調のあれこれ
今回は調を更に詳しく見ていこうかなと思います。
前回の記事と合わせてご覧ください。
短調のダイアトニックコード
例えばキーがCマイナーの場合、使われるスケールはCナチュラルマイナースケールが基本的には使われます。
よってこのキーのダイアトニックコードはCナチュラルマイナースケールの音が使われているわけです。
しかしマイナースケールにはハーモニックマイナースケールとメロディックマイナースケールもあります。これらは使われることは無いのでしょうか?
ちょっとこちらを聞いてください。
前者は「Cm→Fm→Gm→Cm」というコード進行、
後者は「Cm→Fm→G→Cm」というコード進行です。
終止感(終わった感じ)が強い方はどちらでしょうか?
どちらかというと後者の方が終止感は強いと思います。
この時の「G」コードはナチュラルマイナースケールにはない音です。これはハーモニックマイナースケールかメロディックマイナースケールの七番目の音が使われています。
短調のダイアトニックコードの5番目のコードには一時的にハーモニックマイナースケールまたはメロディックマイナースケールの音が適用されます。これはどのマイナーキーになっても適応されます。
もちろんナチュラルマイナースケールの音のままになる場合もありますが基本的には上記のことが適応されます。
転調と移調
意外と勘違いすることの多い転調と移調。これらは何が違うのでしょうか。
転調
転調は曲の最中で調が変わることです。
例としてこちらの曲を
イントロ 0:00 Gマイナー
Aメロ 0:09 Fマイナー
Bメロ 0:29 Fメジャー
サビ 0:48 Dメジャー
サビ② 0:58 D♭メジャー(ただしサビの終わりはB♭メジャーで終わる)
といった内容です。このように曲中で調が変わるのが転調です。
移調
移調は例えばCメジャーの曲をAメジャーで演奏するように、キーを別のキーに変えることを移調といいます。移調は曲中で調が変わるのではなく、最初から調を変えてしまいます。
こちらも例を出します。
上のCD音源はキーがF♯マイナーです。
下はライヴ音源ですがキーが半音下がったFマイナーになっています。
このようにあらかじめキーを変更してしまうのが移調です。
調号
ピアノを習っていた方や吹奏楽を経験されたかたは見たことがあると思いますが、音部記号の横にシャープやフラットが並んでいるものがあります。これは常にこの音はシャープあるいはフラットつけて演奏してくださいねという意味を持ちます。
例えば上の画像を例にすると、これは「ファ」と「ド」には必ずシャープを付けて演奏してねという意味です。シャープがつく順番は「ファ→ド→ソ→レ→ラ→ミ→シ」順番でつきます。
フラットの場合は「シ→ミ→ラ→レ→ソ→ド→ファ」の順番です。シャープとは逆ですね。
近親調
近親調はとある調と関係が近い調のことを指します。
関係が近いというのは例えば「ダイアトニックコードで共通のものがいくつかある。」「主音が同じ」などです。とある調のことを「主調」といいます。
近親調は4つあります。
属調
主調の完全5度上の調のことです。例えばCメジャーの場合完全5度上はGメジャーにあたります。CメジャーとGメジャーはダイアトニックコードが共通しているものが多いです。(同じコードに色をわけて丸を付けています)
下属調
主調の完全5度下の調のことです。例えばCメジャーの場合完全5度下はFメジャーにあたります。CメジャーとFメジャーも共通しているダイアトニックコードが多くあります。
平行調
主音の短3度下の調のことです。平行調は調号が同じという特徴があります。例えばCメジャーとAマイナーは調号が同じで、使われる音も同じ(ナチュラルマイナースケールを使った場合)なので互いに平行調の関係にあります。
同主調
主音が同じ調です。CメジャーとCマイナーは主音が同じなので同主調の関係になります。
まとめると以下のようになります。
遠隔調
近親調に当たらない場合はすべて遠隔調にあたります。
遠隔調は遠くなればなるほど共通するダイアトニックコードが少なくなります。
例えばCメジャーに対してEメジャーは遠隔調の関係です。
終わりに
いかがでしたか?
これで調は一旦終わりにします。
さて、たくさん音楽理論をお話していきましたが次回は少しお休みして耳コピのお話をしたいと思います。耳コピは要点さえ押さえてしまえば、あとは訓練次第でできてしまうものなのです。絶対音感ないから無理でしょと思っているそこのあなたも、訓練すればだれでもできます。ちょっとした技をご紹介いたしますのでお楽しみに!
次回↓
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