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初心者のための作曲家紹介シリーズ

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クラシック初心者の方に代表的な作曲家とその作品をご紹介します。
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初心者のための作曲家紹介シリーズ No.9 ブラームス

ヨハネス・ブラームス(1833~1897)。ドイツロマン派の代表的な作曲家。ワーグナー(1813~1883)など当時は急進的な作風の作曲家も現れた中、彼は古典的な作風を貫き通した。完璧主義であった彼は何度も作品を放棄したことも多かったが、遺された作品は傑作が多い。そんな彼の代表作を見ていきましょう。 交響曲第1番ハ短調op68ブラームス最初の交響曲で、完成までに約21年の歳月を費やした大作です。この時ブラームス43歳でした。交響曲デビューとしては遅めでしょう。 なぜこうな

初心者のための作曲家紹介シリーズ No.4 スメタナ/ドヴォルザーク

今回はチェコの国民楽派の2台巨頭、B・スメタナ(1824~1884)とA・ドヴォルザーク(1841~1904)をご紹介します。国民楽派とはロマン派の時代に民族主義的な音楽を作った作曲家の総称です。チェコの国民楽派の先駆者となったスメタナ、その後継者ともいえるドヴォルザーク。彼らが遺した作品を見てみましょう。 スメタナ編交響詩『わが祖国』 6つの交響詩からなる連作交響詩で、特に2曲目の『モルダウ』は有名なものです。 日本では合唱曲に編曲されてもいますね。私が学生の頃は音楽の

初心者のための作曲家紹介シリーズ No.5 シューベルト

F・シューベルト(1797~1828)。31年の短い生涯の中で、歌曲をはじめとしてたくさんの名作を遺したロマン派初期の作曲家。そんな彼の作品の一部をご紹介します。 交響曲編 交響曲第7(8)番ロ短調D759 シューベルトの代表作の一つ。交響曲は基本的に全4楽章で構成されていますが、この作品は第2楽章までしか完成されていない未完成作品です。『未完成』の愛称で呼ばれることもあります。第3楽章は一部のオーケストラスコアとピアノスケッチしか遺っていません。第4楽章においては見つ

初心者のための作曲家紹介シリーズ No.6 メンデルスゾーン

F・メンデルスゾーン(1809~1847)。ロマン派を代表する作曲家。38年の短い生涯の中で、たくさんの名作を遺していった。そんな彼の作品はどのようなものなのか、見ていきましょう。 交響曲編交響曲第4番イ長調作品90 メンデルスゾーンの交響曲の中では親しまれている作品。彼は交響曲を5作品遺しているが、番号は出版順なので実際に作曲された順番は1番→5番→4番→2番→3番となっています。奇数楽章は長調、偶数楽章は短調となっている構造で、第4楽章にはイタリアの舞曲「サルタレロ」

初心者のための作曲家紹介シリーズ No.7 サティ

E・サティ(1866~1925)。フランス音楽界きっての変わり者。インパクトのある題名と独自の作風を産み出し、ドビュッシーやラヴェルに影響を与えた。そんな彼の作品はどんなものだったのだろうか。では見ていきましょう。 ジムノペディ第1番サティの作品では一番といっていいほど知られている作品。ジムノペディは全3曲遺されています。作品の名称は古代ギリシアのアポロンやバッカスなどの神々を讃える祭典「ギュムノパイディア」に由来しています。 ジュ・トゥ・ヴ元々はシャンソンとして作曲され

初心者のための作曲家紹介シリーズ No.8 ラフマニノフ

S・ラフマニノフ(1873~1943)。ロシアのピアニスト、そして作曲家。彼自身卓越したピアノ奏者であったため遺された楽曲は超絶技巧を求める作品が多い。年代的には無調音楽が現れ始めた時代だったが、ラフマニノフはロマン派的な作風を貫き通した。彼の遺した作品はどのようなものなのか、見ていきましょう。 管弦楽作品編交響曲第2番ホ短調作品27 ラフマニノフは交響曲を3作遺しているが、この第2番が圧倒的な知名度を持ちます。 自身のピアノ協奏曲第2番の成功により、交響曲第1番での失敗