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絵に全てをかけた主人公の物語『ブルーピリオド 』

今回は、「マンガ大賞2020」にランクインした漫画、『ブルーピリオド の紹介をしたいと思います。

この作品を紹介しようと思った理由は、自分と向き合えるきっかけになれる作品だからです。

美術系のマンガは、見ることが少ないと思います。面白いの?などの声もあるかとおもいます。

結論、めちゃくちゃおもしろい作品です!

美術系の作品は、どこかクールなイメージのマンガを想像していました。しかし、この作品は、とにかくアツいです!

高校時代運動部だった私も、思わず共感してしまうところがおおかったです。

絵を描くのって才能や昔から絵を書いている人のイメージが強かったです。経験が物をいうのだと思っていました。そんな常識も本作品では、覆されています。

[あらすじ]
成績優秀、世渡り上手、夜遊び好きな主人公(矢虎)が美術の授業で絵を描くことの楽しさを知る。
彼が美術で描いた絵は、青色にぬられた朝の渋谷の景色だった。周りの目を気にして、なかなか自分を表現してこなかった矢虎。
そんな彼が、初めて自分を主張した作品。そこから、美術部に入部することを決意。そして、倍率20倍をほこる東京芸術大学入学を目指し、矢虎の美術人生が始まる。

ブルーピリオドは、3つのことが特徴的でした。


1. 高校2年から絵の勉強を始める

主人公の矢虎は、美術部に高校2年の時に所属します。そこから、倍率20倍を超える東京芸術大学を目指していきます。

一般の人から見ても、「始めるの遅くない?」と感じると思います。矢虎自身もそれを自覚していました。

2年から始めたら、「そこそこの芸大でいいかな」と私なら思ってしまいます。それでも、矢虎は芸大だけを目標にしました。もちろん、試験までの道のりは、簡単なものではありません。

経験が浅いからこそ、悩み、焦り、不安になっていく場面もあります。

けれど、それと真剣に向き合い、その壁を超えていく姿勢に心を打たれました。

自分は困難なことに出会った時、真剣に向き合っているだろうか。

こんなことを私自身も考えました。

実際にこの作品では、受験の話がメインです。受験は、経験したことがある人がほとんどだと思います。この話を読んでいると、私は当時ここまで真剣だったのだろうか。と思わず過去の自分を省みてしまいました。


2. 天才と凡人

矢虎は東京芸大を目指し、予備校に通うことになります。そこで、今後矢虎のライバルとなる世田介(よたすけ)と出会います。

予備校でのデッサンの作品発表の時に、彼の絵を目にして、矢虎は衝撃を受けます。1人だけ圧倒的に飛び抜けた絵。さらに、彼にとっては、このデッサンが人生で初めてだったのです。

矢虎は世田界を天才だと認識します。それでも、挫けることなく、今できることを精一杯やっていこうと決心します。

才能だけで絵を描いていく天才、世田界
高校2年から絵を書き始めた凡人、矢虎

この2人の関係にも注目するべきところが多いです。

矢虎は、自分のことを凡人と自覚します。それでも世田界(天才)と渡り合っていくために、一歩ずつ成長を重ねていきます。

高校生時は、自分を大きくみてしまいがちですが、矢虎は違いました。冷静に自分を客観視しています。

絵が上達しても、おごることなく常に前を身つづけています。


3. 胸を揺らす言葉の数々

ブルーピリオドを読んでいくと、「おっ!」と思う言葉が多いです。その度に深く考えさせられます。

この作品は、心理描写が多いです。ですので、主人公に読者も共感できる部分が多いのではないでしょうか。

本作品で、僕が最も心を動かされた言葉を紹介します。

「好きなことは趣味でいい」これは、大人の発想だと思いませんか?


これは、美術部顧問の佐伯先生の言葉です。矢虎が、「絵は趣味で書いちゃいけないんですか。」と言った時に佐伯先生が返した言葉です。

この言葉を見たときは、ハッとさせられました。

僕自身何かを始める時、「もう大学生だし今更本気になっても遅いよな」と考えてしまいがちです。その結果、中途半端になってしまうことがほとんどです。

佐伯先生は、高校生の矢虎にこの言葉を送っています。ですが、これは、大人の方にも重要な意味を込めているのではないでしょうか?

大人だから、趣味でいいいやなどと本当は興味があるのにどこか本気に慣れない。そんな経験ありませんか?

ここからは私の持論になってしまうのですが、何を始めるにしても遅いことはないと思います。

ぜひ、この言葉を、今読んでいるあなたに届いて欲しいです。


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『出典: ブルーピリオド 1巻」


以上が私のオススメのマンガ「ブルーピリオド 」の紹介記事でした。

この漫画には、他にも多くの自分と向き合えるような場面が登場してきます。

今に不満を抱えている人、やりたいことがない人は、ぜひ一冊読んでみてはいかがでしょうか。



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