ミステリ、好きですか？（備忘録として）
実は先日、
そうか…今日はミステリー記念日なのか。
— サトウ・レン (@RS_hon) October 7, 2020
じゃあこのツイートにいいねが付いた分だけ、おすすめのミステリー作品を紹介します～。
こんなツイートをしたら、思ったよりも長くなってしまったので、備忘録代わりにこちらにもその文章を貼っておこうと思います。一応まだ終わらせてはいないので、ここに載せるのは途中経過になりますね。
読んだ上でしっかりと感想を書くようなものではなく思い出しながらの一言メモみたいなものですが、読書の秋、とも言いますので、参考にでもしてもらえれば幸いですが、四季に関わらず小説は読みたい時が読み時だとも思ってしまう……。
折原一『沈黙の教室』（ハヤカワ文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 7, 2020
青春の嫌な部分、と言ったら良いのでしょうか、本作はそういうのを煮詰めた作品ではあるのですが、嫌でページをたぐる手が重くなる、ということはなく、物語はスピーディーで先を読ませてくれない展開が魅力的です。
貴志祐介『黒い家』（角川ホラー文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 7, 2020
『黒い家』って、読んでいなくても後半の展開を知ってるひとも多いような気がするけれど、ミステリとして事件の謎を追っていく（追わざるをえなくなる）部分もすごく魅力的な作品です。https://t.co/0tTSHy9df6
綾辻行人『どんどん橋、落ちた』（講談社文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 7, 2020
難題、という言い方が正しいのかどうかは分かりませんが、「あっ、俺、騙されたくてミステリ読んでいるんだな」という気持ちを再確認できた作品集です。
吉田修一『悪人』（朝日文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 7, 2020
「本当の悪人は誰なのか？」静かなタッチで進んでいき、後半、登場人物の気持ちを想像しながら、強烈に心が揺さぶられるような作品です。小説、映画の両方ともすごく印象に残った作品です。
河合莞爾『８００年後に会いにいく』（幻冬舎文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 7, 2020
偏愛の一作。壮大なＳＦミステリですし、良質なラブコメです。残念ながら私の周りで薦めているひとをあまり見たことはないのですが、大好きな一作として薦め続ける次第。壮大な物語ってわくわくしますよね。https://t.co/UAA1MOfaBm
佐藤究『Ank:amirroring ape』（講談社文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 7, 2020
壮大続きで、こちらも中々にインパクトが強い作品。近未来の京都を舞台に、暴徒となった人々の血と暴力に覆われた世界。その鍵を握るのが一頭のチンパンジー。
深緑野分『ベルリンは晴れているか』（筑摩書房）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 7, 2020
戦火の名残が残るベルリンをある目的を持って旅する少女が主人公の一作。戦争の持つ痛みがミステリの驚きと密接に繋がります。
倉知淳『ほうかご探偵隊』（創元推理文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 7, 2020
この作品ってすごいんですよ。何がすごい、って。のんびりとしたおおらかな雰囲気なのですが、ミステリとしては計算され尽くしている、というか…。
東川篤哉『純喫茶「一服堂」の四季』（講談社文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 7, 2020
一人一作家にしようとして、東川作品はユーモアの部分は『もう誘拐なんてしない』とか『放課後はミステリーとともに』のほうが好きなのですが、ミステリなら驚きのインパクトと秀逸だなと感じたこちらを。
東山彰良『流』（講談社文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 7, 2020
決して綺麗ではなく、時に残酷で、でもその文章から確かに希望が伝わる。初めて読んだ時、私の読みたかった〈青春小説〉がここにある、快哉を上げそうになったものです。
小川勝己『イヴの夜』（光文社文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 7, 2020
恋愛小説の側面が色濃い物語ですが、この作品は恋や愛、といった言葉に唾を吐きかけたくなったことのあるひとにこそ読んで欲しい作品なのかもしれません。https://t.co/QXLRrrrBEf
アガサ・クリスティ『ナイルに死す』（ハヤカワ文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 7, 2020
一番好きなクリスティ作品を聞かれると、いつも『ナイルに死す』（たまに『終りなき夜に生れつく』）と答えています。読み返した時に、新たな魅力が加わる物語っていいですよね。
トム・フランクリン『ねじれた文字、ねじれた路』（ハヤカワ文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 7, 2020
かつて失われた友情と、その先にあるものを書く…多分そういうのが好きなんでしょうね。読んだ時、導入から惹き込まれて、この作品にもっと浸っていたい、となったのを覚えています。
ウィリアム・ゴールディング『蠅の王』（ハヤカワ文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 7, 2020
はてさて、これはミステリなのか、というひともいるかもしれませんが、とりあえずミステリやホラーが好きなひとなら楽しめるに違いない、閉ざされた世界を生きる子供たちの話です。
篠田節子『仮想儀礼』（新潮文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 7, 2020
詐欺として新興宗教をはじめた男の話。なんというか怖い。読んだのはかなり前なのですが、とにかく後半が怖かった印象ばかりが強烈に残っています。
山口雅也『奇偶』（講談社文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 7, 2020
読んだのがかなり前で、その印象が強烈に残っているのは、こちらも。当時は学生で読書メモなんて付けてもいませんでしたが、どんな印象を抱いていたのか、確認しに行きたいものです。自分は今、すごいものを読んでいる…興奮したのはすごい覚えています。
17、久世光彦『一九三四年冬－乱歩』（創元推理文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 7, 2020
読んでいる内に、それが現実なのか虚構なのか分からなくなってくる。そんな物語っていいですよね。後、私はこの作品に出てくる主人公の江戸川乱歩が、可愛くて大好きです。
18、西澤保彦『彼女が死んだ夜』（幻冬舎文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 8, 2020
作者の代表シリーズの一作です。大学生の推理談義は優しげで楽しげなのに、ふいに残酷な現実を見せつけられるような苦さがあります。
19、真藤順丈『夜の淵をひと廻り』（角川文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 8, 2020
直球で放たれる言葉は、直球なのに独特で、癖になる魅力があります。悪意や嫌な部分を描きつつも、希望が残る部分が多いのも嬉しい作品です。
20、浦賀和宏『緋い猫』（祥伝社文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 8, 2020
そう言えば初めて読んだ時より、今のほうが印象に残っているのは、この作品です。閉鎖的な村社会を舞台にした作品で、後半以降の展開が強烈も強烈…。まさかあんな展開をしていくとは…。
21、櫛木理宇『避雷針の夏』（光文社文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 8, 2020
英雄扱いを受ける殺人犯、強烈な男尊女卑が根強く残り、徹底的に嫌われるのがよそ者。
その歪んだ風景に目を背けたくなりながらも、そこに他人事にできない恐怖を覚えるような作品。
22、馳星周『不夜城』（角川文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 8, 2020
その歪んだ風景に目を背けたくなりながらも、そこに他人事にできない恐怖を覚える、と言えば、この作品ももしかしたら同じ感情を持って接していたのかもしれません。暴力は怖くて嫌いで、だけどそれは確かに存在し、そこから目を離してはいけないような感覚になる…
23、三津田信三『首無の如き祟るもの』（講談社文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 8, 2020
「ホラーとミステリは似て非なるもので、水と油みたいに相性が悪い」と思っているひとがいたら、ぜひこの作品を読んで欲しい。ホラーとミステリが両立した上で、両方の欲求を満足させてくれます。
24、佐藤正午『月の満ち欠け』（岩波文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 8, 2020
ジャンルの話をすれば、多分ミステリよりも恋愛ファンタジーの要素のほうが強い作品だと思いますが、謎多き女性のシルエットが色を帯びていく様子はミステリとしても魅力的です。
25、貫井徳郎『追憶のかけら』（文春文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 8, 2020
ひとつの長編小説の中に一本の中編小説くらいの長さの自殺した作家の手記（作中作）が挟み込まれていて、その手記をめぐって二転三転して、意外な真相とともに、ある愛の形が浮かび上がるミステリです。
26、麻耶雄嵩『神様ゲーム』（講談社文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 8, 2020
もしまだこの作品に対する事前知識を何も持っていないのなら、あなたは幸せ者です。一切知識を得ずに、この物語を読むことをおすすめします。そしてその衝撃と興奮のまま、『さよなら神様』へと進んでいくのです。
27、古処誠二『いくさの底』（角川文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 8, 2020
戦時中のビルマを舞台に、〈なぜ、殺したのか？〉に重点を置いた、その舞台でしか描きえない謎とその解決を描いた戦争ミステリの逸品です。
28、澤村伊智『恐怖小説キリカ』（講談社文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 9, 2020
現実に虚構が忍び寄って来るような、この作品単体でも素晴らしいのですが。スティーヴン・キング『ミザリー』⇒貴志祐介『黒い家』⇒澤村伊智『ぼぎわんが、来る』を経て読むと、さらに面白さが増すような気がします。
29、連城三紀彦『戻り川心中』（光文社文庫）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 9, 2020
短編集です。流麗な文章で紡がれるその文章に漏らしていた感嘆の息が、ミステリとしての驚きとともにその息の音を止めに来るのではと思うほど鋭利で、特に収録されている「桔梗の宿」が好きです。
30、似鳥鶏『一〇一教室』（河出書房新社）
— サトウ・レン (@RS_hon) October 9, 2020
勝手な先入観を抱いていた作者へのイメージ（爽やかな青春を描く人）を一新させられたのが、この作品です。体罰やいじめ、親子問題に踏み込んだメッセージ性の強い作品で、感情を共有しながら苦しくもなりつつ、でも読んで良かったという気持ちにもなる。
ちょうど３０作なので結構区切りが良いですね～。