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【 #ミリアニネタバレ感想 】嵐さえあなたたちらしく【第1幕・第4話】

 こんにちは、あるいは初めまして。
 先の日曜日に放映&配信されたミリアニ第3話、改めて見てみると、百合子は先輩として張り切るシーンより、持ち上げられて引っ込みが付かなくなっているシーンの方が多い感じでしたね。劇場で見た時の感想をテレビ放映の前に発表するということをしていると、放映が答え合わせのようになってソワソワしてしまいます。とはいえ、そんな時の百合子が見せる引きつった笑顔の表現たるや! 既に百万回は言われたであろう「3Dアニメでここまでできる(やる)なんて」という言葉が出てしまいます。
 また、見返せば私がつらつら書いた先輩・後輩にまつわる文章は、作中で伊織が言った「一緒にステージ立つんだもの、いつまでも先輩後輩じゃないわよ?」というセリフに凝縮されていたのでした。まったく、大切なことをさりげなく言ってくれるんだからな~、敵わないな~!
 そんな第3話から続く第4話、最大の見どころは……
《学級会とも呼ばれる話し合いのシーン。次回予告ではアイドルたちの不穏な様子が暗示されていましたが、それをどう収拾するのか……のみならず、曇っていく過程にさえもミリオンライブがぎゅっと詰まっています!》
 それでは詳しく感想を書いていきます。ミリアニを未視聴の方へのネタバレおよび、ミリアニは見たけど他の作品はこれから、という方への匂わせがありますのでご注意下さい。
※10/31追記:改めて書きますと、この記事は元々「劇場先行上映の記憶を頼りに、第4話が放映される前にその部分の感想をまとめたもの」でした。そのため事実と異なる記載が随所にありますが、テレビ放映を見て誤りに気付いた部分について、最後にまとめて注釈を付けてあります。

【あらすじ:「待ちきれないなら、私たちから迎えに行っちゃうのはどうかな!?」未来のその言葉の真意は、ミリオンスターズが集まり劇場前の原っぱで手作りのライブを開催することだった。彼女は早速仲間たちにアプリでメッセージを送る】
 メッセージの届いたスマホを持ち上げたのはエミリー! 彼女のスマホは自分のイメージカラーの紫色で、他のアイドルたちのスマホも多くが自身のイメージカラーでした。そして未来のメッセージがプロデューサーのPCからも閲覧できていることを考えると、ミリオンスターズは全員社用スマホを持っているようですね。莫大であろう劇場の建設費に加えて、37人分(この時点)のスマホを一度に用意するとは……ライブシアタープロジェクトはやはり765プロにとって一大事業であるようです。
 やがて原っぱライブの情報は独り歩きし、アイドルたちがそれぞれ好きな企画を実行する、みたいに受け取る子も。環の「原っぱで虫捕りがしたいぞ!」という言葉に、ひなたは「あたしも行こうかなぁ、じいちゃんの畑でよくやってたからねぇ」と答えていますが…… ”捕った虫をどうするのか” についてはちゃんと話し合っておきなよ?(真顔)
 その中には、プロダクションの関与しないところでライブの企画が進んでいることについて、プロデューサーに詰め寄る桃子の姿も。(※1)第1幕の劇場上映後、このシーンで桃子がPを「お兄ちゃん」と呼んでいるのを聞いてこの2人は実の兄妹だと思った、というミリオンミリしらな人の感想を見て、目から瑠璃色金魚のウロコが落ちる思いでした。そうだよな~、女の子が知り合いの男性をお兄ちゃんと呼ぶことなんてあんまりないよな~! ミリオンへの理解が深く、お兄ちゃん呼びを自然に受け入れている制作陣だからこそ説明不足になってしまった、パラドックスのような現象でした。
 一方、ロコは制作中のロコアートをさらに巨大で混沌とした形に作り替えていますが……その向こうに見えるのはどんよりとした曇り空。これはもう嫌な予感をひしひしと感じちゃうね。みらしずつばさが知り合いから借りたビールケースでステージを作り終えるやいなや、予感した通り激しい雨が降り始め、ロコアートもあえなく壊れてしまうのでした……

【この雨を機会に、ミリオンスターズは劇場のステージ前に集合し、原っぱライブについて改めて議論する。美奈子や奈緒、茜らは乗り気だが、桃子は「プロとして中途半端なものを見せるべきではない」として反対。彼女に同意し、本来のステージに向けたレッスンに集中した方がいいと述べるオンライン参加の志保など、消極的なメンバーも現れる】
 最初の提案からここに至るまで、多くのアイドルがいろいろな反応を返した上、こんなドロドロの地面じゃあ原っぱライブなんてできないよ……と言わんばかりの雰囲気だったので、当日までもう時間がないんです! な状況かと思っていましたが、まだ未来がメッセージを送ったその日の昼過ぎだったんですね……(※2)ってそんなことより。

【かたくなな桃子にからかうような口調で奈緒が話しかけたことで、桃子の不満が爆発。気まずい雰囲気で話し合いは解散となり、未来と桃子は特に深く落ち込んでしまう。独りで廊下のベンチに座っていた桃子だったが、瑞希がやって来てマジックを披露する。さらに育、ひなた達は友達として桃子と話し合おうとする。桃子を気遣う人が集まってきたのを見て、心配していた琴葉もまつりとともに安心するのだった】
 長々とあらすじを書いてしまったけれど、この流れが本当に素晴らしいのです。よかれと思って出した提案が反発を受けるという厳しい状況ですが、桃子もあくまでプロ意識ゆえ手放しでは賛成できないという言い方なので、ヘイトが溜まるような形ではない。その後を受けた志保しかり、普通のレッスンすら十分に受けられていないから自信が持てないとする紗代子&可憐しかり、お客さんが演者の家族や友達ばかりにならないかとドルオタの視点から危惧する亜利沙しかり……桃子以外にも複数のメンバーがネガティブな反応を見せています。そして反対派の急先鋒みたいになってしまった桃子のもとにも、彼女をほっとかない仲間が何人もやって来て……要するに、桃子一人だけを悪者にはしないという温かい意志がここにはあります。しかもそれはミリオンスターズのメンバーの個性と関係性から自然な形で生まれ、一つの流れとなっているのです。この子ならこんな時どうする? あるいは、あの子がこうしたらどう反応する? そんなイメージが10年分蓄積した今だからこそ描けたミリオンスターズの絆の形であると感じました。

【未来と静香、翼のもとにはプロデューサーが訪れる。彼は未来の本音――デビューを待ちきれない仲間たちの姿を見ていたら、何かをせずにはいられなかった――を引き出し、受け止める。翼のアシストにより、2人のやりとりは劇場内の仲間たちにも伝わっていた。こうしてミリオンスターズは原っぱライブという一つの方向を見据えるのだった】
 先走って失敗しちゃったと沈み込む未来に対し、失敗してもいいんだと優しく伝えるプロデューサー。ほんとそれ。14歳の中学生で、アイドルのタマゴで、可能性でしかない未来ちゃだもん、どんどん失敗していいんだよ。(※3)思えば今までずっと翼を初め、ロコや茜といった我の強い子たちに振り回されてきたPですが、ここに来てようやく自分の担当アイドルたちと正面から向き合えるようになりました。成長したな……ただぁし!!

「G♡F(ガールフレンド)」より。ほんとにね

 それから、話がまとまり始めたところでもう一度桃子に絡みに行った奈緒がグッジョブ! さっきは裏目に出てしまったけれど、グイグイ距離を縮めていくコミュニケーションスタイルが彼女の魅力ですね。これぞ大阪人ノリ……なのかは知らんけど!
 第2話と同じように勝利を暗示する美しい夕焼け(※4)を見ながら、今回はこの辺りで! 第5話に続きます!

※1:みらしずつばさは美咲の目の前で、Pに手作りのライブをやりたいと報告しているので、プロダクションの関与しないところで……という表現は正確ではありません。一部のアイドルたちの間では話に尾ひれ背びれが付いていっていることに、Pや美咲はなかなか気付かなかったので、リョウタ氏、その辺りを混同したようです。なお桃子の正確なセリフは以下の通り。「こんな急な話無理に決まってるじゃない! お兄ちゃん、芸能界を甘く見てるんじゃない? 桃子はプロなんだから、中途半端なステージは絶対イヤ!」
※2:未来が原っぱライブの提案を送信したのは、百合子たちと一緒に夜景を見た直後。今回のストーリーはその翌日の出来事だと思われます。
※3:未来とP、さらには登場人物全員、実は誰も「失敗」という言葉は使っていません。未来は自分の提案がきっかけとなって劇場の雰囲気がギスギスしてしまった現状をネガティブに受け止めていますが、失敗という表現はしていない。一方Pも、成功・失敗以前に、未来が仲間たちの気持ちを汲んで自分から提案をしてくれたこと自体を肯定しています。
※4:確かに雲は多少赤く染まっていますが、このシーンでそれ以上にフォーカスされているのは空に架かる虹。……ハッ! もしかして、ミリオンスターズが一致団結したことを、多くの色がグラデーションする虹として表現しているならば……冒頭、彼女たちが色とりどりのスマホを持っていたことは伏線だったのかぁぁぁッ!?

☆なぜか先んじて書いた第5話感想&前回第3話感想↓ 

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