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2020年11月の記事一覧

謎は、これからも続いていく。「またね」と言って ――倉知淳『ほうかご探偵隊』(創元推理文庫)感想

謎は、これからも続いていく。「またね」と言って ――倉知淳『ほうかご探偵隊』(創元推理文庫)感想

※敬称略

 小学五年生の藤原高時が、朝、教室に入ると、自分の机にもう要らなくなって教室に放置していたはずのたて笛が、真ん中部分のみ無い状態で立て置かれていた。このクラスでは先週から、要らない物が次々と消える〈不用物連続消失事件〉が起こっていて、高時は自分が四番目の被害者になってしまったことを知る。クラスの雰囲気や消失した物から〈いじめ〉とも考えづらく、不可解さばかりが際立つ事件になっていた。生徒

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