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思想を語れるのはツワモノだけなのかもしれない・澤屋まつもと守破離五百万石 後編

どうもこんばんは、りょーさけです。
今日は朝飯を抜いて昼に重めのラーメンを食べたら重すぎたようで、午後を殆ど眠って過ごしました。っていうかまだ腹に油残ってる感じがする。
なんかいつもと違うぞ…?美味しかったけど。

さて話題は澤屋まつもとであります。京都の日本酒。
これは五百万石という日本酒を醸すようのコメを使ったお酒です。お手頃価格で4合瓶で1200円ちょい。

コストパフォーマンスという言葉で片付けるには惜しいくらいのクオリティです。うまい。(ただ、今回のロットは若干いつもしない香ばしい香りがしておりますが…。)

この酒を飲んで思ったことをできるだけ端的に書きます。

思想を語れるのは、技術を極めたツワモノだけなのかもしれないってことです。言いたいのは。まあすでにタイトルでいってしまってるんですけどね。

澤屋まつもとはこの言葉をよく裏ラベルに掲げています。
「原料にまさる技術なし」これです。

すごい言葉です。
パッとみ「ん?ワインよりの蔵なのかな?(ワインは日本酒以上に原料のぶどうにかける熱意がすごいのです。というのもワインは日本酒よりも素材であるぶどうの個性がそのままお酒の個性に直結するからなのです)」とかって思われるかも。
それくらいに日本酒の世界では「原料<技術」という考え方が強い。

そんな中で「原料こそが…」といってしまうわけです。
その勇気自体にも敬服モノなのですが…。

それを言えるというのはどういうことなのかをちょっと考えてみましょう。
原料の良さを、個性を最大限引き出していると言えるためには何が必要なのか。

シンプルですが、それは技術です。

技術が完璧でなかったら、つまり毎回安定していなかったら「このお酒にはコメの個性が反映されている」とは言えないからです。


ちょっと分かりづらいかな。あの手この手で考えていることを伝えます。

コメの個性が「人の手でどうにもならない自然がもたらすもの」だとします。それを純化した形で表現するためには「人の手つまり技術によってもたらすことができるもの」を毎回表現し尽くす必要があるのです。

ああまだ分かりづらいかなあ。

例えば白紙に黒ペンで絵を書いて書きたいものを表現する方法がありますね。や、普通に絵を書くってことです。
それとは違って、黒ペンで必要のない部分を塗りつぶしてしまってのこった白地で書きたいものを表現するという方法があります。

このときの黒地が技術、白地で浮かび上がってくるのがコメの個性です。
澤屋まつもとがやろうとしているのはそういうことだと思います。

(なんて回りくど言い方してるんだろう、とも思いますが今の私の限界ですごめんなさい。わかんなかったらそう言ってくださいまた書きますから。)

去年までは裏ラベルでここまで強い言い方をしていなかったのです。

ちょっと見づらくて申し訳ない…私のインスタのスクショです。ちゃんと撮っておけばよかった。


「富山県南砺で最高の五百万石がとれるから使用している。このお米は素晴らしい。」、というニュアンスの言葉が書いてあります。

これと比べて、今年のやつは言葉が強くなっています。

↑さっきの画像と同じなんですが、よかったらよく見てみてね。

「技術だけでは表現できない領域がある」とはっきり書かれています。
これはすごいことなのです。

日本酒づくりにはイレギュラーな側面が多くあります。
ちょっとした気温の変化、仕込みのときのコメの蒸し方、その後の温度管理…そういった幾多の場面を乗り越えて安定した酒を作る困難さは計り知れません。少しの入力の差がとてつもなく大きい出力の差を生むのです。

そこで澤屋まつもと守破離は「技術だけでは及ばないところ(=米の個性)を表現する」と言い切る。

これは単に良い原料を使っているという宣言ではなく、「その最高の原料の個性を毎回引き出すだけの技術に自身があるぜ!」という最高に格好のいい宣言なのです。

澤屋まつもとに限らず「コメの美点を表現する」「うちの土地の素晴らしさを酒に込める」とおっしゃる蔵はいくつもあります。
それらをただの営業文句と受け取ってはいけません。

それは多少の営業文句であると同時に「うちにはそれを表現するだけの安定した高度な技術があるんだよ!」という影のアピールであると受け取ったほうがいいと思います。

自信と実績をもった気高い魂の叫びなのです。それは。
誰もができることではありません。

若干読みにくい部分もあったかも思います。

思いますが、ひとまず覚えていてください。

澤屋まつもとの「原料に勝る技術なし」は自信と誇りに満ちた素晴らしい理念であると!

澤屋まつもとにかんぱい!!!

酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。