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ある日のデッサン:背景のバイオリズム

あなたが描く絵のひとつになって
川のほとりで桜を見ている
ここには誰もいない
風が心地いい
右手に花弁

左手に魚
ここは冷たい
爪まで温度を感じる
液体の中を上の方へ上の方へ
水草が絡まっていく 乱反射する水の上空

裏路地はパレットになって大通りをくすぐる
銀杏並木に自転車が拍車をかける
ランドセルくらい多様な木の葉
蹴っていく 駆けていく
大きな鳩が眠る道草

ここを通る風に名を付ける
誰も傷つけない風 わたしを貫く
髪飾りを直す女学生みたいな表情をみせて
笑わせる 笑われる 笑わせる 笑っていく
ここに来られて本当によかったと手紙に書いておこう

肩に力を 手に汗を まっすぐ前を向く 口角を上げる 目を開く
何事も最後はいっぺんにやらなければならないと 祖父
なんでそんなこと 思い出したのだろう わたし
あなたが描く絵のひとつになって
呼吸を忘れるほどに 熱く


酒と2人のこども達に関心があります。酒文化に貢献するため、もしくはよりよい子育てのために使わせて頂きます。