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調を制す者、音楽を制す

今回は調(キー)をご紹介します。
今の音楽は「調」をもつ調性音楽でほぼ構成されており、この調を理解することで受けられる恩恵がたくさんあります。

スケールとコードのお話が何度か出てきますので、こちらも合わせてご覧ください。

では前回の答え合わせから始めましょう。

答え合わせ

いかがでしたか?
あくまで模範解答となります。
では本題にまいりましょう。

調とは何か?


調とはと曲が特定の音階に基づいて構成される音の組織のことです。
厳密にいれば違うかもしれませんが、「ベース(低音域)がCの音で始まる曲はCの音で終わる」「ベースがAの音で始まる曲はAで終わる」という感じのとらえ方でいいと思います。

例えばこの曲

洋楽をあまり聞かない方も耳にしたことが多いと思うビートルズの『Let It Be』です。
この曲は「Cの音で始まりCの音で終わる」といった構成をしています。特定の音階に基づいてと説明しましたが、すなわち何かの音階の音でこの曲は構成されているということになります。特定の音階というのは「全音階」、すなわちメジャースケールかマイナースケールを使っていることになります。

ドの音から始まるので必然的にCメジャースケールかCマイナースケールに限られてきますが、明るい雰囲気の曲にはメジャースケール、暗い雰囲気の曲にはマイナースケールが使われます。この曲は明るいですよね?なので、Cメジャースケールの音を使って曲が構築されているわけです。

ではもう一曲

『鬼滅の刃』のOP、『残響散歌』です。
この曲は「G♯の音で始まり、G♯で終わる」といった構成をしています。この曲の雰囲気はどうでしょうか。暗いですよね?なので、G♯マイナースケールの音を使って曲が構築されているわけです。

曲に調が存在している時は、明るい調を「長調(ちょうちょう)」または「メジャーキー」といい、暗い調を「短調(たんちょう)」あるいは「マイナーキー」といいます。
なので『Let It Be』は「Cメジャー」、『残響散歌』は「G♯マイナー」という呼び方をします。

日本語では「ハ長調」「嬰ト短調」といった呼び方です(♯は日本語では「嬰」、♭は日本語で「変」といいます)。

もちろんすべての曲がこのような構成をしているわけではありません。あくまで基本的な調の構造はこんな感じなんだと認識してください。

ダイアトニックコード


曲に調が存在している時には、その曲に使われる和音(コード)もその音階の音を使ったものになります。このように音階の音だけで構成されるコードをダイアトニックコードといいます。

ダイアトニックコード

画像はセブンスコードですが、もちろんトライアドの形でも使われます。

例えば『Let It Be』の場合キーはCメジャーなので、そこで使われる和音はCメジャースケールの音で構成されています。

基本的にはダイアトニックコードを使っていくのですが、ダイアトニックコードのみで作られている曲は少ないです。そこで使われるのがダイアトニックコード以外のコード、ノンダイアトニックコードというのが使われます。ノンダイアトニックコードを使うことによって一時的な「転調」を行うことで、曲に彩を与えます。転調は曲の最中でキーが変わることですが、詳しくはまた別の機会でお話しします。

まとめ


調に関して簡単なまとめです。
①曲に調が存在する時は、特定の音階に基づいて構成されている。
②コードはその特定の音階の音のみを使って構成されている。これをダイアトニックコードという。

まずはこの二つを覚えてください。この基本構造さえ分かれば、大丈夫でしょう。
次回は調についてさらに深く切り込んでいきます・


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