見出し画像

映画ビギナーの映画感想珍道中記⑥  「死霊のはらわた Ⅱ」(1987)

 最高だった……えっ、何が最高だったかって、伊豆平成さんからは「続編が最高です!」という折り紙付きを頂いていた「死霊のはらわた Ⅱ」ですよ! 主人公アッシュ(ブルース・キャンベル)のおとぼけ顔(?)ですよ! しかもあれだけ剽軽な姿と失態を見せておいて、後半は闘う男として格好付けてるのがまた笑えてしまう(←超失礼な言い方ですけど、褒め言葉ですよ)。しかもそれだけに終わらず、あの結末……。

「死霊のはらわた Ⅱ」のネタバレ有のレビューを青空ぷらすさんが書かれていますので、詳細なレビューを求めている方は、こちらもぜひチェックしてみてください(今回私も感想を書く上で参考にさせていただきました)。

 ※ちなみに私の方はネタバレにできるだけ配慮した感想になります。

 さきほども書きましたが、ホラー映画の主人公とは思えないほどのアッシュ(ブルース・キャンベル)の面白顔がまず印象的で、そしてさらに常人には到底思い付かないような異様な展開(褒めてますよ)がとんでもなく魅力的な作品でした。

 はっきり言います。怖くないです……と言うと誤解を招きそうなので言い直すと、私には何一つ怖くありませんでした。ただ同時に、私には前作よりも面白く感じられる作品でもありました。

 もちろんホラー的な道具立てを用いているのですが、あまり怖がらせる雰囲気が感じられないのです。たとえば前半に笑ってしまったシーンをひとつ挙げると、地中から埋まっていた首無しリンダ(悪霊)が這い上がってきて、その場で滑稽な踊り(?)をするシーン(青空ぷらすさんによると、《ティム・バートンの「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」を連想させる》とのこと)。よく怖すぎて笑ってしまう、とか、定番過ぎて笑ってしまう、とかいう表現がありますが、本作は予想の斜め上を行くような展開まで使って、笑わせにきています。

 本作は「死霊のはらわた」の続編ではなく、セルフリメイク作品ということなので、別に本作から観ても全然問題ない作品だと思いますし、なんならもし時間が無くて一本しか観れないや、という場合は(正統派ホラーのような作品を求めている向きでなければ)こっちを薦めたいくらいです。

 面白いと詰まらないは表裏一体の関係なので、上に書いた部分がすべて詰まらなく感じる人もいるでしょう。でもこの独創的なホラーは、是にしろ非にしろ必見の価値ありですよ!