僕が見た怪物たち1997-2018「物語から消える時、2016」①
「二流には分からない、2012」⑥【終】
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ここ数年、睡魔の訪れが以前に比べて、とても早くなった。
いまでは原稿に手を付けはじめる時にはすでにあくびが出ていて、ほとんど進まないまま眠りに落ち、気付けば翌朝を迎えていることも、めずらしくない。月の三割くらいはほぼ徹夜で、その執筆ペースに驚かれていた頃が懐かしい。焦りはあるのに、肉体は自分の思うように動いてはくれず、ただ時だけが淡々と過ぎ去っていく。時間さえあれば、なんていうのは言い訳だ。たぶんもうすこし時間があったと