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いつかのための詩集

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どこかで酒と出会うための詩集。
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2019年12月の記事一覧

ダンス・インスタント・ダンス

ダンス・インスタント・ダンス

踏み潰してくれ
どうせまた緑は湧くから
殴り倒してくれ
血が失くなっても起きるから

今日も善人は井戸端会議
光る互助会
踏み潰してくれ
頭の中では踏み潰す側

氷の大地はヒビが割れてく
噂話に日々は割れてく
寂しくない風味
グラスの上に漂う 幻?

踏み潰してくれ
どうせまた緑は湧くから
殴り倒してくれ
血が失くなっても起きるから

きらきらとした
蝶の水底へ泳いでいく
さらさらとした
きみの態

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ある日のデッサン:背景のバイオリズム

ある日のデッサン:背景のバイオリズム

あなたが描く絵のひとつになって
川のほとりで桜を見ている
ここには誰もいない
風が心地いい
右手に花弁

左手に魚
ここは冷たい
爪まで温度を感じる
液体の中を上の方へ上の方へ
水草が絡まっていく 乱反射する水の上空

裏路地はパレットになって大通りをくすぐる
銀杏並木に自転車が拍車をかける
ランドセルくらい多様な木の葉
蹴っていく 駆けていく
大きな鳩が眠る道草

ここを通る風に名を付ける
誰も

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日常の蛇、朝に開花する

日常の蛇、朝に開花する

ぼくはいったいどこへいけるだろ
おぼつかない足は二の足を弱々しく
紺碧の空 星は少なく
うねる黄金色の蛇 どこまでも
赤い血が生命感を持って明滅する
決してとどまることのない
個体と個体がなす金色の蛇 自由律
右へ左へ どぎつい南北
目が回るようだよ 北極星はどこ
やがて引き裂かれる胸と
光が残ってる瞳を持っている
(在庫過多)
ため息は白くなったろう 外であれば
ここは車中で厄介なことに暖房がき

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