見出し画像

中華まんのうた


印象的だったのは中学の時で

帰り道にこれを食うやつは

尊敬の眼差しで

見られてはふっと 笑顔になってた

だいたい彼女もいる なんでだ

(根も葉もない 愛のある話です)
 
 

いつだったかあんまんばっかり

どかどかドカドカ と

注文してたおじいさん

は きっと糖尿か高血圧で

今際にもあんまんを食べる

(いいなあ いいなあ)
 
 

三歳児 ピザまんで当惑

豆のように固まった

固形チーズを

イタリアの広場で食む

鳩のよう ボンジョルノ

(なんじゃそら の 空のもと)

長く湿った渡り廊下で

あの子をまたせた色男

キーマカレーまんをもって

さっそうと登場

「これじゃあ、キスもできないじゃない」

茫然自失の3秒後

銀河の果に向かって 遠投

(異星人 胃 ロマンチックなど)
 
 

一方の僕は

雨の中肉まんをほおばって

感慨にふけっていて

全くアホらしく

あるいは全くいじらしく

生地をころがす 口の中でそっと

「うまいな」

と思いながら

蔦屋で借りた下世話なディスクを

頭の中で再生させていたりして

(日々是好日哉)

歩いていた 道の上 うたいながら













酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。