかりです。
身を持って体感できたこと②
ベンチャーでは困難なことは無限に起こる。ただ、困難なことは自分を試すように揺さぶって、結果として視座を高めてくれるので、実質プラス。もはや得。
自分のこれから
デザイナーというキャリアは、デザインという広義な領域を扱うが故に、一生関わっていく領域だと思っています。アプリケーションのデザインはほんの一部であり、この世のほとんどの人工物はデザインされたものだし、組織や会話のような非物質のものだってデザインすると言える。
まだまだ知らないことばかりだけど、確実に一つ一つデザインの世界観を自分のものとして、目の前の大切なものに還元していけたらなと思っています。
冒頭に、
"ベンチャーは変化が激しい環境だ"
と書きました。
変化から逃げたいのは人間の性ですが、めちゃめちゃ楽しい経験も、ハードな経験も詰まったこの環境はとても好きです。ハードな経験は瞬間として切り取るとマイナスっぽく見えますが、続く先ではきっと人生にとって意味ある瞬間として切り取れるものだと僕は思っています。
スマートではないかもしれませんが、これから起こることを安心して正面から味わい、受け止めていこうと思います。
自分が生き生きしていられるためにも、常に挑み続けていたい。これからどんな心を揺さぶる瞬間にぶつかっていけるかとても楽しみです。
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