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初心者のための作曲家紹介シリーズ

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クラシック初心者の方に代表的な作曲家とその作品をご紹介します。
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2022年7月の記事一覧

クラシック初心者のための作曲家紹介シリーズ ベートーヴェン

L.V.ベートーヴェン(1770~1827)。ドイツ生まれの作曲家。難聴を患いながらも名作を世に残していった。そんな彼の作品の一部をご紹介します。 交響曲編 交響曲第9番ニ短調op125 日本では「第九」の名称である作品。交響曲という器楽曲のジャンルに合唱と独唱を取り入れた、当時としては型破りな作品です。ベートーヴェンの作品としては大規模なもので約一時間以上ある大作です。 44:02~からあの有名な旋律が現れます。 交響曲第5番ハ短調op67 日本では「運命」の名称で

クラシック初心者のための作曲家紹介シリーズ No.2 ショパン

F・ショパン(1810~1849)。ポーランド出身の作曲家。作品のほとんどがピアノ独奏曲であり、同世代のリスト(1811~1886)と並んでピアノ演奏の発展に貢献した。そんな彼の代表作の一部をご紹介します。 協奏曲編 ピアノ協奏曲第1番ホ短調op11 ピアノ協奏曲第2番ヘ短調op21 ショパンの遺した2つの協奏曲。第1番の方が演奏される機会が多い。作曲順は第2番→第1番となっている。他の作曲家のピアノ協奏曲と比べてオーケストラの扱いが問題視されているが、親しみやすい旋律が

クラシック初心者のための作曲家紹介シリーズ No.3 ラヴェル

M・ラヴェル(1875~1937)。フランス出身の作曲家。卓越した管弦楽法と響き豊かなピアノ作品によって名声を確立した。多作家ではなかったものの、遺された作品は傑作が多い。そんな彼の代表作の一部をご紹介します。 ピアノ作品編 古風なメヌエット ラヴェルの作品で初めて出版されたもの。この前にも作曲された作品はあるが、実質デビュー作と言える作品でしょう。主題は裏拍から始まり、リズムが複雑。 1929年ごろには作曲者自身によってオーケストラ編曲が施されている。これはラヴェルにと

初心者のための作曲家紹介シリーズ No.4 スメタナ/ドヴォルザーク

今回はチェコの国民楽派の2台巨頭、B・スメタナ(1824~1884)とA・ドヴォルザーク(1841~1904)をご紹介します。国民楽派とはロマン派の時代に民族主義的な音楽を作った作曲家の総称です。チェコの国民楽派の先駆者となったスメタナ、その後継者ともいえるドヴォルザーク。彼らが遺した作品を見てみましょう。 スメタナ編交響詩『わが祖国』 6つの交響詩からなる連作交響詩で、特に2曲目の『モルダウ』は有名なものです。 日本では合唱曲に編曲されてもいますね。私が学生の頃は音楽の

初心者のための作曲家紹介シリーズ No.5 シューベルト

F・シューベルト(1797~1828)。31年の短い生涯の中で、歌曲をはじめとしてたくさんの名作を遺したロマン派初期の作曲家。そんな彼の作品の一部をご紹介します。 交響曲編 交響曲第7(8)番ロ短調D759 シューベルトの代表作の一つ。交響曲は基本的に全4楽章で構成されていますが、この作品は第2楽章までしか完成されていない未完成作品です。『未完成』の愛称で呼ばれることもあります。第3楽章は一部のオーケストラスコアとピアノスケッチしか遺っていません。第4楽章においては見つ

初心者のための作曲家紹介シリーズ No.6 メンデルスゾーン

F・メンデルスゾーン(1809~1847)。ロマン派を代表する作曲家。38年の短い生涯の中で、たくさんの名作を遺していった。そんな彼の作品はどのようなものなのか、見ていきましょう。 交響曲編交響曲第4番イ長調作品90 メンデルスゾーンの交響曲の中では親しまれている作品。彼は交響曲を5作品遺しているが、番号は出版順なので実際に作曲された順番は1番→5番→4番→2番→3番となっています。奇数楽章は長調、偶数楽章は短調となっている構造で、第4楽章にはイタリアの舞曲「サルタレロ」