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#アクション
妖眼のフルール・ド・リス 第4襲「灰に帰れ ――アッシュ・ナッシェ――」
私と、アルム、ハイネはゼネからの依頼を受けてフォレス山のふもとを目指して馬車を走らせていた。
本当はヴェールに転移魔術を使って、問題の場所付近まで転移してほしかった。
しかし2日前、食堂〈ニヤの尻尾〉が全焼し、マスターもお亡くなりになった悲しい事件が起きてしまった。
なので、遠い港町で修行しているマスターの娘のところまで報告しに出かけたそうだ。
それはもう――朝早くに……。
――
妖眼のフルール・ド・リス 第3襲「朝焼けの中で ――サン・ライズ――」
――――現実世界の思い出が甦る。
誕生日なのに本当のママ、パパには祝って貰えなかった。
けれど夜、おばあちゃんがケーキを買ってきてくれた。
一緒にロウソクの火をありったけの息で消そうとした。でも、なかなか消えずに二人で困っていた。
窓からやさしい風が流れ込む。
その風が全てのロウソクを消してしまった。
当時の私だったら悲しかったけど、今、思えば友達が消してくれたんだと思う。
妖眼のフルール・ド・リス 第2襲「仮面の殺戮者 ――スマイル・イン・マスク――」
【送文記録:1件】
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
「おっ昼ー! おっ昼ー!」
ヴェールは元気よくスキップしながら昼食を楽しみにしている。
ギルド〈デイ・ブレイク〉御一行はアジトから出て昼食を食べる為に魔術王都マナ・リアのメイン通り、マナ・ストリートを歩いていた。
マナ・ストリート――中央にそびえるマナ・リア城入口から広がる大通りで商業区域が広がっている。
肉質のいい肉が揃っている肉屋から、
妖眼のフルール・ド・リス 第1襲「邂逅 ――スタート・ストーリア――」
突如、目の前に謎の白い光が現れた。
おばあちゃん家の絵本で見た光の絵と似た綺麗な光。
右手で触れるととても暖かく、
両手で触れるともっと暖かい。
そんなやさしい光に――私は飛び込んだ。
視界に広がる世界。
それは、空では絵本でしか見たことない竜が青空を飛んでいた。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
【――――魔術王都マナ・リアにて】
「ありがとうございます! ありがとうございます