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ザ・ローリング・ストーンズ べガーズ・バンケット その④ 悪魔を、、、ライブバージョンの変遷

昔バンドのメンバーが、「ストーンズは、スタジオ版で作りこんでおいて、ライブでぶっ壊して演奏する」というようなことを言っていました。

言い方は大げさかもしれませんが、確かにそういうところはありますよね。スタジオ版は、しっかり作りこまれていますが、ライブとなると、変えまくっているというか。

ストーンズの場合、メロディ主体でなく「印象的な部分部分の集合体」を曲として成立させているので、演奏時の自由度が高くなるんだと思います。さすがに、最近のは、かなり演奏が固定化されてしまっていますが、昔のストーンズは、ツアーの前半・後半でも変化していったりとかしてましたし。

そういう意味では、若い時にビートルズ主体で聞いていたうちの奥さんは、はじめ、ストーンズライブを聞いてびっくりしていました。

では、「べガーズ・バンケット」の締めくくりに、この曲の変遷について書いて終わりたいと思います。

<「悪魔を憐れむ歌」のライブバージョンの変遷、聞き比べの面白さ>
これは、まずは
1.ロックンロール・サーカス・バージョン

おそらくこれが最初の生演奏でしょうか?
ブライアンがマラカスでかなり悲しい状態なのが、、、。

2.ハイド・パーク・バージョン

ミック・テイラー初ライブのバージョンですね。
これは曲後半のカオスが凄い。

3.ゲット・ヤー・ヤー・バージョン

充実度が高いですね。これは、ある程度は、スタジオで手直しもしてそうですね。そんなことに関係なく、素晴らしい仕上がりですね。
私は、このバージョンが好きかな。

4.ラブ・ユー・ライブのバージョン(ロニー加入後のバージョン)

打って変わってという感じで、やや明るいといってもいいくらいの変わりようですが、リズムは、ライブのバージョンはハイド・パーク・バージョンもですが、サンバというよりアフリカンであるあたりが、取り込み方のえぐさがすごいなと。

5.スティールホィールズツアーのバージョン

ライブの手法も管理的になりはじめ、かつ、チャーリーも大変だったのか、ここから「生」としての面白みが減ってしまった面もあり、少し残念。
サンプリングを使いつつつ、ドラムが8基本の四つ打ちになってますね。
ただ、キースは全開ですね(笑)。

6.それ以降のバージョン

これ以降は、リズムが割と普通になってしまって、やや残念ですが、そこは演出でカバーしてる感じでしょうかね。映像作品自体の数が多いので、とりあえず、一つだけ貼っておきます。細かいところはともかく、大枠の印象は、だいたいこういう感じの路線ですね。

<完全におまけのエピソード>
このアルバムのエピソードの最後に、アルバム完成パーティーの話を!

これは前にノートのブログでほかにも書いておられた方がいた気がしますが、こんな話です。

「ベガーズ」完成のお披露目パーティーをミックが開催した際、そこにポールがやってきて、そちらも完成したばかりの「ヘイ・ジュード」を流し、いろんな意味で空気が変わってしまい、ジョンが、申し訳なさそうにしていたという話です。これ、結構有名な話みたいですが、そんなところに居合わせたらどんな感じでリアクションしていいか困るでしょうねw。

このエピソードから、「あぁ、ビートルズはその曲の辺りの時代だったんだな」と思いました。リアルタイムで聞いていない(というか、生まれてもないので当然ですが)私としては、こういうエピソードから見える相互関係とかもなかなか面白かったりします。

<べガーズ・バンケット・アウトトラックやブート>
ベガーズのブートは、全曲が入ったBeta Mixのがあります。これは、ブートにしては、完成度が高く、別バージョンのミックスに近い感じで、パンニングや楽器の音量が違っていたりとかする感じでしたね。
そのなかに、バンド名由来にもなった「Rollin' Stone」のタイプの曲であるマディーの「Still A Fool」も入っていて、初めて聞いたときは「おおっ」ってなりましたね。ブートそのものを勧めるつもりはありませんが、これは興味深いですし、YouTubeにもアップされていたのでそれを貼っておきます。

この曲は"Rollin' Stone"を原型にしつつ、"Rollin' Stone"の一年後に、歌詞を変えて出した曲らしいです。今回のハックニーでついに「"Rollin' Stone"」のカバーを入れましたが、この時点で、その兄弟曲的なのを録音してためしていたんですよね。その点からしてもやはり「原点回帰」は意識していたのだと思います。

今のところ、ベガーズのアウトトラック集は、正規版では発売されていませんが、私が知っている限りで、4-5曲くらいは、アウトトラックがあります。まぁ、正規版として出せるレベルで完成しているわけではないですが。

これとは別で、グリン・ジョンズ絡みのブートの方も、アルバム収録曲がいくつかありますが、「ディア・ドクター」のミックのファルセットのところが、まだ、ファルセットになってない状態のとかもあって興味深かったです。

「べガーズ・バンケット」編は、これで終了です。

次の転換点は、「スティッキー」かなと思っていますので、次は、「スティッキー・フィンガーズ」辺りについて書いてみようかなと考えています。

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