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ウクライナと中国版「核の傘」

WSJが報じている中国の過去の約束

WSJの英語版に "Under New Scrutiny: China’s Nuclear Pledge to Ukraine" という記事がありました。これによれば

Initially, some government-run media in China, including the official Xinhua News Agency, stirred anxiety by dubbing Beijing’s agreement with Ukraine a “nuclear umbrella,” the term Washington uses to describe its vows to protect allies like South Korea.

Under New Scrutiny: China’s Nuclear Pledge to Ukraine | WSJ

両国の合意により中国がウクライナに「核の傘」を提供する、という話を新華社通信が伝えたという記述があります。

「核の傘」は新華社通信が当時の報道で使っていた言葉

この報道は既に中国メディアからは消されてるとWSJに書いてあるので、日本語で調べてみたところ、中央日報の記事(2013年12月12日)が出てきました。

中国が過去初めて非核国に核の傘を提供することにしたと中国国営メディアが11日に報道した。これによると、習近平中国国家主席は5日に中国を訪問したウクライナのヤヌコビッチ大統領と「パートナー関係強化に向けた共同声明」を発表した。声明には、「中国はウクライナが非核国として核拡散防止条約(NPT)に加入したことを高く評価する。国連安全保障理事会決議と1994年に中国とウクライナが発表した声明に基づき、ウクライナに対する外部からの核攻撃または脅威が近づくならば、中国は相応する安全保障を提供する」と明示されている。新華社通信はこの「安全保障」が「核の傘を提供するという意味」とし、中国が核の傘の提供を宣言するのは初めてだと伝えた。中国は94年、「ウクライナに核脅威を与えず安全を保障する」という内容の共同声明をウクライナと発表している。

中国が核の盟主国に、ウクライナに核の傘提供 | 中央日報

日本は本当に米国の傘の下にいるのか?

もしバイデン氏が核の「先制不使用」やそれに等しい政策を採用することで、米国の核抑止力を縮小させるならば、米国の戦略的ダメージは一段と悪化しかねない上に、ホワイトハウスはそれを誰のせいにもできない。

【社説】米国が核の傘を畳むことの意味 | WSJ

2021年11月16日のWSJで【社説】米国が核の傘を畳むことの意味という社説がありました。

バイデン政権が行っている自らの「核体制の見直し」が核抑止力について、その範囲や定義を見直すのであれば、中国やロシアに対して間違ったメッセージを発することになり「それは地政学上の嵐を呼び起こすことになる」と社説では警告してます。

また、WSJは「ロシアはウクライナとの国境近くに再び軍隊を集結させている。米国がただでさえ限定的な核の選択肢を不必要に手放せば、米国とライバル関係にある大国はつけあがり、行動をエスカレートさせることになる」とも指摘してしました。

表紙はFreeCreativeStuffさんの写真です。

#核の傘 #中国 #ロシア #ウクライナ #アメリカ

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