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科学(化学)とビジネス、方程式と変数

だいたい3-5分くらいで読めます。


1. 粗い、粗いなぁ。

ビジネスの組み立て方ってほんとうにものすごく粗いんですよね。科学しようとすると、本当に適当過ぎてびっくりすることが多いです。私は科学者ではないので、本当の科学者からするとお叱り受けると思うのですが。

一方で、研究者、哲学者がビジネスを論理的に語ろうとすると、これまた難しいです。実践をしている人たちからすると全く理解できないことが増えていき、日々、目の前のことに精一杯の多くのビジネスマンからすると、英語と同じで理解できないことが多すぎると全体を理解することを諦めてしまいます。

ビジネスを方程式にしようとした際に、「変数」となる部分がとっても大事になります。で、よく、「ビジネスなんて不確定要素が多過ぎて方程式になんてならない」とか「細か過ぎていちいちそんなこと検討してられない」という類の反応やリアクションをいただくことがあります。

2. 再現可能な真理に近づける意味を込めて方程式を作る。

マホラ・クリエイティブでは、「変革の方程式」であったり「価値の作り方」であったり、「大企業での新規事業のつくりかた」だったり、「アイデアのコツ」「ファシリテーションの仕方」「デザイン活用での製品開発」などとにかくビジネス概念の要素を因数分解し、変数をもとに方程式と呼ぶ形で整理しています。厳密には、しっかりとした方程式になっていないことの方が多く、再現可能性をできるだけ高める努力をしているに過ぎません。しかし、特徴としては、実践することを最優先に、使えるビジネスの方程式を作りたい、と日々努力しています。

ですので、例えば「ファシリテーション」一つにしても雰囲気や形、要素をただ、横並びにズラッと並べて説明しているわけではありません。そういう類のものとは一線を画すプライドをもってビジネスの変革をお手伝いしています。

まぁ、ゆえに要素や組み合わせ方をパクられて平気で「オリジナル」っぽく類似されてしまうこともあるのですけどね。特許のようなものはないですから。パクるってことに関しては、日本のビジネスマンは結構、レベルが低いというか平気でオリジナリティを蹂躙してくる人たちが多い印象です。他国ですとそこには活用するためのリスペクトを感じることが多いです。

3. 変数をずらすのと、中身の粒度を調整するのは全く違う。

ところで、先にいただいた指摘の中で本質的に種類が異なるものがあるなぁ、と思ったりするわけです。

変数を確定させるという前提で、その「中身についてを、いちいちステップごとに、最初から最後まで説明する」のはあまり意味がないなぁと思っています。
特にビジネスの成功要因を探り、少し高い次元で物事を見なければいけないときはなおさら、一つ一つの事象には、時と場合、や、たらればの条件が入るので、そこはそもそも詳細に説明する必要がない、または、時間がいくらあっても足りないと思うことが多々あり、この部分は、ほとんど要らないと感じます。
ただ、現場でオペレーションする際には、一つ一つ、事細かに指示し、行動することが推奨されます。

しかし、このビジネスの成功要因を探る、という観点では、ビジネス領域を因数分解し、要素を特定した上で、関連性を見出すことについて、もしもその要素に少しでもズレが発生してしまうと、ここは、再現性の問題ですので、やり方、成果の出し方、成果そのもの、に大きなズレが発生します。

その上でこの要素について面倒くさがったり、端折ろうとするのは、それはもう、ビジネスで結果を出すことを諦める、ことと同義なくらい愚かだと思います。

よく、若い子がエグゼクティブ前でプレゼンする時も、前者の説明が圧倒的に多く、役員やリーダーは、その説明を聞いていません。その代わりに、説明している内容のメタ情報を理解し、後者の内容に転換をして、話している内容においてビジネス上の変数にズレがないかどうかだけを見ています。

ですので、たまに私も「なんでこんなに細かいところまでいちいち指摘してくるんだろう?」と面倒がられる指摘をする場合がありますが、それは、変数がずれてしまうことを恐れての指摘がほとんどです。
具体的な中身については本人のこだわりだったり、対応すべき時間と質のトレードオフだったりしますので特にこだわりはありません。

この部分の違いを理解できるかどうかで、一流の仕事ができるかどうかが違うとすら思っています。

4. Breaking Bad の化学者が本気で作る純度と弟子の師匠越え

Netflixで見ることができる、「ブレイキングバッド」というとても人気シリーズのドラマがあります。

下記、superdramatv.com より引用


この物語で、とある冴えない高校化学の先生が、いろいろあって(端折りすぎだろうwww)メスという麻薬製造に深く入り込んでていくわけですが、内容はめちゃんこ面白いので興味があればぜひ、ご覧になってください。人気ドラマ「24」くらいシリーズ展開されているので観るなら気合い入れて時間確保してくださいね!

今回、言いたいことは、あまりドラマの中で強調されていない観点かもしれません。引用する内容としてこのドラマが最適なのか、ということはいかがなものかということもあるのですが。。。

いわゆるギャングたちが普通に作ると純度60%がいいところ、40%くらいの「出来の悪い」ものが普通に横行している麻薬業界の中、なんとこの先生は、化学のエキスパートとして参入し、90%程度の高純度のブルーメス(純度高過ぎて「青い色」)という製品を作ってしまうわけです。それが故に、危険にまきこまれ、また、彼を中心に物語がドラマティックに動いていきます。

さらに、端折りまして、製造環境を整えることにより、その純度を安定させ、常に93%程度の純度を叩き出します。それはもう他に類を見ないクオリティ。だからこそその製品の利益が跳ね上がります。

そして、もう一人の主人公である、元々、この高校教師にメスの作り方を教えるきっかけをつくる麻薬調理人は、本当に心が弱く、人間らしいダメダメだけど同情したくなる青年なのですが、彼は、初めチリパウダーをまぜてしまうような化学知識がない状態。周りの低品質よりは多少良い製品を作れるため麻薬調理人として有名ではあったのですが、師匠となっていく先生の足元にも及びません。しかし、紆余曲折あり、最後には、この化学のスペシャリストである先生の純度を超えて、96%を叩き出す傑作を生み出せる力量になっていきます。

*あくまでもドラマの中での話であり、常に現実にありうる危険であり、どんなことがあろうとも、危険の真っ只中にある薬物は絶対にダメです。ダメ、ぜったい。ドラマをみて、良い子は真似しないことを心に強く誓いましょう。

ドラマではさらっとしか描かれていませんが、終盤のクライマックスに近づく中で、師匠である元高校教師は、純度96%を叩き出せるほどの弟子の力量を知り、微笑ましくも最高だった自分を超えていかれる複雑な心境を浮かべる瞬間があります。
(Breaking Bad の引用終わり。)

化学における方程式とは、すなわち再現性です。だれがやっても一定の成果が出る。そして探究を続けるとその厳密性や正確性により成果はより高品質な方向へ向かいます。

メスを作るというのは本当に関心しないことですが、ビジネスにおいても、この方程式は純度を意識した際にとても大事な要素だと感じます。

5. たった1mmの努力、0.1%の向上を狙えるか

オリンピック選手やプロのアスリートなどになると、足の感覚、手の感覚、目の動き、体の作り方、など、たった1mmを向上させるために、0.1%の向上のために、数年を費やして文字通り血の滲む努力をしていく。才能は当然ですが、この努力をすることが成功の条件になるほど弛まぬ努力をしていくのを我々は目にすることがあります。

職人さんなども同様。この「プロ」と呼ばれる人たちには必ずと言っていいほど、自分独自の地図や方程式を持っています。それは努力の方向性を間違えないために。

みなさんは、みなさんの組織や会社は、成功のためのビジネスの方程式をもっていますか?それはどのような条件と環境で使うと最も効果が上がるのだ、と言葉で説明できるでしょうか?再現可能な状況を目指して、日々、努力をしたいものです。

弊社では、コラムやメールマガジンにてこの「方程式」を一緒につくりあげていく仲間や企業の皆様への発信を行なっています。

https://www.mahola-c.com/overseas01/

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