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褒められへん。 #呑みながら書きました

 素面だ。素面だが、呑んだくれている。脳内でアルコールを想像しながら、頭はぐらんぐらんだ。どうも世界はふたつあるらしい。横にお茶という名のビールがある。

 これを読んだ後に書いているので、オマージュだ。二番煎じでもなけりゃ、パクリでもなく、オマージュである。

 褒めろ、という企画があるらしい。

 自分でベスト10を決めて、その作品を自分で褒め称えろ、ということらしい。生まれてから今までファンレターもラブレターも貰ったことのない俺から、俺へ自作自演のファンレターでも、これはいっちょでっち上げてやろうか、なんて思って……書き始めたはいいものの、まったく書けへん。全然褒められへんやんけ、と関西在住の方から怒られそうななんちゃって関西弁を呟きながら、うんうん、と頭を悩ませる俺……あぁそう言えば普段〈私〉の一人称が定期的に〈僕〉や〈俺〉に変わる一人称って、可愛いよね。

 そもそも俺の作品は凄い。凄いのに褒めてくれない、みんなが悪い。そんなんだから俺が頭を悩ませることになる。知ってるさ。俺の作品が凄すぎて、言葉が出て来ないんだろ。分かってるけど、やっぱり自分宛てのファンレターしか送れねぇなんて寂しすぎるじゃねぇか。


10位

 そりゃこんな凄い俺が最高に面白いって思うんだから、そりゃー作品も凄いに決まっている。はっきり言って分かりやすい物語じゃないし、理解がどこまでできているか分かった門司ゃ内。でも面白いんだから、仕方ないだろ。そもそも読解力ってなんだよ。口を開けば読み解け読み解け、もっと物語を楽しめよ。


 9位

 誰もが例外なく、つらい目に遭うし、逆に逃れられたりする。そんなホラーがむかしっから好きだ。最高じゃないか。別に世界は人間のことなんて気にせず回っていくし、ちゃんとしてるひとだがら良い運命をたどる、とか、駄目なひとだから苦しい運命をたどるとか、よりも、あんまり都合の良くないストーリーのほうが好きなんだ。これは好みの問題だ。


 8位

 12月8日は俺の誕生日だ。さすがんにこんな年齢になると誰も祝ってはいくれない。年を取り過ぎだ。証拠がないからって、自己紹介のプロフィール嘘ばっかりじゃないだろうな。微差はまぁ許すが、嘘は駄目だ。俺みたいに本当のことを書け。


 7位

 書いててほとんど推敲せず、要項の400字に綺麗に収まったぜ。つまり400字になるために生まれてきた作品ってことだ。要は素晴らしいって、こった。


 6位

 世の中には、二種類の人間がいる。「赤ずきん」を読んだ人間で、読まなかった人間だ。お前はそれでも後者を選ぶのか、と問いたいわけだ。これは最高にやばい物語だ。


 5位

 大体、無邪気さってものは残酷さに繋がるもんだ。読め。そして震えろ。最後に現れる〈怪物〉の姿に気付いてな。本当は連作長編の1エピソードだったんだが、独立した短編になってしまったが、それでよかったと思ってる。ホラーじゃないぜ。ただこれは怖いと思うぜ。


 4位

 創作の魔に憑かれちまったぜ。もう逃れられないぜ。最初だけ読んで、なんだ色物か、なんて思ったら、お前を色物にしてやるぜ。読んだら最後、狙い通りの大暴投に怯えて、もう怖くてバッターボックスに立てなくなるだろうな。


 3位

 タイトルは作品の顔だ。それがなければ、もうそれは顔なしだぜ。ちゃんとタイトルは作れよ。青春、っていいばかりじゃないよな。俺の青春なんて、もう……あぁやめやめ。思春期の傷口から溢れ出す、苦くも、甘い感情に浸りな。最後の一文はたぶん過去書いた中でもトップクラスに好きだぜ。


 2位

 読み返すたびによく思えてくる作品と読み返すたびに悪く思えてくる作品があるけど、これは典型的な俺にとっての前者タイプの作品だぜ。結構やるじゃん、自分。なんて思ってるぜ。


 そして第1位は、これだ!



1位

 これは俺というサンタからの、すこし早めのクリスマスプレゼントだぜ。全員に贈ったつもりだったんだが、悪い子が多いんだな、あんまり受け取ってくれなかったぜ。俺は最高のプレゼントを贈ったつもりだったんだがな。


 もうやめるぜ。もう赤くなった顔は風邪と勘違いされそうになってきたからな。主催者のふたりには多大な感謝に代えて、液晶越しからの熱い視線をおくるぜ。

 惚れるなよ。



 じゃあな。