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働きたくない(30代前半の頃)

 相変わらずプラプラしていたのですが、運命のいたずらなのか、大阪では多数の人が知っている会社に、派遣社員としてですが勤務することになりました。仕事を紹介されたタイミングも、少しのズレ、本当に数秒程度のズレがあれば、この会社で働くことはなかっただろうという、今でも奇跡だったなと自分では思っています。

 ある夏の暑い日の昼下がり、時間を弄んでいた私は散歩に出掛けました。暑い日の日中に散歩に出掛けようと思うことなんて普段は起こり得ません。しかも、その会社が入っているビルは自宅から3キロ近く離れており、道のりもほぼ一直線とはいえ、そこまで歩いて行っていたというのも、何か見えざる手によって仕組まれていたのかもしれないと、オカルトっぽくなりますが思うほどです。

 偶然にも私はその会社が入っているビルのところを通りがかったことと、以前に同じ職場で働いていたことのある知人が派遣会社の営業担当になっていて、その会社の案件を伺った直後(本当にすぐ)に私と再会したこと、この2つの偶然が重なった結果、私はその会社で働くことになったのです。本当に数秒程度のズレでその知人と再会することすらなかったわけですから、私の人生の中でもインパクトのある出来事の一つとなっています。

 この会社で働くことによって、私のそれまでの状況、状態を立て直すことができました。財政面でも精神面でも、生活に必要な最低限のことを安定化させることができました。本当に感謝しています。

 当時、友人に次のように言われたことがあります。「お前はいつも会社をすぐに辞めてるけど、次の会社は何故かステップアップしてるよな」と。自分でもそう思います。これまで務めた会社同士を比べてどうこうではなく、単純に前に務めていた会社よりも規模が大きかったり、知名度が高かったりする会社に、運良く潜り込んでいるよなという意味のセリフです。何の実績もスキルもない私なのですが。

 正直な気持ち、できることならこの会社でずっと働いていたいなと思いましたが、派遣の期間は当初から最大で3年ということで、30代半ば、3年が経ったときにこの会社から契約期間満了で去ることになります。

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