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デジタルとフィルムの狭間にある”instax mini EVO”が心を奪っていく理由を5つ考えてみた

こんにちは、りょんりょんです。

12月3日にFUJIFILMから発売された新商品、みなさんはもう手に入れられたでしょうか。

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instax mini EVOです。
周りの競合メーカーがバチバチの最新機種を出している中、まさかチェキカメラを打ち出すなんて・・・痺れますね(褒めてる)

私は今までチェキカメラというものを使ったことがなく、特にチェキを渡すような友人がたくさんいるわけでもないのですが、完全にこの見た目の可愛さとプロモーション動画に心奪われて、気付いた時には買ってしまっていました。
もしまだプロモーション動画を見られていない方がいましたら、買わなくてもいいのでぜひ見てみてください。見たら買うことになると思いますが。↓↓↓

https://instax.jp/mini_evo/ (FUJIFILM 公式HP)

さて、そんなEVOを「ちゃんと使っていけるだろうか、ハマらなかったらどうしよう」と恐る恐る使ってみたのですが、使えば使うほどその魅力の沼に深く深く引きずり込まれることになってしまいました。
極端な話、日常記録としてのカメラはこれだけあれば十分というのが正直な感想です。

今回はこのカメラを使ってみて思うことを、週末に友人と行った長野旅行の写真を添えて述べていきます。

①見た目の可愛さ

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最初はこのクラシックな見た目に言及せざるを得ないでしょう。長方形型に収まりシルバーとブラックでレトロなフィルムカメラを思わせるこの見た目に心躍らせた方もいるのではないでしょうか。X100Vと見た目も多少似ていますね、私はこのタイプのカメラが好きなのかもしれません。

大きさ的にはL版(89mm×127mm)の写真とほぼ同じサイズです。横持ちでも片手で十分持つことができます。レンズも飛び出していないので冬用アウターのポケットならすっぽりと収まってしまうのです。ちょっとした外出でもポケットに入れてしまえるので邪魔にもなりません。

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そして最大のポイントはプリントレバーです。可愛い・・・可愛すぎる・・・。
何がいいって音。ゆっくりと引いた時に響くキリキリキリ・・・と言う音がプリントレバー連写欲を加速させます。味わいたくなったら電源をオフにして引きましょう。何枚チェキフィルムがあっても足りません。

ボタンも少なく最低限必要なだけ。シンプルな見た目を邪魔せずスタイリッシュです。ちなみに電源ボタンが前面にあるので、上面で慣れている私はここで1人困ってました。説明書を読まないバツですね。

②デジタルとしての性能の高さ

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今回のEVOは「デジタルとフィルムのハイブリッド」と言うことでデジタル面が強化された仕様となっています。メニュー欄を見て驚いたのですが、顔検出機能にBluetoothなどミラーレスカメラに搭載されているような機能が入っています。ほんとにチェキかこいつ(褒めてる)。

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フラッシュやセルフタイマーはもちろん、露出補正にホワイトバランス調整も付いています。ホワイトバランスはさすがに数値入力のケルビン変更はできませんが、オート含め7パターンあるので安心。露出補正も好みの明るさに変えられるのは嬉しい。

最大の魅力である「レンズフィルター10通り×フィルムフィルター10通り=100通りの表現」はもうたまりません。これをいじるだけで時間が過ぎていきます。自分の好みのフィルムやレンズエフェクトを見つけることも楽しいし、同じ被写体でも全く違うように撮れるのもすごい。

自分のお気に入りの組み合わせをお気に入り登録して即座に呼び出す機能まで。最大3通り記録できるので、「今すぐ設定してすぐ撮りたい!」というときにいちいちレンズを回さなくても一瞬で設定できます。
私はレンズフィルターのお気に入りのものを記憶させてます。お気に入りは「光漏れ×○○」と「ハーフサイズ×○○」です。「光ズレ」も面白いな。

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あとmicroSDカードを挿せます。チェキフィルムを入れていなくてもデジカメとして使えるのです。もうこれでいいじゃん。
写真1枚の容量もかなり小さいのでそんなに大きい容量のカードもいらないです、16GB有れば十分でしょう。ちなみに私は128GBのものを入れているのですが、残り99999枚にカンストしてそこから何枚撮っても減りません。助けてください。

めちゃくちゃ贅沢言えばファインダーと充電式バッテリーが欲しいところではありましたが、たぶんそこまでしたら値段をここで抑えられなかったでしょう、致し方なし。私は何度も間違えてファインダーを覗こうと顔に近付けてました、何も見えません。

ちなみに充電はmicroUSBを直繋ぎです。充電中に電源を立ち上げると充電が停止するので充電しながら使うという事はできません。ぶっちゃけ長持ちってわけでもないので持ち運び充電池があった方がいいかもです。

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③Bluetooth機能とアプリが快適

FUJIFILMユーザーなら知っていると思いますが、既存のFUJIFILMカメラ接続アプリって死ぬほど接続悪いんですよ。X100VもX-PRO3も何度も接続トライしましたが全く連携してくれないので使うことを諦めています。

そんな事例があったので正直あまり期待していなかったんですが、このアプリめちゃくちゃ連携抜群です。1回登録したら次から自動で接続されます。ちょっと接続悪いなとなっても、登録し直すのが簡単なので割と苦痛なく設定し直せます。

さらにプリントしたチェキ写真データをスマホに写すことも可能だし、スマホ内にある写真データをチェキに送り込んでプリントすることも可能です。相互に写真データをやり取りすることができます。どこで本気出してるんだ(褒めてる)。

ぜひFUJIFILMアプリもこんな感じで改善していただければと思います。

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④曖昧なフィルムの質感、写しすぎないディスプレイ

今回最もお伝えしたいところがここです。チェキを撮っていて一番強く思ったことが、「写真は自由だ」ということです。

最近、dazzcameraという(フィルムっぽく撮れる)スマホカメラアプリを使って毎日写真を何かしら撮っているのですが、何というか気負わずに撮れるんですよね。フィルムっぽい感じで撮れるというだけあってランダムで感光して白くなったり、ちょっとブレて上手く撮れなかったり。そんなことも「それがなんかいいじゃん」ってなるんです。

「よく撮らなきゃ」「綺麗にまとめなきゃ」みたいな喧騒から外れた世界で「なんかいいな」って心が動く瞬間にシャッターを切る。それだけで満たされる感覚。写真を撮るという行為自体を純粋に楽しめる。それがこのEVOで撮っていて感じたことです。

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ディスプレイを初めて見た時は「全然明確に映らねえ、大丈夫かな」と心配したくらいでした。プリントしたチェキには最新のデジタルデータのような高精細さはありません。エフェクトによっては感光したり色ズレしたりしているので被写体の一部を見えなくしているものも時々あります。

その曖昧さが、写り過ぎない余白がたまらなく愛しい。子ども時代や数年前の思い出が朧げに頭の中に浮かんでいるかのような、完全に思い出し切れない記憶のような曖昧さに心惹かれるのです。

そしてその曖昧さが、写真を自由に撮って楽しむという行為を「許してくれている」と感じる、と言うと、幾分か私も現代に溢れる写真たちに呑まれているのかもしれませんね。しかし中にはそんな人もいるのではないでしょうか。

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最近のカメラはどれも綺麗で高精細、機能面の充実がずば抜けていて良くないカメラなんてないんじゃないかって思ってしまうくらいです。扱う方々も素晴らしい腕前で世の中綺麗な写真で溢れています。

ただそれゆえに、何でも綺麗に写ってしまうと感じることがあります。「何が」かを言及すると話がこじれるので今回は言いませんが、写り過ぎることが必ずしもいい訳ではないのかなと感じる時もあったりします。

EVOは、その曖昧な余白と写真を撮って楽しむ行為を改めて教えてくれたような気がします。

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⑤チェキをもらう嬉しさ、渡す喜び

今回の長野旅行では友人の1人がEVOを買っていたのですが、みんなが撮ったり遊んだりふざけたりしているところを撮ってくれていて、プリントして渡してくれたんですよね。そこに映る自分と友人の姿を見て何か心がポカポカと暖かくなるような感覚を覚えました。

「今この瞬間を撮る」×「その場で渡してもらえる」=「最大級の喜び」に繋がるなんて知りませんでした。みんなと過ごしている笑い声や楽しい気持ち、居心地のいい空気がギュッとチェキに詰め込まれているかのようでした。

いわばライブ感。みんなと楽しんでいる空間を写真としてその場で共有できるということが、写真をもらうことにプラスで喜びを上乗せしてくるのです。こうやって自分や友人が撮ったチェキが集まっていくのも楽しいです。

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写真を渡すのも嬉しい。一緒に過ごしている大切な友人が喜んでくれるのは見ていて幸せな気持ちがより一層込み上げてきます。
アナログなやり取りですが、この感覚はチェキをやっていなかったら味わえなかったかもしれません。

デジタルとフィルムのいいとこ取りをポケットサイズにまで詰め込んだ特別なカメラ

ぶっちゃけ最初にチェキの発売を見た時は「今チェキ!?」と驚きもしましたよ。CanonのR3にNikonのZ9というようなラインナップされた流れの中ではあまりに浮いてましたから。まあそこがFUJIFILMの好きなところなんですけどね。

何でも綺麗に写せてしまう、気軽にデータで送れてしまう時代だからこそ、曖昧さや余白を楽しみアナログなやり取りができるカメラを持っていてもいいんじゃないかなあと思いました。そもそもフィルム入れなくてもデジカメとして使えるので、それが2.5万で買えるならほぼタダって感じですね。

みなさんも買わなくていいので、ぜひプロモーションを見たり店頭で触ってみたりしてみてください。気付けばあなたは買わないはずだったそのカメラが手元にあることに戦慄すると共に幸福感を手に入れることになるでしょう。

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それでは。

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