4 months intensive course Day16
マイズナー 4 months intensive course 16日目。
今日は臨時講師・小林桜子さんが来てくださり、変わらず「作業」と「準備」のワークをした。
桜子さんと初めて出会ったのも壮悟さんのこのマイズナーWSでした。
出会ったといっても、最初は確か3,4年前のZoomを使ったスコットウィリアムズのWSで、実際に会ったのはもう少し後だった気がする。
私が研修所の時に初めてマイズナーを学んだ藤野節子さんや今お世話になっている西村壮悟さんと同じように、桜子さんもイギリスのインパルスシアターという場所でスコットウィリアムズ氏から直接マイズナーを学んでいます。
節子さんからは一切スコットや海外のことは聞いたことはなかったけど、壮悟さんからは色んなお話を聞いたり、また桜子さんが経験したことも聞けたのは、私がマイズナーを学び続ける過程においてとても良かったなと感じている。
彼女が話してくださったインパルスシアターでの「作業」の話にとてもエンパワメントされた。
インパルスシアターの俳優たちがどういう「作業」の準備をされていたのか、またどんな情景を見てきたのか、そのひとつひとつがとても興味深いものでもっともっと遠い場所に行きたいと素直に思わされた。
アル・ゴア元米副大統領がノーベル平和賞受賞式典の演説で引用されたアフリカの諺。
とても好きな言葉だ。
1人であれば他の人と関わる煩わしさもなくある程度の場所までは早く到達できるかもしれない。
だけどそれだけだ。
1人の人間の資源は有限で、時間も体力も持てる知識の量にも限りがある。
さらに遠くへ進もうとするのであれば絶対的に他者が必要なんだ。
私たちは1人で進もうとする度に壁にぶつかる。
マイズナーで考える演技も同じに思える。
演技者が1人で作れる感情や想い、衝動などは確実に限界がある。
だけど他者と真実に関わることで私たち演技者はいとも簡単にその限界を超えられてしまう。
そして未知の自分を発見することができる。
知らない自分に出会わせてくれるのはいつも他者なのだと思わされる。
今日桜子さんがインパルスシアターの俳優がどんな「作業」をしていたのか話してくれた時に、「作業」を持ち込むワクワク感のことを話してくれた。この感覚を忘れていた。
そう。俳優にとってプレジャーは大切なんだ。
イギリスを拠点に活動する俳優・アクティングコーチの山中結莉さんが以前、アクターズシークレットについて教えてくれた。
これは演出家にも共演者にも教えない自分だけが持ち込む秘密。
こういうものを持ち込んでみたらどんなことが起こるかな。こんなものはどうかな。
自分を使ったある種の実験。悪巧み。遊び心。
そうやって自分だけの秘密を持って楽しみながらワークや稽古を重ねていくのだそうだ。
その話をはじめて聞いた時、なんて楽しそうなんだととても目を輝かせた記憶がある。
そのことを忘れてしまっていたなと思い出した。
「作業」と「準備」のワークも残り数回。
心踊る瞬間を持ち込んでさらに遠くへ行きたい。
1回1回ワクワクの準備を。
小比類巻諒介
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